何で俺だけ「第二が終わって」
「入って来たのは128とか。まあまあかな?どう言う基準で計算値決定してんだろね運営。まあそこら辺は難しく考えちゃダメかな。よっし!じゃあこのポイントは全てまた四天王の方に突っ込もうッと。」
いわゆる極振りだ。でも、最初にゲブガルを強化した時点で俺はもう引き下がれなかった。俺の中では四天王全員最終強化まで持っていくつもりである。
一人最大まで上げたなら、残りの三人も上げるべき。それが俺の中で決定している。ミャウちゃんを最大強化まで持って行ったのは例外としておく。
「とは言え、後二人強化じゃん?というか、もう今日という日は終わりになっちゃうなあ。三連休よ、さらば。そして俺と友との友情も初日に死んだ。サヨナラだな。」
このゲームにおける俺の最初の目的は一番最初にジョブを決めるのにルーレットを選んだ時点で死んでいる。
仲間と大冒険、それはもう叶わぬ夢だ。ならばこのゲームを、ついでに専用ソファを買った事を後悔しないためにもこの「魔王」を俺はとことん遊ばねばならない。
「うーん?もうちょっとポイント溜まったら一気にぶち込む方が良いかな?どちらに注ぎ込むか・・・ミャウちゃんは意見ある?」
「はい、ならばやはりプレイヤーたちの次の動向を探ってからになされては如何でしょうか?奴らは今回の事で相当に強さが上がった様子。しかしゲブガルの領域に近づく者はまだ少ないですし、ジュウオウの射程圏内である奴らが作り上げた街は廃墟であるので近寄る事は無いかと思われます。すると残り二人の受け持つ領地のどちらかに攻め込む可能性があるのではないかと。」
「なるほどね。その二人のどっちにプレイヤーが行くかで決めようって事か。あーでも、片方だけに集中しないで満遍無く二つ同時にって事もあり得るよなあ。バランス良く二つに振り分けた方が良いかな?それも悩むね。」
本当は極振りでどちらかを一気に上げ切りたいのだが、そうもいかない状況になるかもしれないとなれば悩むものだ。
片方を一気に上げて博打を打つか、バランスを考えて両方に振り分けを考えるか。どちらかがやられてしまう、もしくはどっちも、なんていう結末は避けたい。
プレイヤーの多くがどうにもイベントでレベルの上りが大分よろしかったと思われるので、それが原因で四天王がやられてしまわないかが心配だ。
「心配だなあ。ねえミャウちゃん。どっちかにミャウちゃんが助っ人に行ってプレイヤーを寄せ付けない様にしておいてくれない?ミャウちゃんが助っ人に入ったその間にもう片方を一気に上げちゃう作戦で行きたいんだけど。まあプレイヤーの動き次第でそこら辺はどっちを助っ人に行ってもらうかを決めたいんだよね。偵察もう一回行って様子を探ってきて貰えないかな?」
「は!このミャウエル!魔王様のご期待に沿えるよう、奴らの動向を誘導してご覧に入れます。」
残りの二人の四天王はプレイヤーの多くが拠点にしていると言う始まりの街から同じくらいの距離を離れた場所に存在するのだ。
なのでこのミャウちゃんの「誘導してくるよ」と言ってくれるのは非常にやりやすくなる。
「じゃあさ、こっちの城にプレイヤーを向かわせるようにできる?その間にもう片方をキッチリ仕上げてしまおう。城の方はその助っ人でミャウちゃんも思う存分暴れても構わないからさ。」
こうしてミャウちゃんとの作戦会議をして俺はその日はログアウトをした。




