攻略!悪魔王編!「無事に倒せた後は」
さて、第二悪魔はやはり二人の協力で倒す事に成功している。何ら特筆して書く事が無い位に前衛、後衛の役割を果たしていたら倒せてしまったのだ。だがその道のりは苦行だったが。
もちろん前衛はボッズ、僕で、キリアスは魔法で後衛だ。
「殆どボッズが第二悪魔を殴り続けていただけだけどね・・・」
ボッズがひたすら人型2mの第二悪魔に対して真正面からガチンコの殴り合いを始めたのだ。
そして僕はボッズにターゲットが向いている悪魔がこちらに攻撃してこない事を良い事にひたすらに背後から斬りつけるだけ。キリアスは時折ボッズが悪魔の一撃を貰って下がった時に間髪入れずに魔法を悪魔へと撃ち込むと言った形だった、終始。
「全身黒タイツみたいな姿で体力お化けとか。これは何の拷問だったんだろうか?」
僕はもの凄く大きく息を吸い込んで、そしてソレを長く吐き出しながらこの第二悪魔とのバトルの感想をこぼす。
そう、相手の第二悪魔は体力お化け、それも、HP自然回復持ちの長期戦必須なボスだったらしく。
「まあ良いじゃねーか!倒せたんだからよ!ホレ!コイツはお前が持っておくんだろ?」
そうやってボッズが僕へと拾った玉を放り投げて来た。それを僕はキャッチする。それは第一悪魔を倒した時と同じモノだった。
「だって、こいつ倒すのにどれだけ時間掛かった?ボッズは一時間以上ずっと休まず殴ってたんだよ?それと同じ時間僕だってずっと悪魔の背中を斬ってたのに・・・途中で嫌になりかけたんだぞ?いつになったら倒せるの?って。というか僕の攻撃効いてないの?って。」
斬っていて深いダメージを与えている手応えはずっとあった。なのに第二悪魔は体力が随分と高いらしく、しかもそれにどうにもHP自然回復量が追加で高過ぎ問題。幾ら斬っても斬っても倒れない相手にウンザリ。
どれくらいの間隔でどれくらいの回復量だったのかは検証すらしていない、というか、そんな暇も無い位ずっと斬り続けていたのでそこら辺は全く分からない。
恐らくもっとアタッカーが居れば簡単に倒せたボスだ。僕らは三人だったから悪魔のHPを削り切るのに相当な時間がかかったと。
「キリアスもお疲れー。的確な魔法攻撃が無かったらきっともっと時間掛かってたわ。」
「いえ、私も魔法の修練不足を痛感しています。マイウエル様であれば私などよりももっと大きなダメージを与える事ができていたでしょうから。ケンジ様にはご迷惑をおかけしてしまい。私の力の至らなさをここで謝罪させてください。」
そう言ってキリアスが頭を下げようとするので僕はソレを止める。きっとキリアスの魔法攻撃で悪魔のHPを削れていなければもっと討伐迄もっと時間がかかっていたからだ。
「いやいや、謝らないでよ。キリアスとの連携は凄くやり易かったからさ。楽しいと感じるくらいだったから。」
僕には第一悪魔を倒した時の「称号」があったはずなのに倒せた時間を見れば本当にそれが効果を発揮していたのかどうかが疑問に思えるくらいの時間が今回掛かっているのだ。
「おい、俺との連携はどうなんだ?」
「いや、ボッズは連携とか言う問題じゃ無いよな?」
ボッズは全て突撃して、真正面から殴りかかって、僕との連携など全く持って眼中に無いと言った感じだた。野獣だ、野獣。
そんな漫才みたいなやり取りを終えて僕らは魔王の城に帰る事に。もうこのダンジョンに用は無い。
「さて、どうする?ボッズは次の第三悪魔倒すのに付いて来る?」
「いや、止めて置くぜ。今回は随分と暴れて楽しかったからな。ちょっと長めの休みを取ってゆっくりするぜ。」
「私も城での仕事を少々溜めてしまっていますので。ご勘弁を。」
二人が次の同行は無しだと言ってくる。これはコレでしょうがない。
「別に無理強いしないし、謝らなくても良いよキリアス。僕が半ば無理行って同行して貰ったみたいな形なんだから今回は。というか、ボッズが休息を?明日は空から槍でも降ってくるの?」
「お?ソレは面白そうな訓練だな?その槍を一切食らわない様に立ち回るんだろ?ふーむ?これはコレで単純に避けるだけじゃ無く弾くとか受け流すとかも入れて総合的な特訓としてイイ感じか?」
ボッズが僕の冗談にマジになった。しかも良い特訓になるとか言って。コレに僕は「おいおい・・・」と流石にドン引きした。