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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「あれからどれくらい」

 物を盗まれた挙句に徹底的にボロボロにされたプレイヤーに同情はしない。彼らの行動には僕も憤りを多少覚えるから。


「そんな気持ちも忘れる為にこうして色んな場所を巡っているけど。フツーに景色ハンターするってだけじゃ面白く無いからなぁ。でも、他に何しよ?」


 魔王から勧められた気分転換は最初の二日間は上手くいっていた。単純にこのゲーム世界で見られる美しい光景スポットを回っていたから。

 そう言った景色には感動を覚える。確かにこう言った景色を見て回る事を中心に遊ぶプレイヤーも居る事が納得できる。


「だけどさ。僕はあの魔王に勝てないなりにも、一撃でも良いのを入れたいからこそ、頑張ろうって思っていたんじゃないのか?」


 この二日間は魔物と遭遇しても戦闘は避ける様にしていた。戦ってしまうと気分転換になら無さそうだったから。

 一種類だけ、第十悪魔の所の雑魚との戦闘をずっと続けていたので、確かに別の魔物と戦闘をすると言った行為は気分転換になりうる。

 けれども戦うと言う部分からちょっとの間だけでも離れたかったのだ。だからこうして心の癒しに美しい景色を見て回っていたのだが。


「もう充分に癒されたんだよねぇ。そうなると現金なもので、またレベル上げしなきゃ、って思っちゃう。」


 しかしそこで「じゃあこれから第十悪魔の攻略に?」と思うと、まだどうしてもそちらに戻る気になれない。


「・・・そうだなぁ。今のソロの僕でどれくらいの事が出来るのか試しておかないと。何だかちょっと甘えが出てきてるよなあ。」


 魔王の封印を解いてからの僕は魔族に助けられてこの世界を冒険していると言った感じだ。

 マルスにマイウエル。この二人は強力過ぎる。二人と一緒に居るとどうしても僕の地力が上がらない様に思える。


 マルスは巨大な斧を持っているのに俊敏で器用だ。パワー戦闘もできるのに繊細な斥候の役割もある程度のレベル以上を熟せてしまう。


 マイウエルは魔法で取り敢えずオールラウンダー。細やかな攻撃も、広範囲のドカンと一発も出来ちゃうので取り敢えず穴が無い。


 この二人と居ると僕はできる事が本当に少なくなるのだ。討ち漏らしが出たらそれに対処か、或いは最初っから戦闘の邪魔になりそうな奴の足止めくらい。

 戦闘での役割が余りにも無くなり過ぎる。その代わりにラクチンではあるのだが。


「今は誰にも付いてきて貰って無いから丁度良いか。思い立ったが吉日だ。あの頃よりもどれ位強くなれているか、確かめに行って見よっと。」


 僕は今の自分があの頃よりもどれ位変われたのかを確認する為にあの場所に向かった。

 その場所は本当に人が居ない。不人気度ナンバーワンのフィールド。


「ここに来るのも久しぶりだなぁ。前に見つけたあのボスは今の僕なら倒せるだろうか?」


 ここは昆虫魔物の森。無謀にも丸薬を試験的に使って最初の頃に経験値稼ぎをやった場所である。

 あの真っ赤なカマキリはまだあの場にずっと立ち続けているのだろうか?

 ソレを今の自分がソロで倒せるのかどうか?魔物の情報はあれからちょっとだけ探してみた事もあったが。

 それでも赤いカマキリの話は見つかっていないのだ。なので敵は未知数なのである強さが。


「さてさて、そもそも前回と同じ所に向かって迷子にならずにちゃんと辿り着けるかどうかも怪しい所だよね。」


 こうして僕は懐かしさと一緒に森への一歩を踏み出した。

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