攻略!悪魔王編!「奴を倒す為の情報が欲しい」
絶望的、そう言って良いだろう今の僕の気持ちは。そのロケット弾はどうにも誘導式らしかったのだ。
逃げる方向を少し横にズラせばそれを追従する様に動きを変えるロケット弾。
「これは!ヤバいね!九死に一生を得たい場面!」
そのロケット弾と僕との距離はまだまだ遠く、やりようがあると言えば、ある。
だけども失敗するとそれこそ、そのまま即死亡に直結だ。その方法は。
「立ち止まって・・・狙いを定めて・・・魔力充填・・・発射ぁぁ!」
そう、真っすぐこちらに推進して来るのだからソレを狙い撃ちして撃墜すれば良いのである。
けど普通はそんな事をしようなんて事を即座に決断はできないモノだろう。
でもここでの僕は使命がある。マルス、マイウエルを無事に生きてこのフィールド、第四悪魔から逃がす事。
それこそ、僕の命に代えても。と言うと大げさだから、デスペナルティのレベルダウンに代えても、と言った方が良いだろうか?
そして僕はここで運も味方につける事ができていたと思う。放った「魔力弾」は狙い外さずロケット弾に命中してくれたのだ。
もちろん外す気で放った訳じゃ無い。ちゃんと狙った。しかし少しでも運悪く軌道が逸れてしまっていたらそこで僕の運命は決まっていた訳だ。
これがきっと現実で、そして本当に僕の命が掛かっていた様な場面だったならばきっと動揺が激し過ぎてこんなに冷静にはなれなかっただろう。
でもここはゲームの中だ。ならばやられてしまっても復活する安心感があるのだから心を落ちつかせるくらいはどうって事無いのである。
「爆風で吹っ飛ばされてるけどね漏れ無く!」
そう、僕が命中させた魔力弾によってロケット弾は空中で爆発。その爆風はかなりのものでまだまだ遠くに居た僕を吹き飛ばすくらいの威力があったのだ。
でもその飛ばされた分だけの距離が稼げたと思えば良い。今は一ミリでも第四悪魔から遠ざかる事を考えるべきだ。その手段がどんなモノであろうと。
それでも上手く着地ができずにゴロゴロと地面を転がる僕。しかも吹き飛びダメージがしっかりと入っていてHPが結構減っていた。
「きっ・・・つぅゥぅゥう!って言ってる場合じゃ無いから直ぐに起き上がって走らなきゃ!」
おかしいとは思いつつも僕は直ぐに立ち上がって再び走る。少しでも第四悪魔から離れる為に。だがここで僕の脳内には瞬間的に違和感が浮かんでくる。
遠距離攻撃、第四悪魔はそう言った攻撃を幾つも仕掛けてきてはいたが、一向に僕らを追いかけて来る様子は無い。
「・・・まさか、あの場から動けないのか?それとも動かないのか?ソレは、なんでだ?」
しかしこの疑問の答えを出すには情報が今は無さ過ぎる。だから後回しにするべき。
だけど僕は走り続けながらも考える事を止めなかった。
(動けない、というよりも、離れない?離れられない?じゃあもしそうなら、その理由は?)
ここまで考えて理解した。そうであれば答えは簡単だ。しかしコレは推測に過ぎないし、それが本当に真実なのかどうかの確証も無い。
だけど僕は自分が出した答えに確信をしていた。
(あの「モビル◯ーツ」の地面の下に「コア」があるんじゃないのか?)
第四悪魔は地面から生えてくる様な登場をしてきた。あれ程の巨体である。側に「コア」が無ければエネルギー供給とか、制御とかそう言ったモノが上手くいかないのではないだろうか?
だけどそんな事を分かったとしても、その「コア」を破壊するには先にあの巨人「モビル◯ーツ」を完全に起動停止までさせないとならないだろう。
「やる事は・・・プレイヤーたちが討伐した時の動画を先ずは探す所からだな。」
どうやら僕はいつの間にか第四悪魔からの攻撃される範囲を超えていたらしく、後ろを振り向けばいつの間にかあの巨大な姿はどこにも見えなくなっていた。