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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「不幸な出会い」

 そもそも僕があの魔王の封印完全解除記念パーティで漏らした願いは「仲間が欲しい」だった。

 もの凄く小声で口から洩れた事だから誰にも聞かれていないと思っていた。これは今までソロでの苦労が思わず思い出されての言葉だったのだが。

 しかし魔王との意気投合の後に「じゃあうちからマイウエルとマルスをケンジにつけようか」と言われたのだ。

 僕はコレに対して「は?」と言うしか無かった。しかしその後も魔王は。


『悪魔王編をこの三人で攻略ってどうよ?面白そうだろ?俺は俺でまだまだもっといろんな場所を観光して来るからさ。それに満足した頃に俺もケンジに合流して四人パーティといこうぜ!あ、ミャウちゃんもその時は一緒に合流しようか。五人だな。けど六人が最大で1パーティ?あ、そうなるとタンク要る?ゲブガルもついでに一緒に冒険しようぜ!・・・え?ゲブガルは遠慮する?ノンビリ余生を過ごしたい?って、まだまだお前さん現役でしょうが?そんな爺キャラじゃ無かったでしょ?あ、いや、最初からそんなキャラだったっけ?』


 などと言う始末である。僕の思考がまたこの時完全停止をした事は言うまでも無いだろう。


「と思い出してる側から砲撃が飛んで来るってどう言う事なんだろうね!?」


 空から炎が降って来た。しかも青白い。青い空に溶けるように、しかしハッキリとした存在感でそれらは僕らの頭上に降ってきていた。

 恐らくコレが直撃したらきっと僕の強さでは死亡確定だろう。そんな事が予想できるくらいの大きさである。デカイのだ。


「うーん?結構な魔力が込められてるけど。魔力制御が甘いね。」


 そう軽い感じでマイウエルが言うと手を頭上にかざす。そこから透明な壁が発生しているらしい。

 空から降って来た魔法と見られる攻撃がそれに当たって、そして「スッ」と消えた。


 僕はこの現象に「え?」と目を見開いてしまう。それこそ音も無く、何の衝撃も無く、恐らくは敵からの魔法攻撃が消滅してしまったのだから驚かない方がおかしいだろう。


「誰だべか?オラたちに攻撃してきた奴らは?返り討ちにした方が安全だべな。こっちから今度は攻めるべな。」


 マルスは山なりとは言え、魔法が飛んできた方向を既に見切っていてそちらへと既に走っていた。それに僕も続く。コレにマイウエルがまた殿と言う形になって進むのだが。

 先程まで森を進んでいた速度と今は訳が違う。マルスは僕がギリギリ追いつけるくらいの速度を計算してダッシュだ。

 コレに追いつくのに必死な僕。後ろはマイウエルがどうにも飛行の魔法を使っているのか「スーッ」と音も無く飛んで進む。


 そして進んだ距離は遠くも無く、そして近くも無いと言った感じの所で攻撃を仕掛けて来た者たちと遭遇した。ソレはプレイヤーだった。

 六人でのパーティで、どうやら第一悪魔と戦いに来たと言った所なんだろう。僕らが現れた事で驚いたようで彼らは思い思いに喋っている。その内容からして大体の事情が判明した。


 この森に漂う魔力が無くなり、しかも雑魚悪魔が出てこなくなった事で違和感でも感じたのか、どうなのか?

 どうにも僕らの事を認識できるようになり斥候が「敵が居る」と指示を出して先制攻撃を仕掛けたと言った感じの様だった。

 この分だとマルスも彼らに気付いていても良いはずだが、どうやらマルスは第一悪魔の方へと意識を集中していた様で気付かなかったらしい。


「おい!何でプレイヤーと魔族が一緒に居るんだ?」


「さっきの魔法って全然ダメージ出せて無い感じじゃん?」


「まさかこいつ等って第一悪魔とのイベント関連とか?」


「まっさかー?だって俺たちさっき森に入ったばっかでフラグなんてどっかで起てたかよ?」


「取り敢えずぶっ倒せば良くね?プレイヤーが今こいつらと一緒と言う事は敵と見なしても良いんじゃん?」


「あれ?共闘とかできないのかね?まあどうでも良いか。」


 自分勝手な事を各自言葉にして彼らは戦闘態勢に入った。武器を構えて僕らへと敵対の意志を向けてくる。


 これに僕が「説得」を試みようと話しかける為に口を開きかけたのだが。

 プレイヤーがマルスとマイウエルに襲いかかった方が一歩早かった。

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