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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「様子見だけで今日は引き上げ」

 さて、俺たちの最後の問題は第十悪魔のダンジョン「逆さ城」である。

 ケンジの閃きによって第九は倒された。そして無事にあの「球」の確保はできている。

 ならばここまで来たら最後の一個は必ず確保したい所だ。

 だけどもその「球」の使い処はまだ発見できていない。


「あー、魔物がパワーアップするだけじゃ無く、何かもっと別の使い道があるとか?」


 俺はそんな事を逆さ城の前でボヤいた。これは現実逃避である。

 何せ今俺の目の前には城の入り口となる場所にプレイヤー集団が居るのが目に入っているからだ。


「奴らを今すぐに片づけますか?」


 ミャウちゃんがそう物騒な事を聞いて来たのでソレを止める俺。


「まあまあ、邪魔ではあるけど、向こうも向こうでこちらに全く寄って来ないでしょ?ならもうちょっと様子を見よう。」


 こちらには俺とミャウちゃん、それにポチ。後は騎馬軍が二十騎だ。いや、俺も今黒皇に騎乗しているので合計で「二十四」が居る。


 プレイヤーの方はと言うとざっと見で百は下らない数居る。それだけの数が居てもこちらに攻め入ろうと言う動きは一切見られない。

 これは先日のアレが響いているからだろう。百も居ればその中に一人くらいは周りと違う者が紛れ込んでいてもおかしくないのだが。

 そう言った者ですら抑え込んでしまう程に、先日の騎馬軍の件は恐怖をプレイヤーに刻んでしまったのかもしれない。

 こちらをずっと不安な顔つきのままに警戒して固まってジッと俺たちの動向を窺い続けている。逆さ場の中に入るなどと言った行動も見せない。


「ちょっと散歩気分でここまで走って来たけど。もう既にここにプレイヤーがこれだけの数集まって居たとはなぁ。って、つい昨日にもう報告は受けていたっけ。」


 魔族たちの見張りでつい昨日からプレイヤーが第十に集合し始めている事は聞いていた。

 しかし百以上になっているとは思っていなかった。甘い考えだったのである。


「これが十人くらいだったら気にせずに逆さ城の中に入ったんだけど。うーん?このままここで睨み合いをしていればプレイヤーたちは城の中には入らないのかね?」


 既に中に調査をする為のプレイヤーが侵入を果たしたと言う報告は聞いていない。

 なのでもしかしたらこのまま硬直状態を維持するのも良いかと思ってみたりもしたのだが。


「そんな楽しくない事はしたくないなあ。なんか良い案無いかなぁ。あ、ケンジをあの中にスパイ大作戦?」


 そもそもケンジは俺たちの元に居るべき存在じゃ無く、普通だったらあの中に居てもおかしくないはずなのだ。

 まあケンジが「無職」などと言うふざけたジョブになっていなければの話ではあるのだが。


「そこら辺を偽装してケンジをあの中に紛れ混ませるって事は可能かね?うーん、そもそもケンジがこれじゃあ魔王の手下みたいな扱いの形になるし、避けたいところだね。でも面白そう。」


 俺は自分のこの思い付きを自画自賛する。ケンジは俺の恩人、客人としての立場に今はなっている。

 ソレは今後も変わらない。だけどもこのいかにもケンジは「もう魔王軍です」と言った作戦、プレイヤーたちに対して「スパイ作戦」に賛成してくれたら俺は開発室に全力でアイテムも装備も作らせる命令を出すだろう。


「良し!今日の様子見はこの辺にしておこうか。これ以上の数のプレイヤーが集まってこの城を調査するだろう事は予想されるけど、直ぐにここの「コア」が見つかるかどうかは疑問だしね。」


 ケンジから話を聞いていたが、第九の城では相当分かりずらいギミックだった様なのでこの第十も同じくなのではと予想して今日は何もプレイヤーに手を出さずに引き上げる事にした。

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