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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「魔王!火山に立つ!」

 俺は今絶景ツアーを途中で切り上げて火山に来ている。


「魔王様が直接出向かずとも我々に第六悪魔を倒して来いと命令をして頂ければ消滅させますれば。」


「いやいや、ミャウちゃん。俺の楽しみは取っちゃ駄目だよ。とは言え、確かに身の安全を考えればバトルなんて以ての外なんだけどさ。」


 俺は今ミャウちゃんと二人で第六悪魔の居る「地獄の窯底」というダンジョンに来ていた。


「この体でまともに戦った事が無いからさ。出来れば一度全力を出して敵を屠って見たかったんだよ。」


 俺はあの封印解除パーティの後はミャウちゃんを護衛に引き連れて各地を飛び回っていた。

 絶景を見て回る為だ。そう、魔物との戦闘がこの「魔王」だとできないのだ。

 ソレはそうだろう。何せ俺はどうやら魔王の力でその魔物をある程度は操る事が可能なのだから。

 魔物は俺にとっては道具とか、力の一端とか、そう言ったモノとなる。

 ソレを俺が倒したりするのなんて先ず意味が無い。そして倒した所でこの「魔王」自体が強くなれる訳でも無い。

 そして俺はプレイヤーを無暗矢鱈と潰す気は無い。だからやれる事と言うと観光、もしくはこうして敵対した悪魔王の勢力とのぶつかり合い位なのだ。


「さて、どうやら火に特化した悪魔らしいけど。雑魚はどの程度かな?」


 魔物でなければ良いのだ。そう、悪魔相手なら幾らでも暴れて大丈夫。

 そしてその悪魔を倒した際にどの様な効果が魔王に現れるのか?或いは現れないのか?実験、検証である。


「俺が危なくなったらミャウちゃんが助けてくれる。ミャウちゃんが危なくなったら、俺が助ける。にっちもさっちもいかなくなったら尻尾撒いて逃げるのもちゃんと忘れてないよな?」


「はっ!このミャウエル!魔王様をこの命に代えてでもお守り致します!」


「駄目だよ?出勤したら帰る時は五体満足で来た時と同じ身体で、が方針だからな。勝手に突っ走っちゃ駄目だぞ?何事も無く一緒に城に帰る。いいな?」


 相変わらず気合が入っているミャウちゃん。俺の中身が「プレイヤー」と分かってもこうして忠誠を俺に誓ってくれている。

 俺のこうした注意もやはり「なんて魔王様はお優しい」と何だかズレた思考で相変わらず受け止めていたりする。


「それにしても俺が腕を一振りしただけで全部消滅しちゃったけど?良いのかコレ?」


「魔王様の魔力が込められた一撃です。この程度の有象無象に抗う術はありません。」


 手始めに俺は軽く腕を横に振っただけだ。寄ってくる雑魚悪魔たちをそれこそ火の粉を払う様に、だ。

 ここにポップする雑魚は「炎の悪魔」らしく、その身体は真っ赤に燃えていて実際に火の粉がその身体から舞い上がっているのだが。


「それにしても熱いな。って言うか、これだけの熱気のある溶岩地帯だと普通ならジワジワと体力減ってる所だよな。対策ができていなければ。」


 俺は今別に靴なんて履いていない。素足なのだ。そしてそのすぐ側には溶岩が流れている。

 だけどもこれくらいの事ではどうやらこの魔王の身体はビクともしないらしい。

 背中に生えた羽で宙に浮くというワザも会得した俺は別にこうして地面に一々立っていなくても良いのだけれど。


「こうして新たな発見をするとワクワクするんだよなぁ。さて、じゃあシステムウィンドウ開いてッと・・・うおッ!?」


「どうかしましたか魔王様?」


 突然変な声を上げてしまった俺を心配してくれるミャウちゃん。その顔は主に何か異常が起きていないかと真剣な眼差しだ。


「いや、心配しないで良いよ。寧ろどうやら俺は悪魔を大量に倒した方が良いらしいというのが分かったから。どんどんと行こうか!」


 先程の六体を倒した時だろう、極僅かではあるが、プレイヤーを倒した時の様にポイントが増えていたのだ。


 こうなれば悪魔は狩り尽くさねばならない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔王が悪魔狩り… 運営の悲鳴がきこえてくーるー 怨嗟の叫びー ってねw
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