何で俺だけ「恐怖の館は続く」
彼らは屋敷の入り口の扉を開く。古典的ながらも古く軋んだような「ギィィ~」と言った不気味な音を立てて扉は開く。
コレに誰も「凝った演出」だとしか思っておらず、先ずはエントランスへと足を踏み入れる。
そして屋敷の内部を見た感想を聖職者と魔法使いが口にする。
「ありきたりだな。どこもかしこもボロい。いかにも出てきそうって感じだな。お前の出番だぜ?」
「なあ?でもそうするとさ。さっきの庭が・・・」
聖職者がそれを言い終わる前に異変が起きる。
ここでいきなり開けたままにしておいた扉が勢い良く大きな音を立てて「バタン!」と閉じた。
コレにプレイヤーたちは多少は驚きながらもこのダンジョンのギミックだと判断する。そして次いでにこうした不死系の敵が出てくるような建物だとあるあるだと。
「で、確か二階だったよな?お前が見たって言う赤い服着た人影って言うのは?」
武闘家のプレイヤーがそう言って正面の階段へと向かう。それに残りの五人はそのまま付いて行く。
このパーティーは素早さが一番高い武闘家が斥候役として動いていた。反応速度もかなりのもので、この武闘家は自信満々に「罠なんて全部避けれるぜ」と豪語する。
コレに純粋に斥候役のスキルビルドをしているプレイヤーがいつも「役目を取るな」と言って諫めているのだが効果が無い。
確かに今まではそう言った罠があってもその宣言通りにこの武闘家は全ての罠を掻い潜って来ていた。しかしこの屋敷には「罠」は一切設置されていない。それを彼らは知りもしないが。
「何だろな、この人物画?顔の部分が無いな?剥がれて無くなってる。なんかのヒントか?」
剣士が階段を上り切った正面にあった壁に飾られた絵画を見てそう呟く。この屋敷と言う特殊な形をしたダンジョンを攻略するギミックなどのヒントなのかと思っての言葉だったようで。
「別に何ら関係無さそうではあるんだけどな。壁に固定されていて外せ無さそうか。裏側に何か隠しアイテムとかあったら良かったんだが。」
重戦士のプレイヤーはこれを否定する。絵画を取り外せないかどうかを確かめて。
次には全員が二階へと上がり左右を見渡す。どちらも遥か彼方まで廊下が続いていて無限回牢になっていると理解した。
「なあ?これって先に一階で「鍵」を探すパターンじゃね?」
斥候がそう言って仲間へと提案をする。先に捜索するなら一階では無いか?と。
「いや、二階にもしかしたら在ると言ったパターンも無くは無いだろ。それに赤い服を着た人影って目撃もあるし、一部屋ずつ見て行こう。何かレアアイテムが隠されてるかもしれないってのもあるし。」
剣士はそう言って仲間と決めた最初の目的を遂げようと意見を纏める。コレが恐怖との遭遇とも知らずに。
そうして廊下を右手側へと進んで行くプレイヤーたち。一部屋一部屋を確実に開けて行き、そして部屋の中を物色していくのだが、何処もかしこも彼らにとって「ハズレ」であった。
そしてそんな連続で緊張感が無くなり始めた頃にその部屋に当たった。




