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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「只の硬い奴」

 まあ、あれだ。格闘技初心者二人がルールの無いぎこちないスパーリングをしたみたいになった。

 互いの技量は同じ。攻撃力は俺の方が圧倒的に高いが、相手の第三悪魔の防御力は滅茶苦茶高くなっており、しかも防御もしてくるので簡単には倒せない。

 相手も相手で反撃はしてくる。しかしどうやら「映し取る」限界値と言ったモノが在るんだろう多分。

 その放たれた拳を俺は受けたり、いなしたりするが、へっちゃらだった。


「コレで俺の「ステータス丸写し」とか言ったのであればダメージ入っているはずだもんな!」


 五分くらいずっと殴り合いをしていたが、俺はその時点でこの先の事を予想していた。


「これは俺だけで倒すには時間が掛かり過ぎるよなぁ。ミャウちゃん、ポチ、連携してこいつを倒して行こうか。倒しがいがあるって言うか、コイツ、只々硬いだけだわ。」


 何処までもひたすらに面倒、それが第三悪魔の正体。倒すのに工夫が必要とかそう言った次元じゃなかった。

 このまま殴り続ける事で倒せる事は倒せるだろうが、それだけだ。時間だけ掛けりゃ倒せる。

 俺が求めたのはそう言った単純な労力がかかるだけの戦闘では無いのだ。もっと回避して、どうすれば有効打を与えられるか考えて、それを実行に移して、と言った感じのちゃんとしたバトルだ。

 第三悪魔には全くそう言った要素は一切無い。倒すだけなら馬鹿でも分かる。殴り続けるだけで良いと。


「ミャウちゃん、こいつを眠らせるとかはできるかな?雑魚悪魔は寝たんでしょ?だったらちょっと試してみてくれる?」


「御意に。」


 ミャウちゃんはそう言って糸を操り第三悪魔を拘束する。そこでキラキラと光る粉を第三悪魔の顔付近に散らせた。

 そしてどうにもミャウちゃんはそのままどうやら眠りの魔法を追加で発動したらしい。

 次の瞬間にはドスン、と言った衝撃が足の裏に伝わってくる。そう、これは第三悪魔に「睡眠」の状態異常が効いた証拠である。

 第三悪魔はコレに倒れたのだ。何らの抵抗を見せずにミャウちゃんの攻撃を受けてあっさりとその身を地面に横たわらせた。


「おー、スゲー面白い。ボス級なんだろうに状態異常が効いちゃたねぇ?雑魚悪魔の特性がそのままボスにも通じるって事なのか?ここ限定?他の所も一緒か?まあ、そこら辺の検証は良いか。んじゃ、ちょっと準備をするかな?」


 俺はとうとう使う事にした。何をか?ソレは例の「ヤヴァイ」ヤツである。そうあの刀である。


「ポチ、ちょっと準備してくれるか?そうそう、こいつを叩き起こす役目。一撃入れてこいつが起きたらすぐに離れて。遠くへね?」


 この刀、危険過ぎて中々に使い処が見つからなかったのだが、こいつには使っても良いだろう。

 俺は意識して手から刀へと「魔力」が流れる様にイメージをする。そして。


「よし、ポチ。やっちゃって。」


 充填完了。準備が整って俺はポチに指示を出す。するとポチは眠って横たわる第三悪魔を前足のその鋭い爪で思い切り引っ掻いた。

 ギャリリッと金属同士が削れ合う様な音をソレは響かせる。その後に直ぐポチはその場を言いつけ通りに即座に離れる。


「お目覚めの所悪いけど、即、消えて貰う。じゃあバイバイ。鬱憤が溜まったらまたここにきてド突き合いをしに来るよ。」


 ゆっくりと立ち上がった俺の姿のままの第三悪魔。そこに俺は居合切りで刀を振るう。

 刀は弾かれずにしっかりと第三悪魔の胴を真っ二つにする事に成功した。


 コレに次には斬られた部分から真っ白な光りが第三悪魔の全身を侵蝕して染め上げて、最終的にはそれが「ぱあん」と弾けて塵となって全て消えて行った。


「相変わらず怖い威力だよ、この刀はさー。さて、じゃあ帰ろうか。ドワーフに刀のメンテナンスもして貰いたいしね。こんなに硬い奴を斬って大丈夫だったのかどうかの確認だな。」

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