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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「待ち伏せを嫌って」

「あ、魔王、久しぶり。って言うか、呼び捨てで「魔王」って言うの、違和感が拭えない。」


「まあ良いさ。その内に慣れるって。俺のジョブが「魔王」になった時に名前を決めるとか言った流れが全く無かったからな。どうせならもう面倒だから魔王呼びでイイや、ってなったしな。正直言って自分のプレイヤー名なんて言った事に思考を割くなんてやってられない状況だったからなぁ。」


 しみじみとその様な事を口にする魔王。そこで僕は話を変える為に玉を取り出す。


「これ、魔王が持っていてくれない?これ持ってると何だか落ち着かないんだよねぇ。自分の実力で悪魔を倒した、って感じがしないからさ。倒した「証し」としてのこれは僕には持っている資格は無いと思っちゃって。魔王に上げたいんだよね。ほら、マルスもマイウエルも、ボッズもキリアスも、魔王の部下でしょ?部下の力は魔王の力、って言っても過言じゃ無いし?悪魔を倒せたのってほぼほぼ、彼らの力だからさー。」


 僕は玉をテーブルに置く。二つ両方。コレに魔王が「んん?」と目を丸くしてその玉を見つめる。


「ほー?こんなのが悪魔を「完全消滅」させると出てくるのか。綺麗な青だな?手に取って見ても良いか?」


 僕はコレに「どうぞどうぞ」と薦める。コレに魔王がそっと玉を持ち上げて手の中でコロコロと転がし始めた。


「なんにも変な感じは受けないな?綺麗な大きめのガラス玉?って感じだな。多分全部揃えてきっとイベント事が発生するんだと思うけど。取り敢えずこれはこっちで保管しておこうか。あ、これが一体なんなのかを調べるのに研究室に回して良いか?」


「良いよ。好きにしちゃって。僕が持っていても何も分からないだろうし。それがどう言った代物なのか分かったら教えてくれればそれで。」


 こうして魔王の手からメイドさんにそれが渡される。メイドさんは玉を受け取ったらそのまま部屋から出て行った。どうやらその研究所とやらに持って行くんだろうきっと。


「お!話は変わるんだけどさケンジ。次に行く数字付き悪魔、俺も同行して良いか?」


「・・・ふぁい?」


 丁度茶菓子を口に入れていた僕は変な声を上げてしまった。さっきマイウエルに言われていた「魔族と一緒のプレイヤー」の話題に繋がるからだ。

 仲間を作って僕を擁護してくれる者をプレイヤーで一人作ったら?といった提案だったソレを僕は蹴っている。

 そこからの魔王の同行である。プレイヤーと魔王が仲良くダンジョン探索。

 そんなモノを目撃するプレイヤーが現れたら大炎上する事だろう掲示板が。


「・・・今更かな?いや、炎の勢いが今以上になるのはこっちの身動きが取れなくなりそうだから止めておいた方が・・・」


「あー、確かになぁ。俺たちは今第十を中心にして雑魚狩りをしてポイント貯めてるんだけどさー?なんかちょっと女性プレイヤーが待ち伏せに来てるのが鬱陶しくて。」


「ふぁい?」


 また僕が茶菓子を口に入れてる時に爆弾をほっぽって来た魔王。

 どうにも詳しく聞いてみると、ペットの「ポチ」の事がどうやら有名になったらしく、そのモフモフを一目見ようとして動物好きな女性プレイヤーがコミュニティを作ったらしいのだ。

 そしてどうやったのかは分からないが、そのコミュニティ、第十悪魔へと挑む事ができるようになるフラグを起てたらしい。

 魔王が数字付き悪魔のダンジョンに現れた事は最近話題となってプチ炎上している。

 そこからその女性プレイヤーたちはモフモフ目当てに勢いで第十までのフラグを一気に立ち上げてきたらしい。

 魔王居る所、モフモフあり。そんな合言葉でそのコミュニティは魔王の目撃情報などを集めに集めて何処で魔王が活動してるのかを探り当て、どうにも魔王を待ち伏せすると言った事をしているらしかった。

 そしてソレはどうやら外す事の方が少ないらしく。


「的確に俺が回る数字付き悪魔のダンジョンの入り口に集団で居るんだよ・・・そんでもってポチをスクショする。それが掲示板に流されて増々ポチファンが増えるって感じでさぁ・・・」


 溜息を吐き出してから魔王はお茶を一口飲む。そしてまた溜息と共に説明を始めた。


「だからここらで一つ思い切った事をしようかな?って。第一第二は倒したんだろ?だったら第三に俺も付いて行かせてくれないか?雑魚狩りはストレス発散もできるけどさ。飽きるんだよなー。それで、ちょっと歯ごたえがある相手と戦って暴れたいのよ。第三にはプレイヤー居ないだろ?俺も調べたけど、あそこは「修行僧かドエムが行く所」とか掲示板に書かれてるくらいだしな。」


 魔王は追加で「待ち伏せされるのがストレス」と言ってソレも発散したいと口にした。

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