表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の騎士 ~君を守るために~  作者: 無乃海
第一幕 名栄森学苑1年生編【3部 秋の巻 編】
99/196

88話 秋祭り その1

 学苑祭(準備中)のお話途中ですが、時期的に、秋のお祭りが開催される頃だと思ったので、ここでそちらの話に切り替えました。

暫く、続く予定なので、『その1』とさせてもらいます。


いつも通り、未香子視点となっています。その彼女が暴走しています。

何しろ、恋愛ゲームでいうところの、イベント発生なので(笑)。

 「明日は、葉月(はづき)達が帰ってくるらしいよ。久しぶりに、夜は皆で秋祭りに行こうか?男性陣が、()()()()()お祭りに行きたいらしいよ?」

 「えっ?…お兄様も、帰って来られるのかしら?」

 「うん。そうだって聞いてるよ。」

 「そうなのね。勿論、私はOKよ。でも…、秋祭り行きたいなんて、お兄様も案外、子供っぽいところがおありなのね?」

 「あははっ。そうだね。子供っぽいよね?…くくくっ。」

 「………?」


学苑祭の準備期間中の…ある日のこと。この日は、金曜日ということもあり、今日も、学苑祭の準備に明け暮れていた。10月が終わったばかりで、もうすぐ学苑祭もやって来る頃であった。流石に、休日にまで登校して準備することはなく、毎日帰宅が遅くなっているので、私達生徒の殆ど全員が、家の迎えを待っていた。


どうしても家の迎えが出来ない保護者もいるらしく、そういう生徒達は、他の生徒の車で相乗りさせてもらっている。内部生の家は皆、迎えが可能であるけれど、外部生のご自宅は、色々と事情があるようで。仲良くなった内部生達が、協力する形となっていた。それでも無理な場合は、先生方が数人を相乗りさせて、生徒の自宅まで送って行くようである。


ハッキリ言えば、体育祭の時よりも帰宅が遅くなっている。生徒達が皆…準備に夢中となり、部活に参加すら忘れるほど熱中し、流石に電車で1人帰らせるというのも、学苑側も物騒と思ったようであり。それというのも、この制服が()()()目立ってしまう、というのも1つの理由となっていた。


この制服が、名栄森学苑(なさかもりがくえん)の制服だと知っている、地元民は案外と多く存在する。

何でも、その昔、同じように学苑祭などで帰宅が遅くなった生徒がおり、誘拐されそうになった()()()()もあったらしく。その子は外部生だったので、誰も迎えに来てもらえなくて、1人で帰宅途中であったそうで。然も、奨学金で通う生徒でもあり、ただの会社員の家の子供の為、全く裕福ではなかった、と。


しかし、制服から判断をした犯人は、裕福な家庭の子供と思い込み、その生徒を誘拐して身代金を要求しよう、と考えたようである。その生徒本人がいくら正直に伝えようとしても、自分は一般人の子供であり、裕福でない家庭だと話しても、犯人は…全く、信じようとしなくて。結局、その生徒が必死で逃げまどい、抵抗したりしている所を、偶々…巡回中の警察官に見つかり、犯人は全力で逃走し、その生徒は保護された、という過去がある。


後日、犯人は逮捕されてはいるらしいけれども、また今後も…似た犯罪が、起きないとも…限らない、いうこととなりまして、その後からは今のように、必ず迎えが必要となっている。学苑の方でも、部活も含めて、帰宅時間が遅くならないようにと、部活の責任者である顧問が、常に気を配っておられます。外部生と言えども、生徒に()()()()()()()学苑の責任になりますし、内部生の保護者達を、敵に回すかも知れませんもの。教師陣も、この時期はピリピリしている、時期なのです。


まあ、それはさて置き、いつものように真姫(まき)さんが迎えに来てくれており、その車の中での会話である。明日は秋祭りなので、お兄様達と4人で出掛けようと。

夕月(ゆづ)が話し掛けて来て。葉月は…兎も角として、お兄様も…行きたいのですか?

「お兄様にしては、子供っぽくて可愛らしい部分も、おありなのね?」と、純粋に微笑ましく思っておりましたところ…。夕月は肯定したというのに、本格的に笑い出してしまったのです。


…あら?…何だか、()()()()()()()()言い方でした、けれど……?

行き成り…笑い出しては、笑壺に入ったような雰囲気で、お腹を抱えて笑っている夕月(ゆづ)を見つめて。私は…ちょこんと首を傾げていた。何がそんなに可笑しいのか、全く理解出来ませんが。お兄様が子供っぽいという理由のみで、笑っている雰囲気ではなく、また、そのようなことぐらいで大笑いする人でもなく、礼儀的にも失礼な態度を、本来の夕月(ゆづ)はしないのに。


何か他に、意味があるような気が…致します。…他の意味とは、何かしら?

全く私には、見当もつかない。う~む。こういう時の夕月(ゆづ)って、絶対に何かを隠しているのは、間違いない。お兄様に、何か頼まれたことでも…あるのかしら?

お楽しみ的な企画を考えているとか?…昔…そのような事もありましたわね。

どちらにしろ、夕月(ゆづ)は…教えてくれないつもりよね?


 「…昼間は、2人でお祭りの下見に行こうか?…色々な屋台が出るみたいだよ。夜だけでは、回り切れないし。どうする?」

 「 …!……勿論!…行きたいですわ!…昼間も…行きますわ!」


夕月(ゆづ)は笑うのを漸く止めると、私の方に顔を向けた。そして、私がうっとりとときめくような笑顔で、私を誘ってくれたのですわ。お祭りの下見に…2人で出掛けるなんて、私はそれはもう、ときめきで胸が一杯に…なりましたわ。ああ!もう幸せ過ぎて、いつお迎えが来てもいいくらいに…。(…物の例えです。)


学苑祭の準備を頑張っている、ご褒美として、神様が私に夢をくださったのかしら?…などと馬鹿なことを思うぐらいには、私には…嬉しいお誘いでしたのよ。

勿論、お兄様達と4人で、夜店を見るのも楽しみなのですわよ。それでも…何と言いましても、昼間に()()()()()()()()()夕月(ゆづ)と2人で屋台を見るのは、もっと楽しみなのでしてよ!


…もう、明日が楽しみで楽しみで、仕方がありませんことよ!…ふふふっ。

神様は、きちんと見ていらしたのね?…()()()、ありがとうございます。






     ****************************






 もう、次の日の朝である。私は余りにも嬉し過ぎて。実は…あれから、中々眠れなくなってしまったのである。お陰で…私は、すっかり寝坊してしまっていた。

いつもより遅くまで、ぐっすりと眠っており、夕月(ゆづ)が我が家に来てしまったということで、慌てて真姫さんが起こしに来てくれるまで…は。…うううっ。

凄く…恥ずかしい…ですわ。穴を掘って…入ってしまいたい…くらいに。


真姫さんに手伝ってもらいながら、身支度をしている私。部屋の戸がコンコンと叩かれ、真姫さんが戸を開けて確認すると、何と…夕月(ゆづ)が立っていた。

…もしかして、怒っているの?!…寝坊して、ごめんなさい!

思わず平謝りしてしまいそうな気分で、オロオロしてしまう…自分が情けない。

真姫さんがどうぞと部屋に通したので、夕月(ゆづ)が私の部屋の中に入って来た。

…きゃあ!…乱れた寝ぐせ姿の私を、夕月(ゆづ)に見られてしまったわ。

私、もう…立ち直れない…かも。


 「おはよう、未香子(みかこ)。今、邪魔しても、大丈夫そう?」

 「…!……。夕月(ゆづ)…おはようございます!…ごめんなさい…私…、昨日の夜は、もう嬉し過ぎて、中々寝付けなくて…。まだ…用意が出来ていませんの…。」

 「…ふふふ。今朝は、寝坊したんだってね?…まだ時間はたっぷりとあるから、そんなに慌てなくても大丈夫だよ。まだ…髪のセットは、していないんだね?それなら、久しぶりに私がやろうか?」

 「…えっ!…夕月(ゆづ)が、私の髪をセットしますの?!」


それでも、私は謝らなければと、顔を俯けたまま、必死になって謝る。夕月(ゆづ)は何も気にしないというように、笑顔で話し掛けてくれる。…ううっ。笑顔が眩し過ぎ。夕月(ゆづ)が…神様みたいだわ。その上、夕月(ゆづ)が爆弾発言をして…。…ええっ!… 私のこの髪をセットをしますの?!…夕月(ゆづ)が?!…私はパニックになり、視線を彷徨わせていた。頭が…上手く働いていなくて。何と答えていいのか…分からない。


 「もしかして、嫌だったかな?…三千(みち)さんや真姫さんの方が、綺麗に結ってくれるだろうし、私じゃない方がいいかな?」

 「…ち…違うますのよ! …夕月(ゆづ)に迷惑かけているのに、その上、また迷惑を掛けてしまうと思って…。」

 「少しも迷惑だとは、思っていないよ?…思っていたら、抑々…未香子と仲良くしていないかな?…それも()()()()()、未香子だと思っているんだよ。」


私が迷っていた所為で、夕月(ゆづ)は私が拒否したと思ってしまい、肩を落とす素振りをする。…違うます!…誤解ですわ!… 三千さんや真姫さんの方が良いなんて、思っておりませんもの。夕月(ゆづ)はとても器用ですから、綺麗に結ってくれますもの。

私は必死に夕月(ゆづ)の誤解を解こうとして、身振り手振りを使って全身で、否定する。

私の気持ちは伝わって、私のことを迷惑だと思っていない、と宣言してくれて。

…うん?…あれ?…何だか…言葉に違和感が…あるような気が。迷惑を掛けている行動は、()()()()()()()()気が…。迷惑=私って、思われているの?…ガ~ン。

鈍器で殴られたようなショックが。


そんな私の本心に、気が付いているのか、気が付かないのか。夕月(ゆづ)は、私の髪を触り出して。そおっと、優しく、丁寧に櫛で梳いていく。鏡の中を覗くと、夕月(ゆづ)に任せることにしたのか、真姫さんは私の部屋にはいないようで。…そうよね。今日はお祭りなんだもの。お祝いの料理を作っている筈だから、三千さんも真姫さんも忙しいのよね…。きっと、夕月(ゆづ)はそう察したから、私の世話を申し出たのね…。

…うっ。私は…本当に何も出来ないのね…。そう思えば思う程、更に落ち込んで行く私は。心の中で…皆に謝っていた。


…神様!…浮かれてごめんなさい。心より反省しております。

お願いですから、()()()を取り消さないで下さいませ。私の一生の…お願いです!

 ここで一旦、学苑祭(=文化祭)のお話を横に置いておきまして、秋祭りのお話を入れさせてもらいます。学苑のお話ではない為、学苑の生徒の登場は未定です。


夏祭りは、すっかり書くのを忘れてしまいましたので、絶対秋祭りは書こうと思っていました。お祭りと言ったら、恋人のイベントでもありますので。

この際…イベントを沢山作って、好感度を上げて行かないと。(誰が…誰の…?)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ