攻略!悪魔王編!「どっちも」
中に入って早速確かめてみたが、以前の溶岩の時のフィールドが氷になっただけ。
「いや、だけじゃ無い、みたいだな。あっちの通路って通れたはずだろ?なのに氷で塞がれてるじゃん?」
所々で通路が見たまんま、氷の壁で塞がれていた。しかしどうにも炎で溶かす事が可能らしい。
ポチが一吠えした後にその口から「ごおおお」と炎を吐き出していたのだその氷の壁に。
そうしたらどんどんと氷は溶けて開通した。どうやらギミックとして存在しているだけの様だ。
「これが何かスイッチを押さないと解除できないとか言った感じの謎解きギミックだったら凄く面倒だったな。ヤバかったわ。」
雑魚悪魔狩りの効率が著しく下がってしまう所だった。とは言え、この真逆に変わってしまったダンジョンにはもっと別の大きな変化も出ていた。
「床が溶岩で溢れていた場所が冷えて固まって通れる様になってるじゃん。プレイヤーはこの変化で以前のダンジョンで行けていない場所に入り込めるようになったと言えるな。」
溶岩床だった場所は俺であれば何ら影響無く探索はできたが、それはこれまでやっていない。ソレをする必要も無かったから。
しかし普通のプレイヤーならこの変化は見逃せない。恐らくはこうして氷のダンジョンになった事で探索できる場所が広がって「この奥にはきっと何かがある」と行かずにはいられなくなるだろう。
「ミャウちゃん、寒さ対策は大丈夫?ポチは・・・なんだか元気?まあ、良いか。」
俺はミャウちゃんに確認を取ってからドンドンと未探索の場所を進む。
「いやー、これって恐らくはこの状態でダンジョン探索をするのって俺たちが初めてじゃない?ワクワクするなぁ!」
俺はちょっとはしゃいだ。いっぱしのゲーマーである、俺だって。初めて入る事前情報無しの場所ではこのくらいは許して欲しい所である。
そしてその奥で待ち構えていたモノと言えば。
「何だこいつら・・・?」
おなじみの雑魚悪魔である。しかしその見た目がおかしい。
「どうやら氷と炎を両方扱う様です。」
ミャウちゃんが先制攻撃で糸を飛ばして一体を捕縛して一瞬でこの雑魚悪魔の特性を見抜く。
そもそも出て来たのは五体なのだが。ポチが一瞬でそいつらの背後に回り込んで後ろ足で俺の方に蹴っ飛ばして来ていた。
ミャウちゃんが一体を捕縛していたのでこちらに飛んできたのは四体。
俺は咄嗟にその四体を腕を振り払う動作で壁にブチ当てる。
「あー、ポチ?ちょっとお遊びは御預けな?別の遊びを後でしてあげるから、今は落ち着こうか?」
半分氷で半分がメラメラと炎が出ている雑魚悪魔。中二病全開のその性能なのだが、耐久力は別に俺のこの「魔王」の一撃で仕留められてしまうのは変わっていなかった。
「あー、突然こんなのが出てきて驚いたのに。ポチがこっちにそいつらを飛ばしてくるからもっとびっくりしちゃったよ。とは言え、変わらず別に脅威って感じでは無かったから先に進んでみようか。」
糸で捕縛されて身動きできない雑魚悪魔はミャウちゃんがサクッと細切れにして片付けた。
「あー、この分だと第六悪魔の姿って・・・まさか?」
俺はかの有名なRPG作品から漫画になった「ダ◯の大冒険」に出てくるキャラクターを思い出していた。




