何で俺だけ「帰り道にも注意」
彼らはコレにもう精神が探索どころでは無くなっていた。このままこの屋敷を探ってもこれ以上は自分たちの精神が持たないと判断したのだ。
階段をゆっくりと警戒しながら降りていく六人。そして一階にきて皆なにも無かった事にほっと胸を撫で下ろした。
「なあ?こう言う場合って扉、開かないよな?」
剣士は入って来た時に突然閉じた扉を見てそうテンプレを口にする。コレに先ずはやってみてからでも遅くないと斥候が言う。
「やってみよう。開いたら儲けものだ。・・・あ、でも、扉を開けようと手にかけたら発動するトラップとかあるんじゃ・・・」
自分で言っておいてそこに気づき、扉の前で動きが止まる斥候。コレに発破をかけるのは武闘家だ。
「もうこう言う場所だって分かったんだから戦闘準備をして何が出てきても返り討ちにしようぜ!あれは心の準備ができていなかったから逃げ出したんだからよ!」
それは自分自身にも言い聞かせているようなものだった。コレに重戦士が同意する。
「開けてみよう。ここが駄目だったらそこの部屋の窓を割ってでも外に出てここを脱出すればいい。」
コレに聖者が反論をする。こう言った場合はそう言うのにも制約が掛けられていたりするのでは?と。
「もしかして窓が開かない、もしくは破壊できないと言った事も考えられるんじゃないか?こう言った脱出ゲームなどではそう言った事が多い。一度中に入ったら正規ルートで無いと外に出られないと言ったパターンで。」
コレに魔法使いも同意した。そしてここで自殺してデスペナルティをしてでも脱出するべきなのでは?と。
「俺はもう勘弁して欲しいよ・・・誰か俺の首刎ねてくれね?一思いにさぁ・・・」
「おいおい、やめろよそう言うの。それってもしかしたら「仲間殺し」とか言った称号を取る事になるかもしれないだろ?死ぬなら自分で死ねよ、バカかよ。」
剣士はこの魔法使いの言葉に拒絶を示す。不名誉な「称号」を取る事になる様なマネはするはずない、と。
ゲーム内では特殊な行動を取るとそう言った「称号」と言うモノがステータスに現れる。それらは自分の強さに少しだけプラスになる効果が付いているものが多いのだが。
余りにも不名誉なモノにはメリットよりもデメリットの方が「響く」代物が多い。なので剣士はその様な不名誉な称号を取ってしまいそうな行動は控えたいのだ。
称号は所得条件などは開示されていない。中にはこのゲーム内で一人しか持てない称号と言うのも存在する。
こうしたシステムはプレイヤーが偶然取得すると言った事が多く、称号コレクターなる「プレイ」をして遊ぶ者もプレイヤーの中にはいたりもした。
「よし、開けるぞ・・・ひ、開いた!」
斥候が外への扉を覚悟を決めて押し開く。するとそれはやはり入って来た時と同じく「ぎィィいい」と不気味な音を軋ませて開いた。
コレに一目散に外に出ようとせずに六人は警戒を最大にしてゆっくりと扉をくぐる。
「よっし!よっし!外だ!後は門までダッシュでここから出るだけだ!」
武闘家がそう口にした瞬間に「シャキン!」と言った金属音が鳴り響く。




