謎のゴーレム退治 その3
先週は投稿出来ず失礼しました。
お待たせしました。
これからもよろしくお願いします。
--セニア--
序曲
私が本気を出すための合い言葉であり、自分自身の力を最大まで引き上げるためのキーワードだ。
人とは、無自覚に自信の力を押さえ込んでいるらしい。
その理由は、あまり力を出しすぎると肉体に負荷がかかりすぎて命の危機になるからなんだとか。
そして、その言葉は肉体に負荷がかからないぎりぎりまで最大限まで引き上げるために自身が無自覚にかけている鍵を解除するためのきっかけ。
それを告げた後、風と雷で作り出した矢を歌いながら放つ。
私の歌は、力があるらしい。
歌い願うことである程度のことだったら叶えてしまうんだそうだ。
まぁ、限度はあるけど。
私の歌を人は、
戦いの歌
癒やしの歌
安らぎの歌
などと様々な呼び方をする。
そして、私の歌によって威力が強化された矢はまっすぐでっかい宝箱に向かって飛んでいく。
途中に待ち構えている部下連中を巻き込むように。
かなり力がこもっていたせいか、私にとって遠距離ワザ最強である大弓の風雷の矢は、進行方向に存在する敵を糸も容易く貫き、ソニックブームとか言う衝撃波を雷を纏った状態で辺り一面にまき散らしながら直接ぶつからずとも近くに存在しているだけで巻き添えを食らって全身を痺れさせながら吹っ飛ばされ、少なからずダメージを負わせる。
そして、1本の道が出来上がる。
その道には、その余波によりビリビリと地面を痺れさせ敵が容易く近寄らせず、ソニックブームの余波により小さなつむじ風があちこちで巻き起こっている。
ただのつむじ風ではなく、私の魔力を帯びた風のため敵が近寄れば少なからず体勢を崩す程度の威力は誇っているためリンちゃんたちがほとんど消費することもなくボスの下までたどり着ける最短ルートが出来上がった。
「・・・マジですか」
「さすがセニア」
「よし、ティアいくよ」
「あいよー」
アマルさんが引きつった表情でつぶやき、ティーちゃんが褒めつつ、リンちゃんが大剣を2本構えてその道を使って走っていく。
そして、リンちゃんのサポートのためにティーちゃんが盾型の結界を地面に平行になるように作り出し、その上に座り込んだ状態でスイーっと低空飛行しながらついて行く。
ティーちゃんは基本的にそんな感じで戦うのが普通だ。
とはいえ、地面から数十センチまでしか乗せて動かせないらしいので空を自由に飛び回ることは出来ないらしい。
ただし、何も乗せずに操る場合は、自身が確実に操れるイメージの範囲内であれば基本的に制限はないらしい。
その分、距離が自身より遠くなると消費する魔力も増え、硬度も下がってしまうため、半径数メートル範囲にとどめているのが普通だが。
盾型の結界を振り回して相手に打撃を与え、ドーム状の結界で自身を守り、投擲武器で敵の動きを阻害する。
狙い撃つのがすごく上手だし、ある程度隙を作っちゃえばリンちゃんがばっすりとやっちゃうから2人の相性はばっちしです。
で、私はそんな2人がスムーズに戦えるようにその他諸々を消し飛ばす役割です。
まさしく1対多を得意とする私です。
ティーちゃんはリンちゃんのフォローがメインで、リンちゃんは1体1をエグい数をひたすら繰り返す戦法だからね。
そして、私は【空歩】により空中まで跳び、歌を歌いながら雷を纏わせた風の球体を10個呼び出す。
私は、雷を纏わせた風を風雷と、そして自身の周りに漂わせるこの球体をシンプルにサポーターと呼んでいる。
このサポーターは母様が影さんと呼んでいるモノと全く同じワザだ。
私の場合は、近くにいる敵を攻撃し、自身の死角となる場所の防御をさせ、遠くを狙い撃つために威力を高めたり、性格に貫くためのサポートと言ったことに使っているだけのため、無理して生き物の形にする必要性がないため、基本形態は球体だ。
場合によってはキューブ状にしたり武器の形にするときはあるけれど、大体は遠距離ワザを放ちサポーター自身をぶつけることがほとんどのため、あまり使われない形態だが。
遠くを狙い撃つのは弓が最も威力が高いが、今回は質より量が必要とされている。
なので、インファイターグローブの人差し指と中指の2本だけ穴が空いている状態のモノを作り出し、空いている人差し指と中指だけまっすぐ伸ばし、他の指は曲げて指2本で指差すような形で標準をそれぞれ定める。
右手と左手はもちろん狙い撃つ場所は左右バラバラだ。
その状態で指先から極小の風雷の弾丸を放ち続ける。
こうすることで、シンプルで簡単に相手を性格に狙い撃つことが可能で、貫通性も高めるため遠距離で数をこなす場合は非常に重宝している。
異世界人が言うには、私の手の形は銃と呼ばれるらしいけれど、この世界にはそういったモノは存在しないと一般的に言われているため翠から遠くを簡単に貫く武器の1つだとしか聞いていない。
だからこそ、私は独自に考え、数をこなす遠距離ワザを考え、思いついたのがこれ。
私オリジナルの遠距離モードだ。
しかも、手で2つそれぞれ撃つだけではなく、周囲に作り出したサポーターからもそれぞれの方角を狙い撃っているので、移動砲台だとかなんとか誰かに言われたことがある。
倒すだけで良いなら1つ1つの風雷弾は大きくなくていい。
急所を貫ける程度の魔力があればいい。
種族的な本能なのか、勘が鋭いだけなのかなんとなく今目の前に大量にいる敵の急所部分がどの部分か感じ取ることが出来た。
その感覚は、今のように歌いながらだとより精密に感じ取ることが出来る。
1体また1体と指先でターゲットを狙い、撃っているときにはもう片手で次の相手を狙い撃つ。
歌を歌うことでテンションも良い感じに上がってきたので、指先に作り出す風雷弾の数を1つから2つ、そしてテンションの上がり方に比例して3つ4つと増やしていく。
同時にそれらを放ち、敵すべてに一撃でつぶしていく。
そうしている間に、サポーターとして私の周囲に漂わせていた風雷の球体を私が精密に操れる限界ぎりぎりの距離である数百メートル範囲に均等にばらつかせ、サポーター1つ1つから連続で風雷弾を放ち続ける。
その光景は、翠が言うにはガトリングのようだと言っていた。
その銃ってやつで連続で何発も放つためのヤバい代物らしい。
そうして何発も何発も放ち続けながら空中を飛び回り、戦場を駆け雑魚共をつぶしていく。
あぁ、久しぶりに良い感じになってきた。
思考速度が爆発的に上がり、倍の速度で風雷弾を放ち続ける。
この感覚には滅多になれないし、自力で慣れないけど歌いながら戦ってるときにテンションが最高潮になるとほぼ必ずなることが出来た。
これは、翠が言うところのゾーンってやつに入ると言うらしい。
所謂超集中状態なんだとか。
これは、思考速度上昇みたいなワザとしては決してステータスに表示されることのない純粋な技術の1つらしい。
けれど、これになれる人は世界中を探しても一握りいるかいないかと言われるほどかなり珍しいワザであり、習得難易度も母様の十八番である魔法反射波に難しいらしい。
正直これになれるようになったのはホントに偶然なんだけどね。
テンション次第で軽くなれちゃったし。
--アマル--
私は一体どんな子と共に戦っているのだろう。
杖を構え、水の弾丸を放ち、敵の動きを阻害しつつ急所を貫きながら目の前に広がるあり得ない光景を目に思う。
赤い髪の狐の獣人のセニアちゃんたち3人に声をかけたのはホントにただの偶然だった。
・・・容易に誘った相手がまさかのあのクテン様の娘とその親友とは予想外だったけど。
翼があるわけでもないのに空中を踏みしめてノリノリで歌って踊りながら雷を纏わせた風の極小の球をエグい速度と数を放ち、すべて百発百中で一撃で仕留めてるところを見ているとクラリティ王国最強ファミリーの評価を甘く見ていたと少しだけ後悔する。
しかも、その踊りも一切の無駄がなく、エグい数の攻撃を放つ動きに噛み合っている姿はまさに剣舞であり舞踏であり武闘だ。
戦場の歌姫とはまさしくあの子のことを言うのだろう。
それだけでもすごいというのに、あの子の歌を聞いてから私だけではなくソレイユにシュテル全員の魔法の威力も身体能力もかなり上がっている。
まるで徹底的に無駄をそぎ落としたかのような極致に達することが出来たかのような不思議な感覚。
何度も何度も訓練して目指していたモノを今まさに会得したかのような感覚すら感じてしまう。
この感覚は、忘れないようにしよう。
で、それだけでもすごいけどそんな子の親友2人が普通なわけがなかった。
まず、レリンスちゃん。
・・・美少年にしか見えないけど立派な胸もあるから未だに見た目に混乱してるのは置いといて。
かなり大きな大剣を2本軽々と無駄なく、危なげなんて皆無という感じでまるで自分の腕のように自由自在に操り、何体もまとめて切り飛ばしているし、蹴り飛ばしてるし。
次にティアーネ君。
・・・男だって聞いてるけど何度見ても美少女にしか見えないというのは置いといて。
盾の形をした結界をなぜか足場にして宙に浮いたままスイーっとレリンスちゃんの動きをサポートしている。
盾の結界で攻撃を防ぎ、次の盾の結界で殴り飛ばし、細長い金属の何か(後に鉄のクシと判明)をものすごい速度で投擲し、的確につぶしてる。
攻めのレリンスちゃんと守りのティアーネ君。
そして、全体の補助と攻防一体のセニアちゃん。
まだ幼いというのに最強ファミリーの名にふさわしい実力をすでに身につけている。
私は、あのとき・・お兄様とお姉様と共に依頼を受けたあの頃に感じていた想いに報いるためにAランクにまで上がった。
あのミートマンのスタンピートの時に感じた力不足と足手まといだったあの悔しさを糧に寝る間も惜しんで知識も魔法も鍛え続けた。
ギルドでセニアちゃんたちに声をかけたのも、あのとき私たちがお兄様に救ってもらったあのときと重なって見えたから声をかけた。
少しでも役に立てるならどんなに下級の依頼でも頼りになる先輩として・・お兄様の背中を追いかける1人としてふさわしくあるために。
けれど、この戦いぶりを見ていると不要だったかもしれないと頭の端で思ってたりする。
でも、今はそんな後ろ向きな考えは後だ。
あのとき、お兄様が戦い救った同じ場所で再度似たような光景を目に戦っている。
私と同じくソレイユにシュテルもそれぞれが得意とするジャンルでお兄様とお姉さまの背中を追いかけるように必死に頑張ってきた大事な仲間だ。
必死に頑張ったからAランクになれたし、依頼主からの評価も高いから周りもほめてくれるけど私たちは満足しなかった。
むしろ、調子に乗らないようにより自分に厳しくするようにした。
この程度でお兄様の背を追いかける権利があるわけがない。
だから必死で何度も何度も戦うし抗い続ける。
お兄様が守ったこの場所を今度は私たちが足手まといではなくれっきとした戦力の1人としてしっかりと守ってみせるんだから。
--ティアーネ--
セニアのおかげでボスまでたどり着くまでにほとんど消費することなくリンとともにたどり着けそうだ。
先輩たちもさすがAランクであり、フリージア様の弟子のシリルさんって人を目標にしてるだけあって無駄のない連携で倒し続けてる。
けど、この風と雷による一本道を見ると改めてセニアのすごさを実感する。
今も宙でものすごくノリノリで良い笑顔で華麗に舞いながらえぐい数の攻撃を放ちまくってるし。
時折、マジックゴーストだったっけ?
なんかの属性を纏ってるお化け。
アレが宙を漂ってセニアにすっごい数が四方八方から集まってるんだけど、戦場の歌姫モードになってるのに加えて極限状態になってるセニアは一瞬で小太刀2本に武器の姿を変えて速攻で細切れにしたり、サポーターとセニアが呼んでいる風雷の球で潰してるし。
これ、私たちがボス倒してる間に7割ぐらいはセニアだけで殲滅してるような気がする。
そう頭の隅で考えながらもボスのところにたどり着いた。
「セニアに大将を任されたんだ。しっかりやるよ。」
「あいよ。いつも通りにね。」
「当然」
私とリンが近くに来た瞬間、ボスの宝箱は突然上半身が人型で下半身が蜘蛛っぽい気がする姿になった。
なんで気がするなのかと言うと、上半身は確かに人型だけど表情も性差も何にもないつんつるてんなのに加えて腕が4本ずつあるし、頭が表情なんてないのに3つもあるという意味不明さ。
まぁ、私らがやることは変わらないけど。
「ティア、核はどこだと思う?」
いきなり縦に真っ二つに斬りながらリンが聞いてくる。
ある程度の歯車は削れたけど急所は外れたようだ。
私も関節部分と思われる部分に鉄の櫛を何本も投擲してるけど歯車が多少削れただけであまり意味はなかったし、盾の結界で挟み撃ちにしてみたけど私が力負けして動きを多少阻害した程度だった。
相手の動きからそれとなく推測しつつ癖とかを探したり魔力の気配とか探ったりして見てみるけど・・これは。
「たぶん核になる部分はかなりちっちゃいと思うけど、リンの攻撃を避けてるっぽい。」
「動かせるのか・・。まぁ、全身を自在に作り替えられるから当然と言えば当然か。」
そう話しつつも削れるだけ削りながら斬ったり貫いたりしてるけど中々核に当たんない。
核の位置を正確に見抜くのはどっちかと言うとセニアが得意なんだよなぁ。
私とほぼほぼ同じ感じで感知系とか出来るのに加えて種族的なものなのか感覚が鋭いんだよね。
けど、セニアは今かなりの数の雑魚どもを相手してくれてるからそれ以上おんぶにだっこは情けないしね。
まぁ、雑魚だのボスだの言ってるけど元々は1体の一部を切り離して部下を作ってるだけだからそいつらを倒せばそれだけそいつの体積を削れるって意味でもあるんだけどさ。
とか思ってたら、セニアのサポーターが3つほどボスの頭上にやって来てそいつを取り囲むようにして配置についたと思ったらいきなりものすごい数の風雷の弾丸を放ちまくった。
しかも、1か所を集中的ではなく、全身を潰す気満々であちこちを狙いまくってる。
貫通特化に調整してるのに加えて、雷の属性がそいつと相性が良かったらしくしびれで動きが鈍くなってる。
って、ちらっと周囲を見てみると部下がすでに半分以上いなくなってた。
・・セニア、いつの間に。
と言うか、歌も踊りもキレッキレで超ノリノリという極限状態で大フィーバーモード。
だって、放った弾丸が1体貫いた後ついでとばかりにそのまま2体目を貫いてたりする有様。
貫通性に加えて追跡機能を追加する余裕が出てるらしい。
と言うことは・・
「セニアが全滅させるまでに終わらせないとな。すでにヘルプしてくれてるんだからさ。」
「だね」
リンも私と同じ意見だったみたいだ。
それに、セニアがさっきからものすごい数をあちこち撃ちまくってるおかげでそいつの動きがゆかいなことになってる。
脚を動かそうとするとその部分を集中的に撃たれ、腕を動かそうとするとやはりその部分を撃たれ、体勢を崩すようにサポーターが突っ込んで頭とか脚とかに突撃したりと動きの阻害をしまくってるセニアに対抗するように部下を作り出しては送り出してるけどすでに追加で3体用意してたらしくそいつらが作られた瞬間に潰してる状態。
で、本人が動こうとするとさっきの有様でそれに合わせてリンが縦横斜めとぶった切り続け、私は投擲したり盾の結界で殴りながら核の場所を探る。
セニアのおかげでほぼほぼ場所は特定できた。
だって、核をかばうような動きが露骨になって来てわかりやすくなったから。
なにせ、セニアが攻撃しまくって歯車がだいぶ減ってるし、アマルさんたちも順調に削ってるし、たまにボスのところにまで攻撃が巻き添え事故よろしく流れ弾が飛んでくる。(ガチの偶然だったらしいけどナイス)
「リン、見つけた。」
「合図を」
「5秒後右の肺」
「あいよ。」
だから私は、苦無で関節部分を貫き、盾の結界を複数作り出し、動きを止める。
それに合わせてセニアのサポーターが足と腕の動きを阻害することに集中するように貫通性を弱めてただの風雷の打撃をし始めた。
そして、リンがかなりの濃度の魔力を2本の大剣に込めて構えた瞬間
「見切った」
ザンと十字がそいつに斬撃が走り、いつの間にかセニアが作っていたサポーターが全てボスを取り囲むように大量に宙にあり、
「終曲」
セニアが戦場の歌姫としてのとどめの台詞をつぶやいた瞬間サポーターすべてがそいつに四方八方から槍の形に変えて全身を串刺しにした。
そして、部下が気付けば1割以下になっていたけどその場で崩れ去っていった。
「終わったな」
「だね。」
凜とそう言っているとスタンと宙から飛び降りてきたセニアがニコッと微笑んだ。
そして、3人でハイタッチして
3人「ミッションクリア」
そう言って戦いは終わった。
で、セニアはさすがに全力で歌い続けて疲れてるらしくのど飴を舐めながらなぜか私を後ろから抱きしめたまま離れてくれない。
最近本格的に胸のサイズが成長し始めてるのを半ば強引に気付かされてるからいろんな意味で大変なんだけどなぁ、まぁ慣れてるけど。
それで、まだ興奮状態の余波が微妙に残ってるのか無自覚に発情してるのかわかんないけど若干表情がトロンとした感じになりつつ私にさっきからほっぺにほおずりしたりチュッチュチュッチュとキスされ続けたりしてる。
リンも、初めは落ち着かせるために離そうとしたけどセニアの表情を見たのとさっきまで頑張ってたのを知ってかセニアの頭を撫でるだけで私から離すのを諦めた。
ちなみに、セニアが後ろから抱きついてる理由は戦い終わり、あちこちに散らばってる倒したそいつらのアイテム類を回収し終えた後、町長さんの元に完了報告をするために移動中だから。
つまりは、移動中じゃなかったら100%真正面から抱きついて口にキスし続けてた。
「えぇっと・・セニアちゃんは大丈夫なの?・・・いろんな意味で」
ほほを赤くしつつアマルさんが私とセニアを交互に見て言ってる。
「あぁ・・たぶん大丈夫です。たぶん興奮してて甘え癖が出てるんだと思うので。」
「そ、そうなんだ・・」
甘え癖で納まる範疇を超えてる気がすると顔が言ってるけどスルーしよううん。
で、町長さんに無事報告したらものすごく驚かれたけどすごく感謝してた。
ちなみに、その間セニアはと言うとさすがに人目があるからなのか口に連続キスはしなかったけど私が膝枕してあげながらブラッシングしてあげたりと甘やかしてました。
と言うか、そうでもしないと本気でその場で口に連続キスしそうだったからなだめてるというのが本音。
リンも苦笑しながら一緒に甘やかしてるしね。
まぁ、甘えてくれるセニアは可愛いし、一応男としては役得だけどさ。
そんな初めにあったときとギャップがすごすぎるセニアの姿は町長さんは見なかったことにしたらしく常に微妙に視線がそれてた。
それから、私たちは無事にクラリティ王国に帰りました。
報酬は、金貨4枚とどのお店でも仕える割引券をもらいました。
その割引券は、薬草とか私が良く扱う鉄串みたいな消耗品限定でお値段がお得になるモノで、基本的にどの国でも使えるものだよ。
あと、そうだ。
町長さんからよくわからないものをついでにもらったんだった。
え?
何をもらったかって?
なんか、しばらく前から気付いたらあった謎の球だよ。
形は直径30センチは軽くあるでっかい卵なんだけど、なぜか全体を緑の苔で覆われてるんだよ。
苔は、いくら落としてもしばらくしたらまた生えてると言う謎アイテム。
でも、周囲に苔が広がったりすることはないという不思議。
で、なんでくれたかというとなぜかセニアが触れると反応したんだよ。
何というか、ポワンと光る。
まるで返事をしたかのようなセニアを認めたような不思議な感じ。
今までいろんな人が触れたし私もリンも触ったけど光らなかったけどセニアは触ると必ず光った。
だから、何かの運命じゃないのか?と良いながらくれた。
それと、ワザも色々覚えたよ。
私は【打撃強化】【束縛強化】
リンは【斬撃強化】【連撃】
斬撃以外は見た通りって感じだったけど、これはこんな能力だった。
【連撃】
連続で攻撃すればするほど攻撃時にかかる自身にかかる負荷が減り、わずかながら相手に与えるダメージが増加する
要するに攻撃すればするほどお得でリンにとってはすごく良いワザだ。
私も、なにげに盾を使った攻撃の威力が増すようになったらしい。
攻撃手段が少ないからね・・私、だからすごくうれしい。
で、セニアなんだけどワザとかなんか色々妙なのが増えてた。
職業
アイドル
どんな場所、どんな状況でも無駄なく華麗に歌って踊れる。
その舞は、舞踏であり武闘。剣舞であり神楽である。
その歌は、鎮魂歌であり、賛歌であり、戦場の歌である。
舞うときにかかる全身への負荷が半減。
舞と歌関連であればワザの熟練度は自信が楽しんだだけ高まる
※歌関連のワザであればノーコスト&のどへの負荷ゼロで発動可能
【発情】
精神的、もしくは肉体的、魔力的いずれかで大きく負荷がかかった際に比較的発生しやすく、性欲がかかった負荷の大きさに比例して高まる。
恋愛対象に対しても本人の気持ち次第では同様に欲情しやすくなる。
※本人も相手もものすごく気持ちよくなれるのに加え、本人が望まない限りは何をしても妊娠しない
その高まった性欲を発散することで、かかった負荷を軽減し、消耗した部分の回復速度がささやかながら高まる。
セニアがずっと甘えん坊というか軽く暴走状態になってる理由が判明した。
後、職業が後天的に増えるという正直初めての現象を目の当たりにした。
そう言えば、町長さんに報告する前にセニアがその土地で亡くなったありとあらゆる生物のために鎮魂歌を歌ったっけ?
そのときになんか半透明の何かが頭を下げながら光の粒子になって消えていた。
アレは、セニアの歌できちんと昇天することが出来たのかな?と思ったら、それが原因だったんだ・・。
で、あの戦いで結構な量の魔力を消費したからセニアは発情してると・・・。
けど、性的な行為にならずに、キス魔にだけなってるのは純粋にセニアがそう言う行為そのものを理解してないから、知ってる範囲で好きなことを実行した結果がこれらしい。
それで、不思議なのはリンと私と交互にキス魔の名の通りかなり濃いやつをやられてるんだけど、されてる回数とか長さとかを比較すると私の方が圧倒的に多いという事実。
で、しゃべろうとしてもセニアが濃厚なのをしてくれるから物理的にしゃべれないし、無駄にキスの回数が多いせいか上手いからこっちも思考が蕩けてまともに判断出来ないしいろんな意味で大変なんだよ。
あの謎卵を調べたいのにセニアずっとこれだもん。
で、リンはというと私をターゲットにしてる回数が多いのを察してか、6回目に濃厚なのを食らってリンから私にターゲットを映した瞬間部屋から逃げた。
つまりは、そこには私とセニアの二人きりというわけでセニアは今まともな判断が出来ない状態で目の前にいる唯一のターゲットである私しか襲わないと言う状況・・・つまりは生贄に捧げられました。
ちなみに、しばらく抵抗せずにセニアのキスに応えてるだけだったんだけどセニアはどうやら性欲はかなり高いらしく3時間経過しても収まる気配がなく、仕方なしに内心で文句は受け付けないからねと良いながらセニアを性的に満足させることにしました。
何したかって?
年齢制限かかるようなことはする勇気がないからせいぜい胸とかお尻とか太ももとかを揉んだくらいだよ。
一応それで満足したらしく夜が明けたところでようやく解放してもらいました。
まぁ、抱き枕状態のままで拘束はされたままだったからホントの意味で解放されたのは昼頃だったけど。
はぁ・・・そんなこれまで10年生きてきたし、セニアのキス魔の餌食には何度かなってたけど、今回が初めてだよ。
あんなに何時間もキスばっかりされたの・・・・・どうしてくれる。
おかげで、セニアを恋愛対象としての好きと自覚してしまったではないか。
「良いんじゃないの?」
「・・・私を生贄に捧げたリンがなんかほざいてる。」
セニアの性的暴走を収めて抱き枕になってる状態でジト目でリンを見つめる。
「・・しょうがないだろ。スキンシップはともかくキスの耐性はティアの半分もないから色々限界だったんだ。・・今度何かおごるからさ。」
「まぁ・・良いけど。・・でも、良いの?」
「いいよ。僕はティアもセニアも仲の良い姉弟以上には見れないから。それに、そう言う仲になったからって僕たちの仲が悪くなるわけないだろう?」
「うん、それはあり得ないでしょ。」
「ならそれでいいんだよ。僕は祝福するし、応援するよ。まぁ、セニアも無自覚だろうけどティアを恋愛対象として見てるよ。」
「・・・それって、男として?」
「・・・・・・・・たぶん」
リン・・・その長い溜めは、どういう意味かな?




