攻略!悪魔王編!「その差はどれくらい?」
三つ目の部屋に入る。その時には雑魚悪魔がリポップしていてソレの掃除を先にしなければならなかった。
けれども捜索する部屋内での戦闘は避けたい。なので敵を誘導して廊下へと出てそこでの戦闘に。
だけどもその廊下でも被害が出ない様に色々と気を付けねばならなかった。何せ仕掛けがそこかしこの通路にも施してあってそれらも調査対象だったから。
部屋の中も破壊されたりすると後々に残骸の片づけなども入れないと調査のしにくさもある。なので片付けするにも部屋の中よりももっと広くて単純な部屋外の廊下の方がマシ。
そしてまあそんな廊下の通路も僕らは天井に足を付けている状態で戦闘になる。視覚的に僕は酔いそうな気分になるのを堪えながらの戦闘はキツイ。
とは言え、ここに先に入っていたプレイヤーたちも戦闘をしている。所々で戦闘があってそこら辺の事を気にしていないかの様な破壊の跡が見られていた。
「プレイヤーたちは雑ですね。何故もっと大人しく処理ができないのでしょうか?」
「あ、そう言うのは口に出しちゃ駄目だよ?えー、そもそも、魔族とプレイヤーの「差」って理解できてる?」
戦闘終了後に僕はキョロキョロと周囲を見渡して他のプレイヤーが居ないかどうかを確かめてから小声で「ワン」に言う。不用意な発言は控えようよ、と。
コレにワンは「失礼いたしました」と謝罪の言葉を口にしてから僕の質問に答える。
「一対一では・・・圧倒的に我々の勝利は揺るぎませんね。九割九分、魔族が勝ちます。一部でプレイヤーの中にも我々に匹敵する者が見受けられる事もありますが。集団戦闘になればやはり我々の勝利は確実と言える実力しかない様に思います。」
コードネーム「ワン」は今回このダンジョン調査に来ているチームのリーダーだ。冷静沈着で理解力も洞察力も高い。
そして空気もそこそこ読む方だ。でもやはりプレイヤーにはかなりの嫌悪感があるらしい。僕を除いてだが。
「それが解ってるならこの状態を当たり前、しょうがないと思って気にしない方が良いよ。もしかしたら「破壊」がカギになっている可能性も否定できないからね。」
僕はフラグがどんな事に紐づいているのかは分からない、偶然にも発見される事もある、とそんな意味を込めたつもりでそう言っておく。
コレにワンは「理解しました」と言って戦闘の終わった廊下の奥の方を見つめる。その見ている地点はかなり遠い。それだけこのダンジョンが広大だと言う事だ。
そこではプレイヤーが雑魚悪魔との戦闘をしている最中だった。ソレはきっと戦闘組と言った所なんだろう。確か順調に回せていると言っていたのだが。
「結構苦戦してる?もしかしてレベルが足りてないのかなぁ。まあ、僕らは、おっと、俺たちはさっきの部屋に戻ろう。」
その部屋も既に一度プレイヤーたちがあちこち罠の解除や隠し扉などを開けた後であるのだが。
「うーん?こう言うのを看破できるスキル持ちが少ない?或いはスキルの熟練度が低くてレベルも上がって無いのかなぁ。」
ここの部屋だけで確認されている魔族の方の「事前調査」には十五個が見つかっている。罠、隠し扉などをひっくるめて全部で。
しかしどうにもプレイヤーに解放、或いは解除されているモノはその内の六個。
残りの九個は放置されている状態だったのだ。これはどうにも御粗末としか言えない。
「あ、いや、これが今のプレイヤーの限界なんだな。それでもここに集まっている、って言う限定って意味で。」
これがこのゲームを遊んでいるプレイヤーの「平均」と思ってはいけないだろう。今回の事でここに集まったプレイヤーの限界がこれなのだ。
そうなるとここでまたしても魔族とプレイヤーとの差が大きいと言う事実が目の前にあるという事で。
「これ、放っておいてもかなりの期間かかるねぇ。全ての解放をするのにどれ位の日数が必要になるかな?・・・あ?」
もしかしたら?この時、僕の頭の中に引っ掛かるモノ、閃く事があった。