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何で俺だけ  作者: コンソン
「俺」
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何で俺だけ「ホラー違い」

 世の中にはいろんな「ホラー」がある。今回の彼らはこの屋敷を「不死系モンスター」の「ホラー」だと考えていた。

 しかし中身はと言うと人の中の恐怖や拒絶を引き出す類の「ホラー」だった。彼らは皆敵がわらわらと出てくるモンスターパニック系だと勘違いをしたままで屋敷に突入したのだ。

 屋敷は西洋風、そうなれば出てくるのはゾンビ系の大量発生か、もしくは典型的なゴーストの類、もしくは屋敷の主とも言うべき「リッチ」だと言った思考が最初に全員の共通認識になってしまっていた。

 だが、この屋敷に仕掛けられていたのは「悍ましい系」やら「突然の恐怖系」と言った一目で人が本能的に拒否反応を示す類のモノだ。

 これらのモノは「ホラー耐性」と呼ばれるその本人が持つ独自の抵抗力を持っていなければ、先程の様に全力で逃げ出すと言った事になるのである。


 彼らが勘違いした原因は廊下にもあった。何処までも続く「果ての見えない廊下」は永久ループのトラップだと認識した。コレは間違いでは無い。これを解くための「鍵」も確かにこの屋敷には存在する。

 けれどもこのトラップ、こんな時にはもの凄く効果が出るのだ。逃げると言う意味で、彼らは追い詰められている状態だ。そして廊下に出て元の道を引き返そうとすると、どうにもいくら全力で走っても二階へと上ってきたその階段へと辿り着かない。こうなれば精神的にも体力的にもすり減らされる訳で。


「なんだよコレは!戻る事が出来ないのかよ!?」

「あれはヤバい!あれはヤバい!あれはヤバい!」

「超びっくりした!もう二度とあそこの部屋には入らねえ!」

「駄目だった・・・もうこの屋敷はトラウマになった。攻略しないで帰ろう!」

「流石にあれは無い!流石にあれは無い!あれは無い!」

「なあ!後ろから追いかけて来てないか!?大丈夫なのか!?」


 誰も最後の疑問を確認しようとはしなかった。この屋敷から出たいと言う気持ちで一杯で。

 それと、もし追いかけられていたら嫌だ、と言った振り向きたくない気分になっているのだ。

 しかし勇気を振り絞った武闘家が振り向くとその部屋のドアは開いたままであるようだったが、そこからあの先程の赤い服を着た少女は出て来ていない。


「だ、大丈夫だ!一回止まるぞ!こうしてループする廊下だ。どこまで逃げても多分ギミック解除を出来なけりゃ走るだけ無駄だ。」


 この言葉に全員が一斉に止まる。そしてそっと振り返って少女が追いかけて来ていない事を理解してホッとした。けれどもそれがまた何か不気味な印象を逆に強く与えてきてソワソワと落ち着かない。

 だが、止まった事でループしていた廊下が突然元に戻る。側には最初にここまで上がってきた階段、顔の無い絵画が飾られている場所だった。


「戻れたのか・・・だけど、どう言う条件だったんだ?」


 剣士は呼吸を落ち着けてから絵画を見上げた。しかしそこからまたしても剣士は「ひっ!」と声をあげる。

 顔の部分が剥がれ落ちていたはずのそこには美しい少女の微笑みがあったからだった。

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