-閑話-伝説の子の船旅・・・え、港が その12 ※挿絵
--カグヤ--
謎の亡霊さんと出会ったけど、父さんとセニアさんによる歌のデュエットによって無事に昇天しました。
そして、世界最強のデュエット”迷宮”が誕生しました。
それと、ここだけの話。
そんな亡霊2人だけど、天界でペチュニアさんの下b・・・こほん、部下としてこき使w・・・げふん、振り回されてるみたいです。
それはそれで楽しいらしいので結果オーライらしいけどその分精神的な疲労がエグいとかなんとか。
と言うよりは、金剛力士像扱いされてるらしい。(どういう扱いされてるんだろう・・)
で、現在母さんが何かに感化されたらしく器用なことに爆走するハルトの尻尾の上に立った状態でヴァイオリンを弾いていた。
その音色は、相変わらずきれいで優雅、そして心を熱くさせてわくわくさせたりもする。
そんな弾き方一つで感じる気持ちを幅広く振り回す母さんは幻想の音姫と呼ばれている訳なんだけどそれも凄く納得するこの光景。
そして、普段は残念美人なのにこういうときの母さんは凄くかっこいい。
実はこっちの世界に越してから初めて母さんは演奏しているわけだけど、初めて見るクールモードの母さんに初見の王族メンバー2人は裏人格モードのセニアさんを見たときほどじゃないにしても似たようなことになっていてぽぉっと眺めている。
え?
僕もフルートを持ってるだろって?
一応弾いてるよ?
と言っても毎日じゃなくて数日に1回とかそのくらいだけど。
でも、腕がなまらない程度に毎日音合わせとかはしてるけど、きちんと演奏をするのが数日に1回って感じ。
音合わせと言っても、複数の曲のワンフレーズだけをランダムにピックアップしてそれをきちんと演奏出来るか自分でチェックしているという感じ。
けど、そっちの方が難易度高いだろっていうツッコミが聞こえる気がするけど気にしない。
そんなクールモードの母さんを見ながら毎度思うのは・・・
どうしていつもあんなに残念美人なんだろうと。
父さんにチラッと目で尋ねると諦めろと言われたので決して口にはしないし、あえて母さんにそんな気持ちは伝えないけど。
調子に乗る・・と言うよりうれしさがバーストして僕が襲われるから。(つまりは自衛)
と言うか、過去からの教訓です。
実際、過去に母さんがとんでもなく落ち込んでいることがあり僕なりに慰めてみたところ速攻で機嫌を治したんだよ。
・・そこで終わればよかったんだけどねぇ?
なんとなく察したと思うけど、そのまま押し倒されて食われそうになったよ。
その時は、加害者の体力とかパワーがダウンしてたからぎりぎり拮抗して時間稼ぎをして(数日ほど体のあちこちが筋肉痛になったけど)、ドタバタしてる状況に気づいた父さんが助けてくれてどうにかなりました。
しかも、その時だけかと思って父さんを隣に設置した状態で何度か試したけど百発百中で同じことになった(うれしくない)し、火事場の馬鹿力よろしくピクとも抵抗出来なかったけど隣に父さんを鎮座させてたことが功をなして未遂に終わったんだよ。
それで、抑え込まれた母さんは何て言ったと思う?
「私みたいな美女が率先して押し倒してるんだよ!?普通は喜んで食われるよね!?なんで抵抗するの!?」
・・・・そりゃあ、母さんは美人だしスタイル良いけどさ。
確かに世間一般の男性ならそうなるでしょうよ。
けど、そうなったとしてもまずいきなり襲われたら性別問わずビビって逃げようとするのが普通だと思う。
素直にわーいで喜ぶような余裕のある人は相当なレアケースだと思うよ?
まぁ、と言っても魔物が時折襲ってくることを除けばいたって平和な旅です。
途中途中で町に寄っては、倒した魔物のドロップアイテムを換金したり僕が作った薬やあめ玉(一応薬枠)を卸したり、お店をあちこち見て観光したり
相変わらず柄の悪いナンパが現れて父さんが瞬殺したり修行代わりにルーナスさんの戦闘相手にしてぼこぼこにさせつつ戦い方を実践形式で教えたりしてるくらい。
まぁ、終わった直後にどこからともなく現れた人たち(性別年齢は様々)がなぜか僕に敬礼をしてからその人を人影のないところに引きずり込んでたりした(なぜか良い笑顔)けど気にしないことにする。
なので、母さんは僕に身につけさせるティアラをオーダーメイドで作らせようと依頼をかけないでください。
そんなの付けません。
役立つ能力も付与させるからとか実用性を求めたわけじゃないからいりません。
で、キャリルさんも私物でティアラがいくつかあったからそれを持ってくれば良かったとか言わないで。
いらないから。
今度手紙で発送してもらおうかとかルーナスさんも本気にしないで下さい。
で、ふと思い出したことがあり父さんに尋ねてみた。
「そう言えば父さん。」
「どうした?」
「師匠さんはずっとアルナさんに抱っこされてたけど、どのくらいの間抱っこしてるの?」
あの映像の最中の最初から最後までずっとひざの上に抱えてほおずりし続けて下ろす気配が皆無だったからちょっと聞いてみた。(しかも心底幸せですという満面の笑み)
「あぁ・・・」
なぜか遠い目をしてる父さんは答えてくれた。
「あの人はなぁ・・・師匠が10歳くらいの頃からずっとあんな感じだったし、当時から溺愛通り過ぎて心酔というか依存しまくってるからなぁ・・家でイリスさんとか他のメンツが抱っこしたり構ったりしてるとき以外は基本ずっと抱っこしてるし、外を出歩くときは服を着るのと同レベルでずっと抱っこしてるから、あの国ではアルナさんに抱っこされてる状態が普通って認識で、身の回りのお世話も異常なレベルで嬉々としてアルナさんがするから・・師匠はそのせいで魔法とかは天才だけどそれ以外の私生活は介護が必要なか弱い病弱っ子だって認識されてるんだよなぁ。」
百合疑惑すらあるレベルが平常運転で、アレが日常茶飯事らしい。
「・・・」
「実際は、師匠は全部1人で出来るし、世話を頼むような性格はしてないんだが、アルナさんがスキンシップの延長戦って感じでご褒美だと言わんばかりに満面の笑みでお世話するし、師匠は師匠でスルーするし。」
師匠さんのスルーレベルもエグいけど、アルナさんの愛でレベルも異常でした。
ってことは、ヘタすれば十年以上一歩も歩いてない可能性があるってこと?
大丈夫?
いろんな意味で大丈夫?
それを父さんに尋ねると無言は肯定とでも言いたげにあからさまに視線を逸らされた。
で、師匠さんは魔法戦がメインだから大丈夫って苦し紛れって顔で言われても、説得力あんまりないよ?
ちなみに、説得して抱っこをやめさせる・・と言うか、親離れならぬ主離れ?は出来ないのか聞いてみた。
そしたら
「そんなことすれば、こっちが折れるまで・・と言うか、本人の気が済むまで師匠ののろけ話というか溺愛物語を語られ続けるぞ。」
「・・・」
うわ・・・・
どん引きしてたら、その話が終わるときには師匠の信者に成り代わったときだなと遠い目をしてる父さんを見ながらアルナさんは宣教師であり、既に実行済みだと感づき、それ以上は何も言えませんでした。
で、師匠さんはというとそんな光景を目の前(と言うより抱っこされたまま)でされてるそうなんだけどやっぱりスルーしてるらしい。
うわぁ・・良くもまぁ、それすらもスルーしてるなぁ・・。
「と言うよりなんであそこまでアルナさんって師匠さんに溺れてるの?」
アレは、モノの見事に溺れきってた。
「あぁ・・・あまり個人情報を言うのは何だが、お持ち帰りされて色々あって恩人で癒やしの権化に一目惚れした結果というか挙げ句の果てだな。」
「・・・」
ホントにアルナさんの身に一体何が・・・。
「師匠はなぁ・・色々と規格外というか何というか、あちこちで敵という敵を始末しまくってるから結果として救世主的な扱いになることが多いし、ワザも技術も発想力もエグいし、優秀な部下も崇拝者も大量にいるからどんな悩みも関係者だけで解決しちゃう有様だからなぁ。」
聞くと、協会側とか身分的にも凄いけど、役職的には領主様って言うのと一緒にあのクラリティ王国の魔術師団の団長さんなんだとか。
魔術師団は言っちゃうと騎士団の魔法専門部隊で、戦闘も魔道具の開発や修理も魔法関係であれば幅広く扱える万能な人たちらしい。
しかも、国全体を守る結界を維持し、日々強化させたり魔法の解析や応用、新規開発などものすごく優秀であり、実力も含めてあの国の重鎮なんだとか。
「後は、例の軍勢を召喚するアレで、文字通りあらゆる仕事を1人で何百人分をまとめてこなせるから単純な事務仕事でも優秀だからいろんな意味で万能なんだよ。おまけに、リアル聖徳太子ワザが使えるし」
「すごい・・」
すごい・・ホントに凄いんだけど・・。
「あの見た目でそこまで万能だと、こう言ったら失礼だけど幼女の紐になった気分にならない?」
なんか、幼女に養われている大人という色々と社会的に死にそうな光景が目に浮かぶんだけど?
まぁ、仕事してる幼女って光景は、ぱっと見は微笑ましそうだけど。
「言うな・・全員が思ってることだから。・・まぁ、頑張りすぎてるとか頼りすぎないようにしたいというのとあわせてそれと同じことを考えてたから師匠に仕事を極力回さないようにまわりのメンツが頑張ってるんだよ。」
「うわぁ・・否定出来ない。」
確かに、そんなに凄かったら頼りになるから負担が大きくなりすぎるから出来るだけそう言う負荷を減らしたいって気持ちもわかるし、幼女の紐にはなりたくないよね・・。
これは、本人には決して言えない事実だね・・うん。
まぁ、あの師匠さんの性格を見た限りだとそれすらもスルーしそうだけど。
「それと、何気にスルーと言うか気づかないふりしてたんだけど、立ち寄った教会の祈りの場に置いてあった石像って、普通は女神像だって思ってたんだけど・・」
「あぁ、基本はその認識で合ってるぞ?それがどうした?」
「えぇっと・・どう見ても女神様じゃなくて天使様で、しかもごく最近見た人にすご~く似てる人の石像がやたら多かった気がするんだけど?サイズも服装も同じで。」
「・・・・」
父さんが俺知りませんって感じで顔を背ける。
いやぁ・・だってさぁ。
思い切り背中に天使の羽が生えた小柄な超髪がストレートロングな幼女で、服装が和服とソーサレス?風?っていえばいいの?肩紐ワンピースっぽいのに腕に別で取り付けるタイプの和服の袖のようなものを着てたんだもの。
誰がどう見ても、師匠さんだよね?
確かに世界中で大人気で崇拝されまくってるっていうのも知ってるし、教会側でも旗印的な感じで重鎮らしいけど、祈りの場の女神像をわざわざそっちに作り替えるほどのものなの?
それを言ってみると父さんが遠い目をして教えてくれた。
「あぁ・・師匠は色んな意味で伝説を作ってるからなぁ・・」
「いろんな?」
「武力方面とは全く関係のない方だ。」
「例えば?」
「色々とあくどいことを裏で色々してた店にアルバイト扱いで師匠を鎮座させたら全員が悪いことから足を洗い、真面目な善人になったり。師匠そっくりの石像を置いたら置いた場所の近くで悪いことをするとなぜか運が悪くなった挙句に生きづらい人生に早変わりしたり、陰の親衛隊が率先して師匠にいろんな意味で悪影響を与えそうな生き物をかけらも残さずに闇討ちしたりとまぁ・・な。」
「・・・」
えぇ・・・いろんな意味ですげぇ・・というか、リアクションにすっごい困る。
と言うか、鎮座って・・言いたいことはわかるけど・・というよりそこにいるだけでまわりが(いろんな意味で)勝手に浄化されるってどんだけ?
「その前に影の親衛隊って?」
「師匠の崇拝者の軍勢で、俺で言うところのシスターズ枠」
「あぁ・・」
師匠さんって・・何というかいろんな意味で天然さんらしい。
そして、無自覚に周りを振り回してるようです。
「本人はファンを作ってるつもりも増やしてるそぶりも一欠片もないんだが勝手に増殖していくらしい。」
うん、シスターズだね。
「おまけに、ファンが勝手にファンを自主的に増やしていくから更に増えてるんだよなぁ。」
間違いなくシスターズだ。
「今、どこにどんだけいるんだか・・どこにでもいるらしいし。日々増えてるらしいし、師匠はスルーするし。」
あぁ・・シスターズだ。
で、父さんは凄く遠い目をしている。
似たような人たちを引き連れてる(本人は自覚したくない)からだろうね。
で、そんなこんなで無事に大陸の一番端っこにある港町に到着しました。
まぁ、1つの国でもあるから貿易国になるのかな?
内陸国と違って、海に面しているし貿易も兼ねてたり漁業や観光客向けの観光船に公共交通機関でもあるから船を使ったことに関して非常に優れた場所でもある。
なので、様々な国からいろんなものが集まっていることもあって買い物をするにはすごく見どころが多くてお金が足りなくなるとはキャリルさんたちの国いたメイドさんたち談。
そのため、他の大陸に渡るためではなくただの買い物などの観光目当てだったり新しい旅立ちのための一生モノを探しに来る人達と大変良い意味でにぎわってるはずなんだけど・・・。
「なんか様子が変だな。」
「うん。なんかやな雰囲気でもわもわしてる。」
父さんと母さんがしかめ面をして港の入り口近くの草むらに潜んだ状態でつぶやく。
うん、無事にたどり着いたんだけどなんか港の様子がおかしいって父さんと母さんが言ったからさっさと近くの草むらに隠れて様子を見ることになったんだよ。
「言われてみれば、何か裏で良からぬことを企む者たちと雰囲気が似ているな。」
「ルーナスさんそういうのわかるんですか?」
「兄上ほどではないがな。注意してみれば大体わかる程度だ。」
キャリルさんが当然と頷きながらルーナスさんに続いて答えてくれる。
「私たち王族は、いろんな意味で狙われる存在ですので、幼少期より相手の内心を見抜くための教育を受けているのですわ。まぁ、お兄様ほどではありませんし私もまだまだ勉強中なので注意して観察すれば仕草などでようやくわかる程度ですけれど。」
王族とは色々と大変らしい。
それでも十分な気がするんだけど。
「それにしても、異世界では一般市民だと伺いましたがシリルお兄様もセリカお姉様もどうして私たちよりも優秀なのでしょう?」
それもそうだ。
修羅場をくぐり抜けた云々とはまた違う気がする。
「あぁ・・たぶんそれは師匠が原因だな。」
「師匠さん?」
また師匠さんの仕業ですか?
「えぇっと・・何というか、あの映像越しで見たからなんとなく気付いてると思うけど、肉声でのおしゃべりはほぼ皆無で仕草もリアクションも一切ないし、周りで突発的に起こるギャグもボケも全スルー。おまけに表情が何があってもピクともしないからねぇ・・師匠は。」
初対面の人に抱きしめられて撫で回されてもスルーして、そんな暴走してる人を力尽くで押さえつけるコメディもどきを目の前で披露されてもスルーするらしい。
と言うか、初対面の父さんと母さんのやりとりで実際にあったことらしいけど。
若干遠い目をしている母さんが答えてくれる。
あぁ・・言われてみれば無口無表情のままだったね。
アルナさんにデレデレ顔で抱きしめられ撫で回され、ほおずりされてもほっぺにチューされてもせっせとあ~んされても一欠片もリアクションせずに全スルーだったね。(あーんは普通に受け入れ食べてたけど)
「それに付き合っているうちに・・というより、まともに会話をしようと思ったら自然と鍛えられたんだよ。」
「その影響を最も受けてるのはアルナさんだね。今ではあの国で魔法も使わずに最も相手の内心を見抜く力があるって言われてるし。」
自然と鍛え上げられた結果、エスパーのようになってるらしい。
「その精度の高さに皆が読心術とかの達人って言ってるし、師匠のことなら100%普通に見抜くんだよなぁ・・あの人。」
「で、そんな無口無表情ノーリアクションオールスルーな師匠に対してそれだからそれ以外の人たちの内心を見抜くなんて朝飯前って感じになるのはまぁ、言わずもがなって感じよねー。」
すげぇ・・。
そりゃあ、普段から難易度インフェルノな人相手が普通でそれにほぼ100%対処出来るなら他の人たちなんてお茶の子さいさいだよね。
最近では紙に書いてあることをサラッと読むだけで書いた人が署名の本人かどうか、相手が何を企んでるか、本心ではどう思ってるかすらも見抜き、ご丁寧にその本心というか真実の方でわざわざ内容を修正してから差出人に渡してるらしい。
・・しかも、訂正した部分は真ん中に横線を一本引いてるだけだからどこを訂正したかは一目瞭然。
そのやりとりのおかげで文面を訂正された人たちはと言うと全員が引きつった顔になったままで、アルナさんを目の前にするとそれにプラスして腰が引けてる状態だったとか。
そのため、無言でただひたすらじーっと見つめてくる師匠さんと速攻で内面を見抜くアルナさんが裏のありそうな笑みを浮かべながら見つてくるので全員の表情が100%の確率で崩れるらしいので恐怖のペア扱いされてるのだとか。
そんなことを普通にするので、師匠さんとは別枠で恐怖の対象と認識されてるとはキャリルさんのお父さんであるスラリン王国の国王さん談。
で、なんで港町が女盗賊団のアジトみたいになってるの?
と言うより場所的に海賊?
なぜか女性ばかりと言うのもだけど、みんな纏う雰囲気も柄も悪い感じがぷんぷんする。
何で僕にもわかるのかと言われると僕が使えるワザとか職業が影響してるっぽい。
何というか、天界という聖なる場所に関連してたり浄化したりと悪いモノを対処する関係が色々と多いからそれらの発動対象という感じで認識出来たみたい。
最近は、通りすがりの町や村で薬というか栄養剤扱いのあめ玉を卸すついでに浄化の魔法と神楽を使用することが凄く多い。
浄化は悪いモノを清めるほかに軽い病気とかヨゴレをきれいにすることも出来る便利な魔法。
だから、僕のあめ玉と浄化の魔法、それと地球にいた頃の知識(父さんのサポート付き)も掛け合わせた医者もどきとして色々と対処してるんだよ。
で、浄化の上位版とも言える神楽を舞うことで周囲の人たちをひとまとめに清めたりしてちょっとした人助けもしてる。
と言うのが、僕の噂(癒やしの銀姫の二つ名のことだよ)を聞いてギルドに指名依頼が来るからその対処とも言うけど。
まぁ、依頼内容も完全に治せなくても良いから対処して欲しいって感じ。
どうやら、多少でも軽減出来れば良いって感じで僕に依頼が来てるっぽい。
けど、僕には父さんのサポート付きだけど大抵の病気の対処法や地球では当たり前だった衛生面での注意などを僕の調合薬と浄化の魔法と神楽、そして栄養剤のあめ玉(調合薬の枠組みだけど)との併用によってある程度の病気であれば感知させることが出来ました。
後、あのフルートも使って演奏すると神楽との併用で癒やし関係プラスのお清め効果はえげつないことになりました。
と言っても完全完治は全体の7割で残りは感知はせずともほぼほぼ永続的に症状を抑えることは成功したから依頼主さんたちからは絶賛されたけど。
そのせいなのかな?
気付いたらこんなのを覚えてた。
【癒しの化身】
自身が扱い、振る舞うありとあらゆる癒しや清める効果を純粋な思いの強さに比例して向上させる。
調合や精神面、仕草・表情を含めた癒しと清める関連のワザも対象となる。
ごくまれに背後に天使っぽい半透明な何かが見えるときがあるが意味はない。
そのせいなのか背景に天使が見えるとか言う人が増えたのは気にしない。
だから、僕を見るたびに拝まないで下さい。
何も得はないので気のせいです。
拝むなら師匠さんにして下さい。
あっちは本物の天使さんですから。(すでに日常的に拝まれてるらしいけど)
それと母さんも僕の背中を直接見て羽が生えてないか確認しないで下さい。
生えてないし生えません。
人をやめるつもりはありません。
それと、調合にもかなり慣れてきたおかげで、あめ玉を改良してグミバージョンも最近は増やしてます。
あめ玉はゲーム的な言い方をするとリジェネ系?継続回復って感じで、
グミは即効性のあるタイプ。
とはいえ、ゲームのポーションみたいに口にすればみるみるうちに怪我が治った!みたいなのはないし、言ってしまえば凄い栄養剤って感じだから応急処置的扱いか予防とかサプリ的ポジションが近い。
まぁ、治療用と予防用と2種類作ってるけど。
とはいえ、タダのお薬と効能はほとんど変わらないけど、味が良いということもあって子供向けで購入する人や予防用をタダのお菓子を食べるよりはーって感じで購入する人も増えてるんだって。
後、時々指名依頼で味なしの栄養剤の作成を依頼されることがあります。
まぁ、グミというより煮凝りに近いけど。
と言うのが、精進料理の親戚みたいな感じで病人食を作るときに僕のそれを加えることでかなり体調を戻すのに優れてるらしくそのために作るのを依頼されることが増えてるよ。
それもあって最近は、あめ玉以外にもグミバージョンや煮凝りバージョンの3種類を治療用と予防用のそれぞれの種類(味は煮凝りもどきを除いてランダム)で販売してるところです。
で、草むらの影からじーっと観察中なわけだけど、その港町の中にいた男性の1人と目があった。
と言うよりも、男性は港町の中に存在はしてるんだけど全員がみすぼらしい恰好の状態でボロボロのどろどろ状態で首に首輪と鎖をつながれてる状態だった。
そんな中の1人と偶然目があった。
すると、すごく見開いた表情を一瞬したんだけど瞬時に口元がぽそぽそと動いた。
すると父さんが何を言ってるか気づいたらしく宙に十八番の白と透明の光をクルクルとSのマークを描いてニッとほほ笑んだ。
そして、父さんの言いたいことが通じたのかそっと涙を流しながら小さく小さく頷いてその人は鎖を引っ張られてどこかに連れられて行った。
あの格好と扱いからしてもしかして・・・
「父さん・・もしかして・・」
「あぁ。あの人たちは違法奴隷だ。」
やっぱり・・・。
たぶん元々この港町にいた人たちだ。
「で、あの人俺らに気づいて早く逃げろって言ったんだよ。」
え・・。
自分たちがやばい状況になってるのに僕たちの身を案じたの?
その人・・なんて強い人なんだ・・・。
物理的ではなく心が。
「あの人はすごいな。自分のことよりもまだ幼いカグヤの将来を案じてくれたんだよ。」
「だからシリルが自分が何者か伝えて安心させたんだよ。」
「あの光とSの文字?」
「そうそう。」
「シリルお兄様は今では伝説の存在なのでクテン様と並び立つレベルで物語としてもあちこちで謡われてますのであの光を見ただけでだれかわかったのでしょう。」
「そうなのですか?」
「白と透明の光を纏いし双剣使いが現れたとき、悪しき者たちは滅びの道をたどり、心正しき者たちには平穏と未来へ進むための力を授けるだろうという言葉は非常に有名な話だ。」
「光のように掛け、一太刀振るえばすべてが消え去り、一目睨まれればすべてが凍てつき、激情すればすべてを消し去る。・・そう謡われているのですわ。」
うわぁ、ガチの英雄扱いだぁ。
「さて、あの屑女どもを始末するか。・・それにセリカが我慢の限界っぽいし。」
と、父さんから凄く嫌な台詞が聞こえた。
・・・・隣を今、凄く見たくない。
すっごい寒気が漂ってくる。
とりあえず、母さんの反対側を見てみるとルーナスさんとキャリルさんが顔を青ざめた状態で引きつった表情になってフリーズしてる。
・・・
父さんを見てみるとすべてを投げ出して諦めたような凄く遠い目をしている。
・・・・・・
諦めてさっきから凄い寒気を放っている人物を見てみるとストンとすべての表情を捨て去ったような無そのものの表情をした母さんがいた。




