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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「特殊防御型」

 そのコアから放たれた魔法は水、大量の水だった。消防車からの放水よりも強力な、である。

 これを受ければ簡単に吹き飛ばされてしまう。そんな威力だ。でもそれをキリアスが魔力障壁で受け止める。

 その放水が止まった時には辺り一帯が水浸し。


「雷の魔法はこれでは使えません。炎も無理です。氷の魔法は恐らくこれらの水と同調して解除されるかもしれません。どうやらこのコアの魔力がこの水にまだ残存しています。気を付けてください。」


 雷は水浸しの床であるのでこちらに感電をしてくるかもしれない危険性がある。炎はどうやらこの空間の「湿気」で威力が出せないと言いたいらしい。

 氷の魔法はどうやらコアが干渉して水に変えて無効化される可能性があると言う。

 キリアスがそんな注意を口にする。どうにもこのコア、自身の生み出した魔力の水でこちらの魔法を制限してくると言った行動が基本であるらしい。

 こうなるとソレに干渉しない「風」なんかの魔法が通用しそうなのであるが。


 一陣の風が即座にコアに向けて飛んで行っている。僕のこんな思考など遅いのだ。キリアスはもうその点に気付いて牽制の意味も込めてコアに風魔法を撃ち込んでいた。


 でもコアの前でその魔法は掻き消えてしまった。どうやら風属性は通用しないと言った所なんだろう。


「なるほどなあ?だったら単純にぶん殴りゃ良いのかねぇ?」


 ボッズは一気にコアに迫る。大きく振りかぶって振られた拳はコアに直撃、する直前で止められた。

 コアとボッズの拳の間には水の壁ができていた。しかも凄くそれは薄い膜の様だった。


「ちっ!かなり魔力を込めた障壁だな?軽く殴っただけだが、どうやらぶち抜くのは苦労しそうだぜ。」


 ボッズは忌々しそうに、しかし楽しそうにその水の障壁を睨む。どれだけ戦闘狂だよとツッコミを入れる所だが、そんなの今更だ。

 つまらない事に思考を割いていないで目の前のコアを撃破する為の知恵を絞らねばならない。


 僕は多分無駄だなと思いつつも弓矢を準備した。そして素早く一本コアに矢を撃ち込む。

 やはりコレも軽く弾かれた。あの薄い水の障壁に。こうなってしまうと手が無い。


 物理攻撃は水の障壁で届かず、魔法は使えはするが、効率も悪いしこちらに被害が出かねないと言う難しい状況。そしてどうにもコアは魔法を掻き消せる特殊な能力も持って居そうだ。

 これでは突破口が見つからない。しかし僕がこんな風に考え事をしている間もボッズは引く事無くコアに果敢に攻め込んでいた。

 どうやらあの水の障壁、ボッズとぶつかる度に「ボヨン」と表面が波打っていた。

 堅い訳では無いらしい。だからボッズはずっとその障壁を殴り続けてサンドバッグ替わりとでも言わんばかりに連打していられるんだろう。

 そうで無かった場合、滅茶苦茶に殴り続けているボッズの握り拳が先にイカレてしまっていただろう。


「・・・あ?もしかして?とは言ってもこれ位の弱点が無ければ厳しいし、有り得そうだな?」


「ケンジ様?何かお気づきになられたので?」


「キリアス、ちょっと俺とタイミング合わせてまた何かテキトーな魔法を撃ち込んで貰って良い?オッケー、それじゃあ・・・サン、ニイ、イチ、ゼロ!」


 この掛け声でキリアスは魔法を放つ。土の魔法だ。僕はソレを追いかける様にしてコアへと接近した。

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