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陰の支配者2-天使+死神=?-  作者: ミコト
初めての都会?生活
15/36

セニアの十八番・・・

1話前に画像を2枚放り込みました。

題して、セニアとフリージアの衣装取り替えっこ

--セニア--

なんだかんだありつつ、さくっと・・と言うよりあっさりと学園への入試は合格しました。

当然3人全員。



そして現在、私は趣味でクラリティ王国の上空で歌って踊っていた。


元々は、魔力を込めずとも気持ちを込めるだけで想いが歌を経由して現実になるという部分の検証をしてました。

後は、それがどのくらいの気持ちの強さでどれほどの効力になるのかの確認でした。


ただ、私の歌声って幼い頃からずっと鍛え続けてきた影響なのかそこそこ低い声でも結構遠くまで届きます。

しかも、うるさいわけでもなくはっきりとちょうど良いボリュームで耳にすることが出来ます。



それを、クラリティ王国の一角にのびのびのんびりと過ごしている大きな羊さん(スリープシープという眠りの魔力を纏う魔物です)がいる場所に建つお家の屋上でで歌ってました。

その歌声を羊さんたちやちょうど近くを飛んでいたらしい鳥さんたちが聞いてたり、ティーちゃんとリンちゃんがほのぼのと眺めているだけでした。


私が新しく取得した職業:アイドルの影響によってのどに負荷が一切かからないから好きなだけ好きなように歌えます。

で、しばらく歌っていたら私たちがいる区域を囲っている門の外側からすんごい密度で結構な人数の人たちが歌を聞いているというちょっといろんな意味ですごい光景が目に入りました。

警備でちょうど近くをうろついてたらしい騎士のお兄さんが引きつった表情になって門に押しかけるその人たちを抑えてたけど。


で、私的にはまだまだ歌っていたかったのにそんな状況だと無理そうだなぁと諦めようかと思ってたらティーちゃんとリンちゃんが2人揃って上空を微笑ましそうな表情で指差してました。

それで、察した私は【空歩】を使って上空まで移動し、その人たちが門に押しかける必要がない辺りで歌います。


そうしたら、予想以上に門に人が集まってたらしくクラリティ王国の上空の一角にとどまるわけにも行かずあちらこちらを空を踊りながら駆け、歌っているのが今現在です。






こんにちは

セニアです。

無事に入学試験を合格した私たちですが、経験稼ぎをするために依頼でも受けようかとギルドに訪れると私ご指名の依頼がもっさりどっさりあって軽くどん引きしたセニアちゃんです。

その指名依頼の内容はと言うと、私の歌を聞きたいという内容ばかりでした。

理由は、気持ちが落ち込みがちだからとのこと。


私の歌って、気持ち次第では回復魔法並に精神面に効くんですよ。

むしろ、精神面という部分だけで言うとその魔法以上に効きます。

しかも、超広範囲で。




とまぁ、そんな感じで歌を聞きたいという依頼が2桁(10とか30では済まない数だったらしい)はあったのでとりあえずそれらをさくっと済ませましょうと言うことになりました。

で、私は今歌ってるんですけどね。

まぁ、どのみち趣味で歌いたかったのでついでですついで。


それにどのみちティーちゃんとリンちゃんもそれぞれ指名依頼が来てたし。

あのスタンピートの件がきっかけらしく、リンちゃんのパワーを見込んで力仕事系がそこそこ来てたし、

ティーちゃんは結界魔法による護衛依頼とか投擲の技術を見込んでなんか色々来てたらしいし。

で、2人はさくっと終わらせて今に至ります。




「・・お疲れ様でした。ホントに助かりました。」

私ご指名依頼の山がなくなって安堵のため息をつきつつなぜかげっそりしてる受付のお姉さんに苦笑して答える。

「いえ。今後はちょこちょこ趣味で歌ったりするのでこういうのはそうそう来ないと思いますので。」

依頼主さんたちにも伝えてますと告げるとなぜか泣きそうな感動したような顔をして私を南無南無してます。


・・私を拝んでも得はありませんよ?

強いて言うなら、ガチの(いろんな意味で)天使の母様をなむなむした方が良いと思いますよ?

まぁ、しょっちゅう拝まれてるけど。

ついでに言うと、拝んだ人の6割はロリコンになって3割は下僕になるって有名だけど。

残りは、かろうじてどちらにも傾かなかった猛者です。



「・・・・・ホントに助かります。あぁ、私の天使様」

なんか、変なモノが見えてません?

いろんな意味で頭大丈夫ですか?


「ねぇ、セニア・・彼女大丈夫?」

なんとも言えない表情でリンちゃんがつぶやく。

「なんか、タイミングが悪かったのか良かったのか私たちご指名依頼のすべてを1人で管理してたらしいよ?」

ティーちゃんが私の頭をなぜか撫で続けながらそう言う。

「あぁ・・」

とりあえず、遠い目をして混乱中っぽいお姉さんをねぎらうつもりでふんわりとお姉さんを抱きしめながら耳元で囁くように。

「ありがとうお姉ちゃん。」

と、言ってあげました。

チュッとほっぺにキスして至近距離でウインク付き。



「・・・・・・ごちそうさまでしたぁ//」

笑顔でそう言いながら顔を赤くしてお姉さんはそのままバターンと後ろに倒れて気絶しました。



「・・・やり過ぎた?」

「えぇっと・・過剰回復だったかな?」

「精神的な疲れが後押しして寝落ちと過剰回復が混ざって逝ったんじゃない?」

なんかいったのニュアンスがおかしくなかった?

「・・どうしよう?」

「あぁ・・なんでこいつは倒れたんだ?」

ギルマスのおじいちゃんでした。

「疲れてたみたいなのでサービスしました。」

「あぁ・・こいつならしょうがないか・・とりあえず、仕事は済ませてるみたいだしそいつは放置して良いぞ。こっちで奥に転がしとくから。」

「わかりました。」

「それで、そのお姉さんならしょうがないって理由は何かご存じで?」

リンちゃんはそこが気になったらしい。

「こいつなぁ・・幼い女の子好きにプラスしてお前さんの大ファンなんだよ。」

「?私の母様じゃなくて私ですか?」

「おう。そっちも好んでたっぽいがお前さんの方がドストライクだったらしい。」

「ちなみに、セニアがその状態のお姉さんを膝枕してあげたら?」

「間違いなく鼻血噴水を発動させて再度気絶するだろうな。」

「うぉぅ・・」

マジかと言う顔になってるリンちゃん

とりあえず、このお姉さん相手に翠直伝ワザ関係のサービスは他の人よりも効きやすいどころかクリティカルらしい。


「まぁ、気にすんな。それと、入学おめでとさん。」

「ありがとうございます。」

「知ってたんですね。」

「まぁな。ネルとはそこそこの付き合いがあるからな。」

「ネルさんをご存じで?」

「あいつが教師になる前にそこらをフラフラしてた時にちょっとな。」

世話をしたのか、教師になるきっかけを与えたのか知らないけど、仲良しなのはわかったしあまり他人が介入するのも失礼だから追求はしない。

「なるほど。」

「そういや、お前さんは歌うのは趣味か?」

「趣味です。」

「貴族連中からお前さんの歌と踊りを録画した魔道具を買いたいという声がそこそこ上がってるがどうする?」

「私は売っても良いですよ?」

「そこらはどうでも良さそうだな?」

「転売させないという条件付きですけど。」

「そりゃ当然だ。そんなことをお前さんにしたら姫さんの軍勢に消滅させられる。」

あぁ・・母様なら殺りそう。

「あぁ・・やりそう。」

「うん、十分あり得る。」

「むしろ、姫さんのファンクラブに始末されるだろう。」

「うんうん。」

「んで、どうする?」

「じゃあ母様を経由して販売するようにお願いしておきます。」

「それなら安心だな。そういう風にその連中には言っとく。」

「お願いします」

「そういやお前さんは歌と踊りは誰に習ったんだ?」

うちにちょこちょこやってくる吟遊詩人の人たちがちょこまかとアドバイスをくれるくらいで基本的に我流ですよ?まぁ・・直接師事してもらったわけじゃないですけど、師匠はいます」

「ほう?誰か聞いても?」

うちの図書館で流れている歌です。」

「あの都の・・なるほど、音の支配者か。」

「はい。踊りも母様が魔道具でたくさん記録してくれたのがあるのでそれをいつも見てました。」


私が母様の笑顔を見たくて歌を思いついたきっかけも物心つく前からずっと見て聞いてきた音の支配者であるシリルさんの歌と踊りを見続けてたからだ。

彼の歌と踊りを見て聞いて私の中の世界が広がったような気持ちになったし、いつも心がきらきらして楽しかった。

そんな気持ちを共感したいと思ったし、私がこう思ったなら母様もそうなるはずと思った。

後は、彼のようにいろんな人の心をきらきらにさせたいと言う願いもあった。


だから、私が今アイドルという職業を手にしたきっかけと今の私がいるのはシリルさんのおかげなのだ。



「それなら納得した。彼とは直接の関わりはなかったが活躍に歌は良く耳にしたからな。それに、この国で歌が好まれるようになったきっかけは、間違いなく彼のおかげだ。」

「この国のあちこちにあるドームはシリルさんがきっかけと聞きましたが。」

「あぁ、その通りだ。元々多くの書籍や物語が集まる国だ。吟遊詩人は良く集まっていたがそれに拍車がかかり、吟遊詩人のあり方が大きく変わったきっかけでもあった。」

「ありかた?」

「あぁ。吟遊詩人は、元々歌いながら語り、様々な物語を語ることがほとんどで、偶に気持ちをなだめる程度に子守歌のようなモノを歌う程度だったからな。それを、今のお前さんのように歌って踊り、多くの人を楽しませる娯楽の一種となった。様々な意味で彼の影響は大きかったんだよ。」

「じゃあ、シリルさんがいなかったら吟遊詩人をディスる人が多かったりするの?」

「そうだな。娯楽の一種として人の数だけ種類がある故に吟遊詩人は非戦闘員とは言え、良い意味で注目されているが昔は、ただ物語を語るだけで歴史を知りたいとき以外は戦えない役立たずと陰口をたたかれることも少なくはなかったな。それを真っ向から粉々にしたからな。ただでさえあの姫さんの弟子として腕っ節もあったからそんなことを言おうものなら命はないしな。」

「確かに。」


「ふむ。長話をしてしまったな。とりあえずはお疲れさん。わしもお主の歌の魔道具が出たら是非買わせてくれ。お前さんの力なら劇とか吟遊詩人として語れば歴史の勉強でもしっかり頭に残りそうだな。」

「むしろ、当時の大変さとかいろんな重さも当事者並みにわかるかも。」

「その辺りも面白そうなので母様に相談しときますね。」

「おう。」

あ、ちなみに報酬は3人で合わせて金貨が十数枚と結構な数になりました。





それから、しばらくしてから私収録の魔道具は販売されるようになりました。

娯楽用の歌と踊りを映像付きで録画したものと、

歌だけを音声のみ録音したモノと

劇のように物語を語ったモノを収録したものと

歴史を語り、絵とか資料を映像として添えて録画した勉強用です。


この勉強用は、過去を学びたい学者さんや貴族の皆さんや情報命な商人さんに大ブレイクで、こんな感じのをお願い!とかこの分をお願いします!とか氏名依頼で録音し、それが更に追加して売られたりといった感じです。

おかげで、定期収入が入るようになりましたよ。





それと、ここ最近の私が頑張っていることはと言うと、様々な楽器で演奏したモノを私のサポーター経由でBGMとして流せるようにすることです。

私の得意技は母様譲りの万能性だと言われてますが遠からず近からず当たってたり当たってなかったりします。

と言うのが、私の十八番はどんなジャンルのモノでも初見でも数回触り、経験すればあっという間にそれをものにすることが出来ます。

元々初見の武器でも数回触って振るえばあっという間に実践レベルで扱うことが出来るようになってましたので、戦闘系だけだと勘違いされガチですが、そうではないです。

料理でもやり方がわかれば大抵のレシピでも再現出来るし、どんな武術でも舞踏でも裁縫でもあっという間に習得出来ます。


そして、歌姫として名を上げている私ですがそれを拍車に駆けて全員からその能力のすごさを知られたのは楽器でした。

楽器とは、土地や地域、時代の数だけ多くの種類があります。

それもあり、きちんと扱えるようになるには結構長い年月がかかるのに加え、1種類を扱えるようになるだけで精一杯で複数のモノを扱えるようになる人は基本的に皆無だったりする。

それは、武器を数種類扱える以上に難易度が桁違いに高いんです。



ある日、ものすごい数の楽器を抱えた商人さんがこの国にやってきたんです。

楽器なんて扱える人はほとんどいないし、吟遊詩人の人が扱ってはいても大抵似たような2~3種類だけ。

だから、ほとんど貴族にアンティーク扱いされる程度でした。



その商人さんは、楽器をきちんと扱える人を探して世界中をいろんな楽器を集めながら旅をして、この国に偶然たどり着いたんだとか。


で、正直私も楽器自体、母様が良く弾いているピアノを見て一緒に弾いてたくらいで他の楽器はオカリナをお守り代わりに持っている程度でした。

私がオカリナを持っていることを偶然知ったその商人さんが似たような種類の楽器ならもしかしたら扱えるかもしれないという希望を持って私に楽器を色々見せてくれたんです。


そのときに手にしたのは、フルートという楽器でした。

正直言うと初見です。


けど、軽く手にとってフーッと音を軽く鳴らしたところでなんとなく扱い方を理解した私は見事に使いこなしました。

楽器を売ってる都合上、そこそこの数をそこそこ演奏出来る商人のおじさんが腰を抜かして目を見開いてフリーズするくらいに私は演奏して見せました。

エッヘン。


「相変わらずセニアの十八番はすごいよね。」

「だな。扱えなかったモノって記憶の限りだと1つもないよね?」

「うん。万能のセニアだし。」

「確かに。」

とかなんとか、ティーちゃんたちが言ってるのを耳にして復活したおじさんは是非ってすがりつくように他の楽器も弾いてみてくれと言いました。


で、やらかしました。

ギターだろうが、ドラムだろうがピアノ(母様のみたいな本格的なのじゃなくて薄っぺらいやつ)とかハープにバイオリン、トランペット等々。

他にも、なんか色々あったけど何十種類もその場で完璧に使いこなして見せました。

気付いたら拍手どころか、歓声まで周囲からエグい数が聞こえてましたよ。


なんか、上手いと言うよりもその数の楽器を完璧に使いこなして見せたことによる技術力に驚いたという感じでした。



それからすごかったねぇ。

まさかの、おじさんからその楽器類をすべてただでプレゼントされましたね。

さすがにタダは気持ちが落ち着かないからとなだめて金貨を十数枚渡してどうにか全部受け取りましたけど。

・・私が受け取らないという未来はあり得ない!という感じでくれたし。


むしろ、周囲で聞いてた人たちが嬉々としてお金を置いてって、それを購入金代わりにするからいいとか言ってた有様だったし、周りの人もそのつもりで私にお金を出させてたまるかというまさかの自体でしたね。




それからかな?

こんなのを覚えましたよ。





【技巧の極み】

どのようなジャンルも問わず、ありとあらゆる技術の練度が上がりやすくなり、ありとあらゆる無駄をそぐ。


【BGM】

一度でも演奏したことのある楽器であれば、自身が発動した人形魔法を経由して鳴らすことが出来る。

ただし、鳴らすことの出来る曲の種類は演奏したことのあるモノ限定


称号

変幻自在(極)

すべてのものをたやすく扱うことが可能であり、どのような技や技術・技能も身につけやすくなる

不得意というものはこの称号を持つ者に存在しない。


初見殺し

何であろうともどんなものでも初見だとしても容易く扱えるようになる。

ただし、魔法に関しては自身が扱える属性に限定される。




自力でBGMを鳴らせるようになりました。

それに書いてあった人形魔法は所謂ゴーレムとか言われる類いの自身の魔法で人為的な生物もどき?を作り出す魔法のことで、代表例は母様の影さんだね。

私だと、サポーターと呼んでいる【嵐人形ストームマリオネット】だね。




で、そのワザに書いてあったとおり私が一度でも演奏した曲じゃなければサポーター経由で鳴らすことが出来なかったので、しばらく演奏しまくる日が続きましたよ。

曲の数も楽器の数もすごかったから大変だったけど楽しかったなぁ。


ちなみに、あの楽器のおじさんはそんな超大量の楽器専用の収納バッグを持ってたらしくそのバッグごとくれました。



え?

そのおじさんがその後どうなったかって?

一応思い残し?悔い?は私のおかげで晴れたらしく、クラリティ王国の近くを拠点にして吟遊詩人をサポートするお仕事に就きました。

何というか、吟遊詩人がよく使いそうな道具類を専用に扱う商人さんになってたよ。


後、ちょいちょい私のところに歌と演奏を聴きに出現します。

なんか、すごく晴れやかな笑顔が似合うおじさんにジョブチェンジしてた。

まぁ、楽しそうだからまぁ良いかということで気にしないことにしてます。





それと、卵だけど相変わらず私の魔力を吸い取るだけで変化はないです。

なんとなくまだ産まれる気配がないしせかしてもしょうがないからのんびりと魔力を込めたり磨いたりして様子見です。

あ、変わったことと言えばいつも通りこりもせずに卵にまとわりつく苔を磨き落とすとその生える苔が一度に数種類になりました。

元々ランダムに何かしらの苔の1種類が日替わりで生え替わってた(正しい理由を言うと私が毎日削り落としてるから)んだけど、それが同時に2種類になりました。


しばらくしたら3種類になってた。

けど、タダの苔である。

どうしたものかと思いつつ魔力を食わせつつ眺めてます。




それと、関係ないけど毎日ティーちゃんは私と一緒にお風呂に入ってくれません。

ショックです。

けど、一緒に同じベッドで寝てはくれます。

隙を見て毎日お風呂に突撃しようとするのにリンちゃんが自分のおっぱいに私を埋めつつさりげなく関節技を掛けて動きを封じてくるんです。

おまけにティーちゃんはお風呂がすごく短いのであっという間に出てくるので惨敗です。

ショックです。

すごくショックです。


すっぽんぽんのティーちゃんを毎日眺めて女の子なのに男の子な男の娘というのを眺めるのが好きだったのに。

あんなところやこんなところまで隅々まで眺めるのが楽しかったのに。

物心つく前からずっと一緒にお風呂してたから、ちょっとずつ体が成長していく姿をお風呂でじっくりと観察するのが好きだったのに。


正しく言うと、全裸で抱きつくのが好きです。

服を着てたらしょっちゅう抱きついてくれるし抱きつくけど、脱いだ方が好きです。


なんと言いますかアレです。

ペットのにゃんこをモフるときは服を脱いだ方が気持ちが良いのと似たような感じです。



なのに、一緒にお風呂には入れなくなったのでそんな密かな趣味が堪能出来なくなりました。

ショックです。

すんごくショックです。


なので、八つ当たり程度にティーちゃんが腰砕けになるまですんごいチューをしてあげます。

ティーちゃんが手加減しろというので、一緒にお風呂入ってくれたらその日”は”考えてあげると言うとがっくりと肩を落としてチューを受け入れます。(諦めて一緒にお風呂に入ってくれれば良いのにチッ)




「セニア・・しょうがないだろう?ティアは一応男なんだ。男は女である僕たちと一緒にお風呂に入らないものなんだ。」

「むぅ・・でも、父様と母様は一緒にお風呂入ってるし、リンちゃんとティーちゃんのパパさんママさんも一緒にお風呂入ってるじゃん。」

2人の両親はいつも楽しそうに一緒にお風呂に入ってますが、父様と母様の場合、父様は微妙な顔をしつつも一緒にお風呂に入ってます。

なんで微妙な顔になってるのか聞いたら、うれしいけど恥ずかしいんだそうです。

けど、別々ではいるのはさみしいので男心は複雑なんだそうです。

その初々しさが、なかなか抜けないから大変らしいですが母様はそれが面白いと思ってるらしくワザと父様が恥ずかしがるようなことを色々と仕掛けてる双です。(知恵を授けてるのは安定の翠です)


「・・それは例外。公衆浴場は男女別々になってるだろう?それが理由だよ。」

「でも、私は一緒に入りたい。・・父様とティーちゃんが特別なんだもん。」

「なんで、セニアはそこまでしてティアと一緒にお風呂に入りたいの?」

ティーちゃんの裸が見たいのと体の成長をあるがままの姿で観察したいのはそうなんだけど・・。


・・・そう言えば、どうして私は父様の体でもそこら辺にいる顔のいい男でもなくティーちゃん限定でそう思うのだろう?

最初は、幼い頃からの習慣の変化がいやだったとかさみしかっただけと思ってた。

確かにさみしいけど、ティーちゃんが私に隠し事をしてるような気持ちになっていやだった。


なんで、隠し事はいやなんだろう?

誰しも1つや2つは隠し事はあるモノだって知ってるから、ティーちゃんにだってあるのは当たり前だし、おかしくない。

理不尽なことを私は思ってる。



じゃあ何で?

ティーちゃんにだけそう思うの?





--ティアーネ--

さみしそうで悲しそうで苦しそうな表情で頭を抱えるセニアを見て私は胸が苦しかった。


しょうがないじゃないか。

異性と好きな女性とお風呂には確かに入りたいよ。

けど、セニアが私を好きかどうかわからない状態でそれは卑怯だと思ったから。

そんな卑しい気持ちを持つ私をセニアが嫌うかもしれなくていやだったから別々ではいるようにしてた。




リンは、セニアの気持ちになんとなく察してはいるからこそ何も言えずにそばにいるだけ。

その気持ちがなんなのか知ってるからこそ自分でわからないといけないから。

すると、リンは目で私に告げた。


・・・・そっか。

ホントは、もっとしっかり成長してから言うつもりだったけど・・。



「セニア」

私は後ろから優しく抱きしめながら声を掛ける。

「・・・ティーちゃん。ごめんなさい。自分勝手なことを・・わがままなことを言ってごめんなさい。」

ポロポロと涙をこぼしながら震える声で私に謝る。


「何で謝るの?」

涙をぬぐうついでに悲しませたくなくて正面に移動して優しく抱きしめる。

すると、セニアはいつもと違っておそるおそる腕を私の背に回してきた。

「だって・・・こんなわがままを言う私なんて嫌だから・・嫌いだからなんでしょ?」

「違うよ。」

「じゃあなんで?」

「それは、私がセニアのことが好きだからだよ。」

「・・好きなら何で?」

セニアは、好きなら距離を開けるようなことはしないだろうと聞いてくる。

「私の好きは、LIKEじゃなくてLOVE。異性として好き・・いや、愛してるんだよ。けど、セニアの好きは異性としてじゃなくて兄弟愛とか親愛だと思ったから・・そんな気持ちにつけ込むようなことは私がいやだったから。」

「・・そう言うものなの?」

「そういうものです。」

「ティーちゃん・・」

「ん?」

「私の好きはどっちの好きなの?」

「・・ホントは言ったらダメなんだけど。親愛ならふれる程度の口同士のキスはあったとしてもあんなねっとりしたキスはしないんだよ。」

ついでに言うと、何十分もジュルッとしたキスは家族愛としての表現では絶対しない。

お風呂とかは、一応なくはないと思う・・まぁ、年齢制限的なモノの限度はあると思うけどなくはない。

「母様とは出来るけど、父様とは・・確かに出来ない。」

フリージア様相手なら出来るのか・・まぁ、マザコンだしそりゃそうか。

「私・・ティーちゃんのこと好き。」

「うん」

なんとなく知ってたけど、あえてそう告げずに頷く。

「好き」

「うん」

「愛してる」

「うん」

「私、色々めんどくさいよ?」

「知ってる」

「なのに好きなの?」

「好きだよ。」

「ホント?」


涙目で何度も確認してくるのでねっとりとしたキスで返事をしてあげる。


「私の気持ち、伝わった?」

「うん。・・・ねぇ、ティーちゃん」

「ん?」

「一緒にお風呂入ってくれなかったのは私たちが相思相愛だってわからなかったから何だよね?」

「そうだね。」

「私たち、血のつながりはないよね?」

「ないね。」

「今から私たちは恋人なんだよね?」

「そうだよ。」

「だったら、いっぱいキスしてくれる?」

「場所次第だけど良いよ。」

すでにしてる気がするけどあえてツッコミはやめとこう。

「これからも一緒に寝てくれる?」

「良いよ。」

「一緒にお風呂入って良い?」

「・・・良いよ。」

「うん//」

ほほを赤く染めてうれしそうに微笑むセニアの顔はこれまでのような天真爛漫なモノではなく、恋を知った乙女の顔ですごくきれいで可愛かった。



「とりあえず、2人ともおめでとう」

「リンちゃん、ありがと」

「ありがとリン。」

「僕は2人を祝福するよ。」

「リンちゃんはそれでいいの?」

「僕は、2人のことをタダの姉弟としか思ってないから大丈夫。それに、これからも僕との仲は変わらないだろう?」

「うん。もちろん。」

「ならそれでいいじゃん。」


「うん!」





ちなみに、恋仲となり色々と吹っ切れたセニアと久しぶりにお風呂に入ったら全身をくまなく手で洗われ、洗わされました。

・・・すっごく恥ずかしかった。

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