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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「会議はちょっとだけ斜め上に」

 やる事は決まった。けれどもそこから部隊編成にどの様な役割を持った者を中心にしてメンバーを組むかに俺は頭を悩ませる。

 調査中に突然どの様な事が起きるか分からない。プレイヤーが一度人海戦術をして第四悪魔の居るフィールドを端から隈なく調査をして雑魚悪魔が居ないと言う結論を出してはいるのだが、それを鵜呑みにする訳にもいかないだろう。

 あくまでもプレイヤーたちは雑魚悪魔が出てこないかを調べたのであって「コア」が何処にあるか?などと言った事に集中して調査を行った訳では無い。

 もしも俺たちがこれからやる「コア」の捜索などに関して何かしらのフラグが起った場合に敵の防衛機構が働くと言った可能性も否定できないのだ。


「うーん?誰一人として死者は出したくないから、これ、プレイヤーに調査依頼とか出したりできないかね?」


 ポツリとそんな事を俺は吐き出してしまった。だって魔族やその他、他の種族はそもそも「蘇生」が難しいのである。

 そう、難しいのであって、できない事も無い。以前に復活できる特殊なアイテムをプレイヤーに対して放出した事もある。

 そのアイテムを多めに確保できていればこちらも遠慮無く動くのだが。


「アレはそもそもまだまだプレイヤー側も製作できたって言う情報は出ていないしなあ?ウチにあるのもあの後でもっと探してみたけど、十個見つかっただけだったし。研究所でも大量生産でき無いか錬金術師と鑑定士に頼んであるけど・・・実現が困難だって言われちゃったしなぁ?」


 そう、それを製作するのに集めるアイテムが多過ぎる、プラス、レア素材を求められると言う始末だった。

 なので大量生産は無理、この城の宝物庫に在った素材を搔き集めて二個作れれば良い方と言う結論が出ている。

 そしてソレを作るのにも「失敗」の可能性の方が大き過ぎて手を出せないと言った形になっており、この計画は凍結状態だ。


「魔王様、ではプレイヤーたちの利用している「冒険者ギルド」に対して依頼を出して見るのは如何でしょう?」


 ミャウちゃんがアイデアを出してきた。しかも問題解決を一気にできそうな案だ。


「お?それは良いね!・・・あ、でも「コア」の事はあんまりプレイヤーには知られたくないね。コレで一気に悪魔王編にプレイヤーが殺到して来ると俺のポイント稼ぎも邪魔される事になるだろうし、ケンジの方にも余計な奴らが近づいて来るって事も想定できるよなぁ。」


 良い考えだと思ったのだが「コア」の事を伏せてプレイヤーに調査依頼を出すとなればどの様な形に落ち着かせれば良いかに今度は悩んだ。

 そのまま「コア」の情報がプレイヤーに流れてしまうと一気に数字付き悪魔の討伐が進んでしまう可能性が高くなる。

 ソレは勘弁願いたい。この「コア」の件は独占をしておきたい代物だ。


 ここで会議に参加していたドワーフの一人が意見を出してくれた。


「そうじゃのう、第四悪魔の居る地の「地質調査」なんてどうじゃろうか?あそこは何やら妙に特殊な状況だと言うんじゃろ?悪魔たちは蔓延っておらず、いきなり中心部に入ると地面より第四悪魔のあの巨人が出て来ると言う話で。そうなると、まさか地面に何かしらの影響が出ていて特殊な鉱石でも発掘できるのでは?とか、或いはあの地には何かしらの条件が有って悪魔が居ないのでは?などと言った理由を付ければなんとかイケるんじゃなかろうか?」


「なるほど!それ良いね!それ、採用しようか!じゃあよりもっともらしい設定を作ってボロが出ない様にして依頼を出して見よう。そうだなぁ・・・調査費とか、後は、そうだな、報酬とかはちょっと控えめにして、ウチの制作物を報酬代わりに入れてみるって言うのもアリかもね。」


 既に魔王の「国」と言っても良い規模になっている。そこで俺が悪乗りして生産させたり、開発したりした品が結構あり、その在庫をかなり抱えていて捌けていないのだ。

 その内に大型の倉庫にも入りきらなくなりそうだと言われて追加倉庫を建てる予定だったのだが、それを中止してこれらの在庫を放出しても良いだろう。

 土地は有限だ。なのでここで先を考えずに無暗に倉庫を増やしたりはしたくなかった。


「ミャウちゃん、キリアス、ちょっとそこら辺の調整をしておいてくれるか?ゲブガルはプレイヤーに報酬として出す物品と報酬金の計算をしておいてくれるか?あ、調査に何人くらい必要になりそうかの試算もしておかないと駄目か。ドワーフたちとそこら辺の相談もしておいてくれるか?スマン、苦労を掛けるな。おっと?そうなったらあのフィールドって雑魚悪魔が一切出てこないんであれば拠点を作っちゃうのも良いんじゃ無いか?こっちで素材と建材を出して。あそこ等辺は全部見える範囲平らだし?敵も魔物も出てこないとなれば幾らでもビル建て放題じゃね?あそこを土地開発するのも面白そうじゃない?」


 俺のこのふざけた思い付きにドワーフが食いついて来た。


「ふむ、ならばあそこに我々の実験施設などを建てたりしても?もしくは鍛冶場も作ったりは?地質調査だと言う事で万が一にあの土地の地下から上質な鉱石などが出ると言った事になれば材料も困りませんな?」


「あー、別に実験施設を建てるのは良いけどね。あそこは別に誰の土地でも無いって感じだし?第二の鍛冶場建設も許可はするけど。うーん?あそこから鉱石が出るとは思えないからそこら辺は夢見ない方が良いかもね。んじゃあ、そこら辺皆で動こうか。」


 こうしてちょっと変な方向に向かってしまいそうになっているプロジェクトが発動した。

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