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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「そんな効果で大丈夫か?」

「で、第一悪魔と戦ってみたけど。ナニコレ?・・・いや、違うな。二人が強過ぎなんだよ。えらくアッサリと倒せちゃったよ、いや、マジで。」


 特筆すべき所が無かった。第一悪魔はどうやら物理が中心の攻撃で。

 ソレを全てマルスが受けきり、叩き落とし、受け流し切った。


 その攻撃の隙にマイウエルが悪魔からのヘイトを取らない位の威力の魔法を連発する。

 僕はその合間を縫うようにして攻撃、離脱を繰り返す。


 その繰り返しだった。これであっさりと第一悪魔は消滅する。その場には青い色をした宝玉が落ちていた。


「これって重要アイテムだよなきっと?じゃあ、はい、コレ。」


 僕はソレを拾ってマイウエルに渡す。


「え?それケンジが持つべき物じゃ無い?私に渡されても困るよ?」


 最後の止めは僕が刺していた。これは別にマルスとマイウエルに譲られた訳じゃ無い。只の偶然だ。


「ほぼほぼ二人が倒したようなものだし?そうなるとこれは魔王への献上品って事で二人が預かっておいて後で魔王に渡しておいてよ。僕は受け取れないよ。だって、第一悪魔、二人だけで本当は倒せたでしょ?」


「ケンジが居て戦闘が楽だったんだべ。だから、ケンジもソレを得る資格はあるんだべ。まあ、確かにオラとマイウエル様二人だけでも倒せたって言えば倒せたと思うべ。でも、これはパーティでの戦闘だべな。ならオラたちが持たないでもケンジが持っていても良いんだべ。ケンジが魔王様にコレを譲る気ならソレは自由だべな。その時になったらケンジが直接渡すと良いべ。」


 マルスはそう言って二カッと笑う。いや、僕も少しづつだがマルスの表情が理解できてきているのが何とも言えない。

 このマルスの言葉でマイウエルが僕へとこの宝玉を返してくる。


「ケンジが持っていて。マルスの言う通りだから。私たちはパーティでしょ?だったら戦闘で手に入った物はケンジが持っていてくれた方が良いわ。神から与えられたアイテムを収納する力があるでしょ?それに入れておけば手ぶらで旅ができるしね。」


 マイウエルはそう言ってふふふと笑う。仮面で隠されていてその笑顔は見れないが。


『第一悪魔が完全消滅しました。称号「悪魔を滅せし者」を取得』


 僕の脳内にそんなアナウンスが響いた。僕はコレにビックリである。急いで僕はステータスを調べたのだがそこには。


【対悪魔に対して攻撃力1.3倍・防御力1.5倍】


 破格過ぎる倍率に僕は思わず「バランス崩壊、待った無し!」と叫んでしまった。

 この称号は余りにもぶっ飛び過ぎだ。何を考えているのか運営は。こんなもの取ってしまえば雑魚悪魔との戦闘だけでなく、数字付きでの戦闘でも楽になり過ぎるだろうに。


「どうしたんだべいきなり?驚かさないで欲しいべ。」


「一体どうしたの?何か体に異変?体調は大丈夫?」


「・・・いや、ごめんね。驚かせる気はなかったんだよ、ええ、ホントに。けどさ、いや、別に異常では無いんだけど。あ、異常ではあるんだよね、コレ。なんて説明したら良いかなぁぁァ?」


 僕は説明に悩む。だって何だか二人がこの「称号」を得た様子が無いのだ。

 どうにもこれは「プレイヤー限定」と言った具合なのだろうと思う。だから説明して良いのかどうか。


「称号って分かる?どうにも悪魔を倒したおかげでソレを得たらしくってさ。それが・・・」


 話さなければ進まないと思って僕はその称号効果の説明をした。すると。


「ソレはプレイヤーだけの特権なんだべ。神が自分の兵に与えたいわゆる特別な力だべな。」


「確か倒した敵の力を吸い取ってその対象に対して有利な効果に変えるのだったかしら?この「神の力」があるからプレイヤーは油断がならないのよ。戦闘を重ねれば重ねる程に強さが天井知らずに上がるのよね。だから魔王様もプレイヤーとの敵対をされない方向に舵を切ったんだと思うわ。」


「あー、そういう感じ?でもそこら辺はもっと安心して良いと思うけどな。だって称号ってあんまり頻繁に得られるモノじゃないから。しかも「名前だけ」で効果が無い物もあるし、全く強さに直結しない効果も存在するし。それに恐らく「魔族特攻」みたいな称号を持ってるプレイヤーって先ず存在しないと思うよ?」


 僕のこの言葉に二人が「ん?」とこちらに視線を向けてくる。


「あー、えー?僕の調べた範囲内だけで決めつけるのはどうかと思うけど。今までで「魔族を倒せた」ってプレイヤーは一人も居ないね。そっちはどう?死亡者が出たって案件はあったりした?」


「・・・無いんだべ。怪我を負ったっていうのはあるんだべ。」


「ソレ以上の報告って私も知らないわ。確かに戦闘で死者が出たって言う事は無い。だって魔王様が「命大事に」って命令を出していたから皆絶対にそれに従って戦闘をしていたもの。・・・魔族に対して絶大な効果を発揮する称号はプレイヤーは持っていないって事なのね。ちょっと安心したかな。」


 二人は安堵した様子でふーっと息を一つ吐いた。

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