攻略!悪魔王編!「おっと、どうやら問題はもっと深かった様だ」
作戦会議だ。今回の第四悪魔討伐は選出するメンバーから先ずは考えないとならない。
ソレは盾役、回復役、はもちろんの事、囮役や攻撃メンバーも選考しないと駄目だ。
「1パーティ六人編成で考えて、先ずは俺。それとケンジが入るだろ?ミャウちゃんが付いて来るのは確定で、マイウエルは極大魔法をぶちかますのに必要だからコレも欲しい所だし?マルスどうする?ボッズでもまあ行けると考えるけど?後は・・・ゲブガルは絶対に必要って感じかな?パーティをもう一つ組んでレイドで行っても良いと思うんだよねー。」
有象無象で数を揃えて挑むのは無しだ。第四悪魔とやり合って「生き残れる」と確信できる者じゃ無ければ連れてはいけない。
「あ、ポチも連れて行った方が良いな?ポチの瞬発力なら攪乱が効果的だよな。キリアス、は如何しようか?マイウエルの補助として入ってくれると助かる形になりそうだけど。ライドルに声を掛けて遠距離狙撃を担当して貰うって言うのもアリか?バイゲルに幻惑魔法を・・・って、第四悪魔に効くかな?」
四天王全員を招集して向かうのも良いだろう。そうなれば戦力は申し分無いと思える。
しかしライドルとバイゲルを引っ張り出すとせっかく残っている拠点に留守の間にプレイヤーに攻め入られる、などと言った事も考えてしまう。
俺はここでちょっと悩んだ。防御に偏らせるべきか、或いは集中攻撃速攻撃破を狙うか。
しかしここでケンジが手を上げた。俺はコレに「どうぞ」と言って発言許可を出す。
「ちょっとメンバー集めの前に疑問があるんだ。これまでは二体の悪魔、第一と第二だけど。倒す順番が「コア」から「分体」の流れだったんだよ。そうして倒した分体からは「球」が出て来た。」
俺はそれだけではケンジが何を言いたいのかまだちょっと分からなかった。最後まで話はちゃんと聞かないといけないと思ってその時には何も横やりは入れずにじっとその後のケンジの疑問を続けて聞く。
「これ、逆の順で倒した場合、出てくるのか?分体を先に倒して次にコアをぶっ壊して、それで、コアからは「球」は出てくるだろうか?」
なるほど、と俺は納得した。コアを倒した後に分体を倒すと数字付き悪魔は二度と復活しないのである。
そうなると、分体を倒した後にコアを潰して、さて、そこで「球」が出てこなかった場合には後戻りできないと言う訳だ。
確定ドロップ品なのかどうかもまだ分かっていない「球」である。それを得る為の条件なども確実と言えるだけの情報がまだ無い。
だからここで倒す順番が逆でも「球」は出て来るのか?と言った疑問なんだろう。
だけども、そう、この実験はしたくてもできない。倒す順を「分体」「コア」にしてしまった場合もきっと数字付き悪魔は復活しないと思われるからだ。
「今回の事はやっぱり推測でしか無いから。あの「分体」の下に「コア」が隠されているんじゃ無いか?って言うのは。だから邪魔者のあの巨体を倒した後にその下の地面を掘って「コア」を発見できたとして、さあ、それでそのままコアを潰して良いモノかどうか?コレで「球」が出てこなかったらきっとそれは二度と手に入れられないんじゃないかな?失敗は許されない、って感じだよね、コレ。しかも地面を掘ってコアが出てこない場合はさて何処に?ってなもんで。その時はその時で問題は問題なんだろうけど。」
もしもあの「球」が重要アイテムであればそれが今後二度と手に入らない。第四悪魔のコアが破壊されて、分体は先に倒してしまっているので復活も絶望的。
そうなったら「コンプリート」する事で起きるかもしれないイベントなどが「球」にあった場合はそれが起こせなくなる可能性が。そんな想定が簡単に浮かんできてしまう。
「じゃあどうしようか?あの運営の悪乗りで実装されてるデカブツを相手にしながら地面から「コア」を掘り出す作戦?ちょっと無茶がある気がするなぁ。でも、ケンジの言う事も深く納得できる部分があるよなぁ。」
俺はここでこの件がメンバー選出よりももっと重大だと捉えた。ならばそっちの事を先ずは考えないといけない。
「工作部隊を結成?ああ、それを守る部隊も編制しなくちゃいけないだろ?え?俺の負担ヤバくない?」
この第四悪魔討伐作戦は俺の思いもよらぬ方向に傾いて行った。