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何で俺だけ  作者: コンソン
嵐が始まる
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攻略!悪魔王編!「手を取り合うって素晴らしい」

 今の僕は精神状態がヤバい。何故かって?ソレは今の状況が物語っている。


「もー?どうしたんだべーケンジ?浮かない顔だべな?」


 僕へとそう心配をしてくれるのはマルスだ。そして僕を心配してくれる者がもう一人。


「気分が悪いのかしら?そしたら何処かで休みましょ?」


 鬱蒼と生い茂る今居る森にその優しく可愛い声が響いている。

 その声の主は仮面を被っていてその顔が分からない様にされているが、その中身は。


「マイウエル様は本当に大丈夫だべ?こうして外を歩いていると他のプレイヤーに見つかるかもしれないべな?」


「うん、大丈夫。ドワーフとエルフと獣人が共同開発したこの仮面なら高レベルの看破のスキルを持つプレイヤーでもおいそれと正体は分からないだろうって言ってるから。」


 そう、僕の側にはこの二名が居るのだ。そして今僕らが向かっているのは「第一悪魔」の居る「大空洞」と呼ばれるダンジョン。

 そう、僕らはその悪魔を討伐しに来ているのである。


「おッ?下位悪魔が十体接近しているだべな。さっきと同じ戦い方で良いだべか?」


 マルスは索敵がこれでも得意だ。のんびり屋に見えてあの森で哨戒任務に就いていただけの事はある。

 そしてもうこの三人で二回程の戦闘をここまで来る間に既に熟していた。


「うーん、そうだね。私が後ろで、マルスは前衛。ケンジは遊撃?自由に動いて構わないと思う。これくらい弱い相手ならそこら辺はカチコチにならなくても大丈夫だと思うよ。」


 此処は大空洞までの道のりの途中にある「惑わせの森」という領域だ。悪魔の力で結界が張られていて侵入者を排除するために進行方向を狂わせる魔力が散布されている。

 これは掲示板情報だ。そしてこの森の突破方法も確立している。


「一気に行くんだもー!だべよっと!」


 マルスがその手に持つ大斧を横一閃に一気に降り抜いた。鬱蒼と生い茂る木々などお構いなしに纏めて木までぶった切る。それだけで小さい「バイ●ンマン」に形だけは似た雑魚悪魔は五体いっぺんに消し飛んだ。

 一緒に伐られた木々も次々に倒れて森中隅々に響き届きそうな轟音と衝撃をあたりにまき散らす。


 因みにその雑魚悪魔の顔は醜悪の極みと言ってもいい程の気持ち悪さである。


 さて、突破法というのはとにかく出て来る雑魚悪魔をぶっ倒し続ける事。まあ、パターン的には有り無しで言えば「あり」と言った感じだ。

「惑わせの森」などと言うのであれば、普通なら特別なアイテムやスキルなどを持たないと延々と彷徨い続けるなどと言った条件が付きものと言えそうだが。

 どうにもこの森に放ってある雑魚悪魔が魔力散布をしているという設定らしい。なので倒せば倒す程に森で迷う事が無くなると。


「マルス、避けて!・・・ハッ!」


 マイウエルがマルスに声掛けをする。するとマルスの右側から襲い掛かろうとした雑魚悪魔に青白い閃光がぶつかる。

 斧を振り抜いたマルスの隙を見て雑魚悪魔が接近していたのだが、それをマイウエルの魔法が迎撃したのだ。

 魔法が直撃した雑魚悪魔は瞬時に燃え尽きて灰になる。実に恐ろしい。マイウエルが敵じゃなくて良かったと思える瞬間だ。

 ついでにマルスの怪力も単純に言ってドン引きではあるのだが。


 ここで残り4体。そこへと僕はマイウエルの周囲の安全を確認してから踏み出す。


「・・・ふっ!」


 一気に駆け抜けて一体の胴を真っ二つにした。これで残り3体。

 ここで既に体勢を整えていたマルスがその大斧をまた横に振り抜いた。

 今度はコンパクトに小さく、マルスに群がろうとする残り3体をその大斧は器用に纏めて切り裂いた。

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