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何で俺だけ  作者: コンソン
「俺」
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何で俺だけ「悪夢は広範囲魔法と罠のコラボレーションで」

「はい、四天王が一人、マイウエルは魔力特化、広範囲魔法のスペシャリストです。魔王様の御力には当然、到底及ぶ事はありませんが、プレイヤー共を一捻りにするには充分な力を持つ魔族です。」


 俺はミャウちゃんが助っ人としてどの様にその四天王を助けていたのかは知らない。まあそんな事を気にしないでもこうして最大強化までできたポイントは稼げたのでそこは重要じゃないだろう。


「へー、そうなんだねぇ。じゃあ接近されたら戦えない的なのだったりする?」


「いえ、自らの使う魔法のダメージを受けない特性を持っております。なので奴らが接近戦を挑もうとすれば度肝を抜かれる結果となるでしょう。一度その作戦をしてきた者たちがいましたが、その時の顔は非常に滑稽でした。」


 真面目な顔でミャウちゃんはそう報告をしてくる。どうやらこの分だと共闘と言った感じでそのマイウエルと協力してプレイヤーを撃退していたのかもしれない。


 ====  ====  =====


「おい皆!このままじゃじり貧だ!一気に全員でアイツに接近戦を仕掛けるぞ!」


 マイウエルの前までたどり着いたプレイヤーたちは非常に疲弊していた。しかし四天王の前まで来たならばここで果てても構わないと言う勢いで戦闘を開始した。

 彼らは初めて戦う四天王に対してドキドキわくわく、そんな気分でゲームを楽しんでいた。


 さて、彼らがそこまで疲弊していたのは何故なのかと言うと、ミャウエルがマイウエルの所までの道中にワイヤートラップを仕掛けまくっていたからだ。

 ちなみにミャウエルが助っ人に入っていない方はと言うと、その四天王の拠点に今のプレイヤーたちでは突破が不可能と言っていいような特大の「罠」を仕掛けていたのであった。

 そうしてこちらのマイウエルの方にプレイヤーたちは誘導されていた。

 そしてこちらでもこちらで、ミャウエルが程良く仕掛けまくったブービートラップにやられていくプレイヤーは数知れず、と言った所だった。


 そしてこれらの罠をまだ看破できるレベルまで上がっていなかったマイウエルの前までたどり着いたこのパーティーもこの例に漏れず罠に掛かりまくって、MPも、HPも、その他の回復アイテムすらもすり減らされていたのだ。

 しかし生き残り、とうとうこの領域のボスの前へと辿り着いたと言うことなのである。

 こうして命からがら辿り着いたボスを前に勝てないと考えながらも奮い立つプレイヤーたち。

 タダでは転ばないのがゲーマーだ。ここの領域を支配する魔王の手下、四天王の一人だと言うかわいらしいツインテールの髪型の少女をぶっ倒そうとテンションは逆に上がった。


 これに怯えるかのように「ひぇ!?」と言って腰が引けている少女の額には小さな三つの出っ張り、角があった。これこそ魔族の証だ。魔族には頭部にどこかしら角がある。それは大小さまざま、その生えている数も様々だ。

 そんなマイウエルはミャウエルの妹である。本来の気性は大人しく、そして争い事は苦手である。それでも内に秘めた魔力量の膨大さにミャウエルが半ば無理矢理に妹を四天王にしてしまった。

 しかしマイウエルの実力は本物であり、そのおどおどとした態度に勝手に勘違いをして突撃をしてくるここまで辿り着けたプレイヤーを一撃の下に瞬殺していたのである。


 その一撃を初めて耐えたこのパーティーはこの四天王が「広範囲攻撃」を、しかも魔法の攻撃が得意なのだと直ぐに見抜いてこうして差し違える覚悟で全員が同時にマイウエルに対して突撃を敢行した。


 しかしコレは失敗なのである。

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