攻略!悪魔王編!「取り敢えず考え無しにやってみる」
やはりこの水の塊は俺のパンチを最初と同じ方法で受け止めて来た。そして同じ様に威力を吸収、放出と言った具合にカウンターである。
「まだまだまだまだまだぁァぁァあ!」
俺は連撃を叩きこむ。一撃ずつでは同じ事の繰り返しだ。ならばこうしてラッシュを掛けてこの水塊へとより一層の負荷を与えてみる実験をしてみる。
返って来る衝撃波、そんなモノは何のその。一歩前へと踏み込んで、踏ん張って、どんどんとお構い無しに拳を打ち出す。
水塊はこれを全て受けきって、吸収しきった。と思った次の瞬間に爆発した。
「ぶはぁっ!思いっきり被った!びしょ濡れだわー。ふぅ、取り敢えず破壊不能じゃ無かったのは助かったかな?」
余りここに時間を掛けていてもしょうがない。駄目だと思ったらダメ、そう言た区切りをつける為にも一番単純な方法の実験を先ずは行ってみたのだが。
「耐久力は高かったんだろうなー。まあそれがどれ位であるかの検証はできなかったけどな。」
この水塊はきっと吸収した攻撃力の半分を衝撃波として返すだけのお邪魔オブジェだったんだろう。
本来だったらきっとここの道以外でのルートを探ったり、或いはこの水塊を退かす事ができる、もしくは消す事ができるアイテムかギミックを見つけて発動と言った具合だったんだろう。
「じゃあ奥へと進もうか。・・・あ、これってもう一度復活するって事があるのかね?帰る時にまたここを通る際に元に戻ってたらメンドイな?」
その時はその時でまた別の検証を行ってみてデータを確保するのが良いかもしれない。
他にもっと簡単で安全な方法で破壊できる条件があったりするかもしれない。
「まあ帰りにまた塞いでいたらそん時はそん時で考えるか。」
俺たちはこうしてこのダンジョンの一番最奥に辿り着いた。辿り着いたのだが。そこにあったのは。
「アイアンゴーレム?って、只の、って事は無いんだろうけど。」
そう、そこには俺と大体背格好が同じくらいの鉄らしき金属でできた人型が立っていた。
「フィールドの広さは・・・やけに中途半端だな?何かしらあるのか?警戒した方が良いな。」
どうやらこのフィールド中央に居るアイアンゴーレム?こそが第三悪魔らしかった。
ここはざっくりで言うと小さい野球場?くらいの広さである。広いと言うと、広い。狭いかな?と思えば狭いと言える。
俺のこの「魔王」の体躯だとちょっと狭いな?くらいには感じる広さである。
そしてその中央に俺と同じくらいの大きさの第三悪魔だ。これは追加で狭く感じる要素である。
「動かないな?もっと近づかないと反応してこないのか?じゃあもうちょっと・・・」
俺たちは警戒を上げてそこまで一気には近づいていない。どんな攻撃を向こうがしてくるかが未だに分からないから。
だけどどうにも幾ら近づいても第三悪魔には反応が見られないので。
「まさか死んでる?とか言わないよな?どうなってんだコレ?」
俺はとうとう目の前まで近づいてしまう。どうにも向こうの反応がゼロだから。全く動いて来ない。
警戒はしていてもいつまでも反応が無いままだったのでこうして最終的に第三悪魔の直前まで来てしまったのだ。
こうなれば誰もが多分する行動があると思う。俺はそれを見事にやってしまった。
そう、指でそれを軽い気持ちで突いてしまったのだ。