何で俺だけ「趣味とは他人からして見ると」
まあ人それぞれ、自分の周囲に被害や迷惑が出なければそう言ったモノは自由にしたらいいのだ。だからこのバイゲルと言う四天王の趣味に対して俺は何かを言うつもりは無かった。無かったのだが。
「あのー?それって、どう言う事なの?え?戦闘中にお人形でオママゴトをしているって?どう言う事?」
俺はミャウちゃんがする説明についていけなくなる。なので深い部分まで聞こうとして説明を求めるが。
「では、えーと、その、説明をしたい所はヤマヤマなのですが、言葉そのものなのです。あ奴の最も嫌う攻撃が広範囲魔法だと言うのは、そのー・・・そのオママゴトを邪魔されるから、と言うのが大本にありまして・・・」
何が何やらさっぱりだ。コレは一度その戦闘場面を見てみない事には理解ができない。できないのだが、それは何故か憚られる。俺の勘が「見ない方が良いよ」と何故か囁く。
多分コレは見ても理解できない、見たらあかん奴だと感じるのだ。
「うん、よし。その話は忘れよう。じゃあ今日はこれぐらいで戻るね。またね。何かあったら諸々はミャウちゃんの判断で全部処理していいから、後宜しく。」
ミャウちゃんに今日の別れを告げる。すると即座にミャウちゃんは跪いて「は!魔王様に御満足していただけるような仕事ぶりをしてご覧に入れます!」と気合を入れられた。
これに俺はちょっとだけ悪い予感がしたが、ログアウトを選ぶ。こうして俺はゲーミングソファから立ち上がって独り言をこぼした。
「なんかヤバい事が起きる様な、起きないような、ああ、不安だなあ。明日も気合入れて早上がりして様子見をしに来ないといけないか?」
この後、ゲーム内ではプレイヤーの阿鼻叫喚、そしてソレのゲームプレイの配信を見た多くの人々に恐怖の嵐が巻き起こった事を俺は知らない。
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魔王がログアウトした後でも、当然プレイヤーたちはこの世界で冒険をしている者はまだまだ居る訳で。
「なあ?最近に話に聞く広範囲魔法で殲滅してくるって言う魔族、今の俺たちじゃ多分やべーじゃん?だからさ、もう片方に行って見ねえか?」
「は?あっちは何か、ものスゲートラップが張ってあって近づいただけで細切れになるって言ってたじゃん?」
「あ。それもう何が解除キーだったか分からないけど、取っ払われたって!なんかその罠の事を知らないプレイヤーが近づいて行ってさ、何も発動しなかったって。」
「その話聞いて検証班が突撃したらさ、本当に何処にもそんな罠の形跡すら消えてなくなってたってよ。」
「じゃあ俺たちもソッチ様子見しに行って見るか?・・・あぁ、でもさ、パターン的に言うとだよ?死ぬよね?」
「それでも良いんじゃね?ちょっと生配信しながらあの屋敷探索しようよ。ダンジョン扱いだって言うじゃん?まだあそこに侵入した奴らっていないらしいじゃん?罠知らなかったプレイヤーはレベル差があり過ぎるって言って入って行かなかったって聞いたぞソレ?」
検証班の突撃も屋敷の中までは行かずに、糸のトラップが何故消えたのかと言った部分を調べると言った感じでその罠に守られていた屋敷には入らなかった。
その事もあってこのパーティーは自分たちが有名になる為と言う名目で、未だ誰も入った事の無いその屋敷へとダンジョンアタックを仕掛ける事にした。生配信をしながら、である。




