何で俺だけ「たった一人の戦い」
ミャウちゃんがコレに大賛成。
「魔王様の御力により多くの魔物が活性化をいたしております。しかしそのせいでどうやら群れは成してもその指向性はバラバラのようです。ここは魔王様からの命令を出して一つにまとめると言った事が必要であると思われます。」
「あ、そう言う感じっすか。って言うか、絶対それだけじゃないじゃん?演説って書いてあるんだよねぇ~。そこら辺も絡めていかないと駄目じゃね?あーそっかぁ。プレイヤーにこのまま魔物を突っ込ませても簡単に切り離されて各個撃破されてイイ鴨になるだけだよな。そうするとなるとだ。」
運営はこの「演説」でこちらの魔王のバランスを取っていると言う事だと分かる。
この魔王の演説と言った形の「命令」で魔物に指示が一度だけ出せるよ、と。そうなると魔物の数がプレイヤーよりも多く設定されていると見るべきだ。プレイヤーが倒せない魔物は混じっていないはず。
純粋に数と数とのぶつかり合いを考えているとしたら、一つの戦場に全ては入らない。
そうなると使われている別フィールドのサーバーは幾つあるのか?と言った事にも思考が行くが。
「YES・・・ぽちっとな!じゃあ演説と命令の二つを合わせたようなセリフを考えておくかぁ。うーん?演技もふんだんに入れておきたい所。この「魔王」って言うのの楽しみ方はちょっとだけ分かって来たぞ?」
「今の封印されている魔王様の強さであっても、そのお力とプレイヤーの力など比べるのも烏滸がましいと言わざるを得ない程の次元の開きが御座いました。神の兵などカスも同然!奴ら如きの虫けらが魔王様を弑するなど笑止!ならば奴らは魔王様を愉快にさせるための道化でしかありません。せいぜい踊り狂って魔王様へと笑いを提供するのが当然ですね。」
ミャウちゃんが凄い事言ってきた。でもこういうキャラなんだな、と思うと別段受け入れられる。
「そうだなあ。どうやればプレイヤーに痛手を負わせられるかな?けどまあ、プレイヤーを「負けさせる」って言った感じの過剰な所までは考えてないのは確かだなあ。楽しんで、楽しめればいいな。」
人っ子一人プレイヤーがいなくなったゲームの中の「魔王」なんて虚しいだけだ。相手が居るからこその、である。
「文字数とか演説時間とかあるのかね?でも、威厳は残しつつ、しかし適切な命令で冗長にならない様に?あれ?結構難しいぞ?」
こう考えると単純な命令しか魔物に出せない。ならどう言った命令が一番いいのだろう?それを今まで自分が遊んできたゲームに当てはめて考える。
「初見殺し?二回目に対処するなら何とかなる感じで、しかしそれでも結構な被害が出る的な?あら?そもそもその魔物の大群にはどんな特徴の魔物が居るのとかすら俺知らねえな?」
迂闊にも何も考えずにYESを押してしまった事に今頃後悔した。しかしもう遅い。やっちまったと思ったからと、いい案がそれで早々に浮かんでくるものじゃない。
「ここは魔王らしく、って言うのを優先して命令の事は考えない方が良さそうか?悩むなあ?」
こうして俺はログアウトをするのも忘れて少々の長い間、演説内容を考えるのだった。




