攻略!悪魔王編!「上手くいったぜ」
ボッズはキリアスの周囲に多めに集まった青い光を見て即座に退いていた。
その瞬間にコアの左右に巨大な壁が地面から生えてくる。それが一気にコアを押し潰そうと迫る。
しかしやはりそれはコアのあの水の障壁に抑え込まれてしまい一向に閉じない。
そこへ開いた隙間正面から待たしてもボッズがコアへの攻撃を試みた。けれどもやはりコレも障壁で止められる。
「じゃあ背後は?と言ってもコイツ球体だし?背後って言える部分が何処なのか分からんけど。」
前方はボッズ、左右はまだキリアスの土魔法で塞がれているコア。そうしたら残っている部分は背後と言えるのか?
僕は流石にコレも防がれたら撤退だなと思いつつも全力で剣を振る。
隠しボスの悪魔へ散々この剣を叩きつけていたのだが、どうにも不思議だ。欠けや歪みが見当たらないのだ。
普通なら御釈迦となっているのが普通だろうと思う所をこの剣は今も使えている。
そんなまるで耐久力って何?みたいな剣を振り切った時に「ザシュッ」と音が聞こえた時は「よっしゃ!」と思った。
僕の手にはコアにダメージを入れられた手応えを感じる。ならここはラッシュを入れるべきだ。
滅多やたらに剣を振るのではなく、確実に一回一回をコアを見据えつつ腰を入れて丁寧に斬る。縦、横、斜め、右、左と。
「・・・うわっ?終わった、のか?」
その内にコアがまるで水風船が割れたみたいに「バシャ」と弾けて地面へと飛び散る。その後には何も動きが無い。
「・・・あ、レベル一つ上がってる。ふぅ~。倒せたらしいよ?」
僕はボッズとキリアスに向けてそう宣言する。こうして僕のレベルが上がった事をシステムで確認をしたので討伐はできたんだろう。
「何だ何だ?美味しい所を持っていかれちまったな。なかなかあの障壁は手応えが面白かったからもうちょっと殴り続けていても良かったんだがなあ?」
ボッズは信じられない言葉を発する。いや、コレは別に今更ドン引きする様な発言じゃ無かった。ボッズはこう言う性格だと言うのはもう分かり切っていた事だ。
「ケンジ様、どうしてこの戦法が有効だと気付かれたので?できればそれを教えていただけると勉強になります。」
キリアスはどうにも真面目だ。でも僕が実行した戦法をあの瞬時で試そうと気付いて動けるプレイヤーは多分そんなに多くないかもしれない。
「そうだなぁ?あの障壁がソモソモあのコアを完全に守る様に発動される物だったら、こっちに勝てる理由が無くなっちゃうだろ?もしかしたらコアの魔力が完全に無くなるまで耐久レースみたいになるのかとも思ったけど、それはやりたくないなって思った。障壁を使うのに魔力が必要だろうけど、コアの魔力総量がどれだけあるのか分からない状況だったし?それでこちらが攻撃に手をこまねいていたらきっとコアが最初に放って来た魔法でこっちを薙ぎ払って来るんじゃ無いかと思ったら早めに試してみて駄目なら撤退をと考えたんだよ。ボッズがコアに対して防がれてもずっと殴りかかっていたのを見てピンと来てさ。アイツ障壁を出している時にはこっちへの攻撃ができないっぽいって。だとするとほら?もしかして障壁で自身を守るのにも死角ができたりするんじゃ?ってなったらやってみない事には分からないなって。最終的にはそれで上手くいったって感じかな?」
「思い切りがいいじゃねーか。そう言うの嫌いじゃ無いぜ。」
「ボッズに褒められても何だか微妙・・・」
「なんでだよ!?」
ボッズに対して僕はそんな雑な返しをして一端一息入れて今後の相談をする事にした。