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陰の支配者2-天使+死神=?-  作者: ミコト
初めての都会?生活
11/36

謎のゴーレム退治 その1

NINEって、PCゲームをしてみましたが、すごく面白かったなぁ・・。

後、色々と良く出来てた。

選択肢をポチってる自分自身もそのストーリーの1人として動いてる感じも複数の選択肢の部分も最後には全部必要なルートだったとかすごく新鮮で良かった・・。

キャラも良い感じだったし。


・・・あ、この話のストックがほぼゼロになってる・・・打たないと。

--セニア--

ギルマスからの依頼で模擬戦をした結果、なぜか私の体のどこが素晴らしいかという謎談義で盛り上がる連中が周りに大量にいたけどティーちゃんが気にするなと言うのでスルーしました。


ちなみに、リンちゃんよりその人たちののしっておけと言われたので、とくに思いつかなかったから

「この変態共」

と言ってみたところなぜか全員が口を揃えて

「ありがとうございます!」

と大変良い笑顔でお礼を言ってました。

人によっては、踏んでくださいと土下座する人もいたから踏んであげた。

けど、靴のままだと汚れるから靴を脱いで

頭だと可哀そうだから肩を踏んでみたらなぜかわざわざ私の足を自らのほっぺに移動させて

「そのままぐりぐりしてください」

って言われたのでしてみたらすごく幸せそうな顔をしてました。

で、周囲の人たちはと言うと、極々一部はうらやましそうな顔をする人もいたけど9割くらいはドン引きと言う顔になってたなぁ。(順番待ちしてる人が数人いたのは見なかったことにしました)


まぁ、そんな光景を見たリンちゃんがやべぇって顔をして速攻で私を抱っこしてかっさらってったけどね!!

リンちゃん曰く、はっきりと言っておけば精神的ダメージとなり、そのまままともな人になるだろうというお仕置き的な意味合いもあったらしいけどなぜかご褒美になってた模様。

なぜか、ティーちゃんはそりゃそうだろってうんうんと踏まれて喜ぶお兄さんを見て頷いてたけど。

で、ティーちゃんに踏まれたいの?って聞いたら、踏まなくていいから膝枕してと言われたので帰ってからしてあげました。

で、してあげたらすごくうれしそうに私の生太ももを撫でつつほおずりしてました。

そのときの表情は、まさしく親に甘える美少女な娘さん。


んで、飽きないのかな?

って聞いたら、飽きないって即答してた。


よくわかんないけど幸せそうだから好きなようにさせてあげます。

その分私もチューするし、抱きしめるし。

チューは、なんか心がポカポカして気持ちいいんだよ?


あ、そう言えばティーちゃんと初めて口でチューするようになりました。

タイミングはあのギルマス依頼の模擬戦をして帰った後からです。

余りにも突然だったので呆然としながらどうして?って聞いたら、確かめたかったってよくわかんないこと言ってた。

それ以上は教えてくれなかったけど、うれしかったしまぁいいや。






で、そんなこんなで勉強しつつ訓練しつつ、実戦経験を積むためという表向きな理由を掲げつつギルドで受ける依頼を探してる最中な私たち。

え?

裏というか本音はって?

そりゃあもちろん、面白そうなのがないかなー?っていう好奇心でしかないけど?

後ついでにお金稼ぎ。

まぁ、父様のお小遣いという名のエグいブツのおかげでしばらく稼がなくても良かったりするんだけど。


「何かある?」

「んー。どれもありきたりだな。ありと言えばありだが欲を言えばつまらん。」

「あ、これは?」

ティーちゃんが見つけたのを見てみると・・



依頼

・なんかガチャガチャした謎生物が居座ってるからどうにかして欲しい。

報酬

・考え中なので現地で要相談



「・・なにこれ」

「すごい雑だね。」

依頼内容から報酬まであまりにも適当すぎる。

だけど、そこが逆に興味を惹かれて面白そう。

「けど、ランクが微妙に高いよ?」

見てみると、最低でもC以上と書いてある。


「実力はともかくランクがまだ私たち低いしね。」

「ある程度ランクを早めに上げないと受けたいモノが受けられないか・・。」

「お嬢さんたちどうしたの?」

お姉さんの声がした。

振り向くと、お姉さんは3人いた。

おぉ。

母様ほどじゃないけど結構な美人だ。


「えぇっと・・?」

「あぁ、ごめんね?私はアマルって言うの。イデアールと言う名前のパーティを組んでいて私はリーダー。で、こっちでくねくねしてるのがソレイユ、こっちの子がシュテルよ。」


リーダーであり私たちとこうして話してるのが青い髪を肩を越すほど伸ばしている杖を持っているアマルさん。

ティーちゃんを見てなぜか幸せそうな顔をして自分のほっぺを両手で抑えていやんいやんしてるのは癖のある茶髪の髪を肩の上まで伸ばしてる槍を持った方がソレイユさん。

で、なぜか私を抱きしめて撫で回してるのが赤い髪を背中の真ん中まで伸ばしている本を背負ってる方がシュテルさんかー。


「えぇっと・・・家のシュテルがごめん・・。」

「いえ。慣れてますので。」

似たような行動をする人たちが身内に結構な割合でいるので。

それと、アマルさんから苦労人という言葉が醸し出されてる気がする。



「それで、どうしたの?何か受けたい依頼に問題があったの?」

「面白そうだったのでこれを受けたかったんですけど、私たちのランクが低くて・・」

「あぁ・・けど、実力とかは大丈夫?こういうのは慎重に行かないと痛い目を見るわよ?」

「そこは家族柄大丈夫です。」

「そう?・・まぁ、立ち振る舞いからなんとなくただの子供じゃないのはわかるからそこはいっか。もし良ければ私たちと一緒に受けない?私たちはこれでもAランクだから問題ないわよ?」

「先輩として色々教えられる。」

私の尻尾を堪能し始めたシュテルさんがぽつりとそう言った。


たしかに、他のパーティと依頼を受けるのも面白そうかも。

チラリとティーちゃんとリンちゃんに視線を向けると私と同じ意見だったようで小さく頷いた。

「じゃあ、お願いしても良いですか?」

「良いわよ。」

「あ、自己紹介が遅れました。私はセニア。こっちの大剣持ってる方がレリンス。で、そっちの杖を持ってるのがティアーネです。パーティはハリーファで、リーダーは私の母様です。」

「あら、あなたのお母さんの?」

「はい」

「そのお母さんは?」

「家で仕事してます。ここにいる私たち3人だけですよ。」

あ、人だとそうだけど黄昏がいた。

実は、私たちだけでパーティを組むかどうかという話はしたことがある。

けど、色々話し合った結果母様のパーティに入ることにした。

理由としては、母様たちがほとんどギルドで依頼をまともに受けることががくっと減ったから。

受けなくはないけど、定期的に広範囲で殲滅してその報告という感じでされてたり、個人的に母様たちに依頼を出して、依頼主がギルドに指名依頼の手続きの時にそのまま完了報告を両方出して終わりってパターンが多い。

だから、母様たちの場合はそういう依頼の分の更新をさせるためにギルドに訪れてたりする。

更新だけならうちでも問題ないしね。

なので、そう言う指名依頼を結果報告と共に出す人たちは大抵、うちに寄った後で、クラリティ王国に立ち寄り、そこのギルドで手続きをするのが定番だったりする。



ちなみに、ここだけの話。

よその大陸の偉そうな人たち(貴族とか王族とかの可能性大な人たちのこと)がうちに慰安旅行に来たりすることがちょいちょいあったりする。

そういうときは、都人たちは私たちも含めてなんとなく貴族だろうなぁとか王族っぽいなぁと思っても口と態度には出さずに普通の客人扱いしつつ気付かなかったことにしてる。

理由は、わざわざ個別相手がめんどくさいから。

けど、そういうところがそう言う人たちからすれば好評だったりして帰り際とかに結構な額のお金とかを置いてったり、うちとの貿易のやりとりの時におまけしてくれたりする。





まぁいいや。

で、話を戻して。

「そう・・とりあえず、受けに行きましょうか。」

「そうですね。」

「で、シュテルはいい加減に離れなさい。」

「えぇ・・」

「えーじゃないでしょう。それ、同性でもセクハラよ?」

現在、私の尻尾から私の太ももにターゲットを変更してふにふにしてます。

むしろほおずりしてる。

シュテルさんが結構きれいな美人さんだったとしても、その(変態的な)光景に周囲の人たちは軽くどん引きしている。

「だって、すごい気持ち良いよ?私が男だったら速攻で理性が迷子になってた。・・・・今でも迷子になりかけてるけど。」

「・・・最後にとんでもないことを言わなかった?ねぇ?」

「気のせい・・・たぶん。」

「・・・ヤバいと思ったら強硬手段をとっても良いから。・・・それにしても依頼内容から報酬までおおざっぱにもほどがあるわね・・何これ。」

「あぁ・・はい。」

母様と比べたらたいしたことないけど表情の変化がシュテルさんは薄いから特定の人にしか感情を読み取れないんじゃないかと思う。

けど、母様と言う表情を読む難易度が規格外ルナティックに慣れている私からすればシュテルさんの表情なんて初級程度に感じちゃうね!

ちなみに、今は7割くらいすごい幸せそうににへらぁってしてるよ?

え?

残りの3割はって?

どこか楽し気にアマルさんをチラ見してるけど。

なんか、デレにデレまくって母様を愛でるアルナさんと同じピンクな雰囲気を感じるけど。

ピンクな雰囲気ってよくわかんないけどなんかムズムズするんだよねぇ。



まぁ、半分冗談みたいだから気にしてないし、同じ行動をとる人はホント身近にいるから慣れっこです。

それに、ガチで赤の他人でろくでもないの相手には容赦なしで触れる機会すら与えずに瞬殺するし・・周りが。


で、依頼を受領したとき、私たちの正体を以前のドタバタの時に知った受付のお姉さんはランクだけはどうしようもないしねぇと言いつつ、アマルさんたちが一緒に受けるということであっさりとOKを出してくれました。

そのときにアマルさんが何でこの依頼が適当な内容なのか聞いたところ、調査にするべきか討伐にするべきかそもそもどのくらい強いのかも判断出来なかったので、その辺りの判断を現場でやって欲しかったとのこと。

で、報酬もそれに合わせて出そうと言うことになったそうな。


ちなみに、そこで被害自体はあるのか聞いたところ、その謎生物がいる付近で謎の鉄っぽい何かで出来た魔物の群れに襲われたり、その辺りに広がる草原で採れる薬草類もそいつらに食べられ、取りに行こうにも襲われるので取りに行けないと言う有様で、結構苦労してるっぽい。

一応、テリトリーらしきモノはあるらしくそのラインを超えなければ襲われはしないらしいけど、かなりテリトリーは広範囲なのでその付近の移動もかなり面倒なことになってるので、そこに通ってくれる商人さんとか一般客は半数以下になっているので、結構不便なんだとか。

何しろそこに住む人たちが安心して外に出られず、生活するのに必要な消耗品の類いから一部の食料関係の流通が減ってるため、外に出なければ怪我などの被害はなくともかなり生活に難があるらしい。


と言うわけで、出来れば討伐して欲しいけどせめて安全策をとって、普通に生活出来る程度にはして欲しいというのが依頼主の要望らしい。

なので、報酬も満足な額が出せるか悩みどころと言うこともあり、素直に討伐依頼よろしく!とは言えなかったらしい。


まぁ、私たちは報酬はそこまで気にしてないから生活に難が出ない程度でOKだよーとギルドを経由して言ってるので、依頼主もランクとか種別とかどうでも良いからお願いします!という返答があったそうな。




そして、現在そこに向かうために、私たちと共にクラリティ王国の城壁の外で合流した黄昏を前にしてる3人のお姉さんがフリーズしてます。

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・」

シュテルさんはフリーズしつつもしっかりと私を抱きしめてるけど。

ソレイユさんなんてアマルさんのおっぱいに顔を埋めて抱きついており、慣れてるのかアマルさんはまるで妹を落ち着かせる姉のように呆然としつつもソレイユさんを抱きしめて撫でてる。


あの・・シュテルさん・・私を抱きしめるのは構わないけどその、おててがすごい怪しい動きしてるのが気になるんだけど。

リンちゃんの目が段々シュテルさんを変態さん扱いするような目になりかけてますよー。

ダメとは言わないけど、紳士な門番さんが他の人たち(クラリティ王国に入ろうと順番待ちしてる人たち)に見えないように盾になってくれてるから。(その門番さんは気付いてないふりをしてるのか遠い目をして誰もいない方角を見てる)


「どうしたんだろうね?」

「黄昏さんって大きいから驚いたんじゃない?」

「神聖な魔力を感知して黄昏さんが神獣だと気付いて驚いたとか?」

「あぁ、ありそう。それで黄昏、どうなの?」

「む?こやつらは、フリージア様の弟子の崇拝者たちだ。」

母様の弟子って、

「たしか、うちの図書館で流れてる歌を歌ってた人のことだよね?」

「うむ。そして、この国で歌い、劇をするための施設が増えた原因の1人だ。」

やっぱり、音の支配者って言われてた人のことだった。

「そうだったんだ?」

「うむ。元々路上ライブをする程度のモノだったのだが、あやつの盛り上げ具合がものすごくてな。さすがに路上でやるには歌を聞く輩の密集だけで私生活を送る者たちに対して問題があったのだ。故に、専用の施設を作った方が良いと言うことになった。それが10年ほど前に決定して、今はあぁして歌や劇以外にも様々なことに使用する公共施設として有効利用されているのだ。セニア・・お主が初の依頼で歌った場所もその1つだ。」

「あぁ、あのおっきいドームもそうだったんだ?」

「そういうことだ。それに、こやつらはその弟子と一度依頼を共にしたこともある。」

「あ、じゃあ母様と間接的に知り合いってことなんだ?」

「そういうことだ。」



「・・え?え?」

「あ、復活した。」

「どうしました?」

「え?いや・・その・・母様って?それに、黄昏様?・・・恐れ入りますが、セニア・・・様?ファミリーネームを教えていただいてもよろしいでしょうか?」

なぜか、引きつった表情になって冷や汗がだらっだらです。

「言葉遣いなどは初めの頃と同じようにしていただいて構いませんよ?あ、改めまして、セニア・クラリティ・エトワールと申します。」

「・・・・」

「・・・マジでクテン様の?」

「はい、娘です。」



それから、正気に戻ったのは30分後でした。

まぁ、待つのも面倒だったので黄昏の背に乗っけてさっさと出発したけど。





そして、黄昏の背中の上で雑談を交わして目的地である町に到着する数十分前くらいでようやく普通の子供相手くらいの気安い感じになってくれました。

ふぃー。

意外と時間かかったよ。

色仕掛けもどき(翠直伝ワザをいくつか使っただけ)を行使してようやくですよ。

まぁ、副作用的なモノの影響でシュテルさんが更に私から離れてくれなくなったけど。




で、やってきた町はなぜかあちこちに赤と青の2色がこれでもかと使われまくっているとこでした。

それは、待ちを囲う壁から中にあるありとあらゆる建造物に、門番さんの装備品の色からその町に住んでいる住人たちの衣服までとことん赤と青が盛りだくさんだった。

「何でこんなに赤と青がいっぱい・・・」

ちなみに、セキセイの町っていう名前です。



とりあえず、門番さんにギルドカードを見せつつ依頼を受けに来たことを伝え、ちょうど交代の時間だったらしく依頼者である町長さんの元に案内してもらいました。

で、その道中にこの赤と青の崇拝状態を聞いてみました。

「あぁ、それは10年以上前にこの地を救ったお方に肖っているからだよ。」

「赤と青の髪色だったりするんですか?その人」

「いや?炎と氷を自在に操る黒髪の青年だったそうだ。」

「その人が・・と言うより、ここでそのとき何があったんです?」

これ、母様を崇拝する人たち並の崇拝さを感じるんだけど・・その人何をやらかしたの?


「たぶん依頼者である町長さんから話があると思うからものすごく軽く言うと、この辺りでかなりヤバいスタンピートが起きたんだよ。しかも、ここら一帯の水源も枯渇する可能性がプラスアルファであったほどのな。」

「それをその人が解決したと?」

話の流れ的に。

「そういうこと。そのときに解決して下さったのが、天使の御使い様でな・・すごかったらしいぞ?天翔る炎と氷の双剣使いで、そのお方が駆けるとあらゆるモノが凍てつき、灰燼と化し。剣を振るえばどんな障害も刻まれ、言葉を放てばあらゆるモノを魅了すると今も謳われてるほどだ。」

「へぇ、そんなにすごかったんですね-。」

つまりは、あの青と赤はその人が操ってた炎と氷を差していると。

で、なんで黒髪の黒じゃないんだろうね?

それほど、炎と氷のインパクトはすごかったのだろうと勝手に推測する。



で、その赤と青への崇拝具合に地味に私も拝まれかけてます。

正式に言うと、私の赤い髪ですが。


・・・そこまでして色にだけ執着心が高いと色々とヤバくならない?


「で、その人の名前は?」

「あー。何だったっけなぁ。みんな御使い様としか呼ばないから忘れちまったよ。けど、かなりの高位の冒険者だとか聞いたし、あちこちで活躍してるとか聞いたから誰か名前くらい知ってるんじゃないか?正直当時のことを覚えてるのが町長さんくらいなんだけどな。その人が当時の状況を目撃した唯一の人だからな。」

「10年少々前だったら、もっと誰かいるんじゃないの?」

ティーちゃんがこてりと首をかしげて訪ねる。

「あー。実はさ、この町って元々は村だったんだよ。で、御使い様を称えてその素晴らしさを世間に広めなければ!とか言って旅立った連中が多くってな。そして、若い連中が各地でそんな活動をして村に人を呼び寄せて、年配組がその対応をしたり指揮を執ったりしてな。そうしてる内に若い連中はその活動を熱心にしすぎたせいで帰ってこなくなって、町として落ち着いたここ数年の間で年配組が老衰でな・・。そんな感じで、よそに行ってた中で唯一帰ってきた人が今の町長さんってワケさ。」

何というか、好き放題してるんだなぁとしか思えないけど、何でだろうね?

ものすごく人ごとのように感じないのは。

たぶん・・いや、間違いなく母様のせいだろうねぇ。

同じ活動をしてる連中を知ってるし・・陰の親衛隊とか。


「なるほど・・。それで、どうしてその人の名前ではなくそんな呼び名になったのですか?」

そんな二つ名の上位の冒険者は、記憶にないのですがとアマルさんが訪ねると。

「なんか、解決してもらったときに名前を聞いたらそのお方は、クラリティ王国の幼女の弟子だって言ったらしいんだ。」

・・・・・ん?

「そ、それで?」

なんか気になる単語が出てきて首をかしげたところ、なぜかアマルさんたちの顔が引きつりだした。

リンちゃんとティーちゃんは私と同じ考えらしく確認したいので微妙な表情になってる。


「それでどうして天使の御使いという名前に?」

「なんか、当時の村長さんが言うにはクラリティ王国はそのお方の駐在地であり、幼女とは天界の天使様のことで、弟子というのは天使様の眷属のことを指す隠語なんだとさ。」

なんか、ものすごい解釈されてる・・・。

「そ、そのときの方々はクラリティ王国の幼女と言われてクテン様だと思わなかったのですか?」

おぉ。

アマルさんがお顔を引きつりつつも訪ねた。

私たちと同じ考えだったらしい。

やっぱり、クラリティ王国で最も有名な幼女と言えば母様以外あり得ないよね。

今も昔も幼女だし。


「あぁ、ないない!」

だが、門番のお兄さんはカラカラと笑いながら違うんだという。

「どうして?」

「確かにそう考えたらしいんだが、だったらなんでストレートにクテン様の弟子だと言わなかったんだ?って話になったらしいんだ。」

たぶん、ただの気分だと思うよ?

ラウさんなんて未だに母様のことを幼女様と呼ぶし、それに影響されて都にやってきたお客さんの大半が母様のことをクテン様と呼ぶ人と幼女様と呼ぶ人で半々に別れてる有様だし。

おまけに母様はいつものようにスルーするし。


「それで?」

「で、と言うことはクテン様と思わせるフェイクだ!ってなって、最終的にさっき言ったように天使様の眷属だって答えになったんだと。」

「な、なるほど・・。」

「あぁ、ほら。着いたぞ。後はよろしくな。」

「あ、案内ありがとうございました。」

「いやいや、こっちも楽しかったよ。じゃあな。」

そうしてお兄さんは去って行きました。



・・・で。

「アマルさんたちは大丈夫ですか?」

「え!?え、えぇ・・・だ、大丈夫・・よ?」

大丈夫じゃないよね?

とチラッとリンちゃんとティーちゃんに目で尋ねると

だね。

見ての通り

と賛同する意見が返ってきた。


たぶんアマルさんたちは何か知ってる。

おそらく、当時のことをどこかで見聞きしたことがあるってことだ。

で、さりげなくはぐらかされてる気がする。


・・・気になる。

するとティーちゃんから私を後ろから抱きしめてほっぺ同士をくっつけながらそっと耳元で囁いてきた。

「セニア、ちょっとやっちゃってよ。」

「しゃべらせるの?」

「そうそう。絶対何か知ってるでしょアレ。」

「やっぱりそう思う?」

「うん。私も気になるからお願い。・・ご褒美に後でいっぱいキスしてあげる。」

そんなご褒美もくれるの?

元々私も知りたかったからしゃべらせようとは思ってたけど、そんなこと言われるなら翠直伝ワザで無理矢理しゃべらせちゃうよ?

「了解。約束守ってよ?」

「もちろん。内容次第では追加報酬もあるよ。」

「それなぁに?」

「ブラッシングを髪と尻尾してあげる。」

いつも以上に丁寧に隅々までと添えて言ってくれた。

わぁお♪

「うん、頑張っちゃうね。」

「・・うん//」

超至近距離の状態で100%スマイルを発動させたらティーちゃんが照れた。


照れてるティーちゃん可愛い。

「おーい。ティアにセニア?ちょっと怪しい光景に見えるからいちゃつくのはほどほどにね。」

背景に百合の花が見えるからとリンちゃんにツッコミをもらいました。

えへ。




さて、じゃああのワザかなぁ♪


まずは、普通に聞いてみる。

「アマルさんたちはその御使いさんのことをご存じなんですか?」

「え?えぇっと、知らない・・わよ?」

「そうなんですか?」

こてりと首をかしげつつさりげなく距離を詰める。

「だ、だって、私たちはその頃はまだまだ駆け出しだったからスタンピートの解決なんて対処出来るわけがないわ。」

ふむ。

私たちのようなイレギュラーは別として、理屈は通ってますね。

けど、話してくれない。


じゃあ、やりますか。

何も悟らせないようにふんわりと微笑みながらさりげなくするりと近づく。

で、近づいている私に何か察したのかアマルさんが若干警戒する表情になった。

ふむ。

そこで気付きますか。

Aランクも伊達ではないですね。





けど、あまい。

ふと突然私がよそに目を背ける。

まるで何かに気をとられたかのように。

で、アマルさんはその警戒心の強さが仇となりそのままつられて私が視界を向けた方へ顔を向ける。

すると当然私のことを視界から外すことになる。


そんな隙を見て、一気に音もなくアマルさんに真正面から抱きつく。

突然抱きつかれたアマルさんは目を丸くしてあわあわしてる。

そして、顔をぐりぐりとアマルさんのおっぱいに埋めてさりげなく数秒ほど楽しんだ後、瞳を潤ませて切ない表情で上目遣いになってアマルさんを見つめる。

「うぐっ・・//」

お、顔を赤くしてフリーズした。

良い感じなので、とどめ。

「お姉ちゃん・・セニアに教えてくれないの?・・・セニアのこと・・嫌い?」

全員「グハッ!!」



翠直伝ワザ

庇護欲をそそる小動物系の妹のようにして、自分のことを名前呼びすべし



ここのポイントは、自分のことを私とかではなく、名前呼びにする部分だそうです。

そうすることで、庇護欲をそそる部分を更に強化するんだとか。



そして、アマルさんに仕掛けたはずが、気付けばリンちゃんとティーちゃん、黄昏以外の周囲に偶然居合わせていた町民さんたちも含めて吐血してひざをついてうなだれてる。


「は、話します・・話させて下さい。」

やったね。


で、教えてもらいました。

その御使いさんはまさかの母様の弟子の1人である音の支配者のシリルさんだと言うこと。

そのときに、共に同行していたのはシリルさんの婚約者のセリカさんとアマルさんたち3人だったとか。


「ふむ。道理で見覚えがあるはずだ。」

突然聞こえた男性の声に顔を向けると、優しそうなおじさんがいた。

「えぇっと?」

「自己紹介が遅れたね。私が依頼主の町長だ。彼女たちの話の流れで言うと、当時の依頼主だった村長の孫が私だ。」

なるほど。

「立ち話もなんだから、上がってくれ。」

「はぁい。」


とりあえず、おじさんについて行こうっと。



その前に、町民さんたちは放置する(鼻血を流しながら恍惚とした笑みで放置してくれと言われた)として、アマルさんたちが未だに顔を赤くして足腰がぷるぷるしててまともに動けないっぽいだよねー。


とりあえず、リンちゃんに意味はなさそうだけど治療してもらって抱っこして連れてってもらおうっと。

黄昏は体がおっきいからお庭で待機ね。



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