87話 他のクラスの出し物は?
学苑祭の準備真っ最中のお話です。いつも通り、未香子視点となります。
読まれておられる方々も、文化祭には、色々と思い出がありますか?
私学の学校の文化祭ですので、華やかにしようとしたら、…こうなりました。
「北岡君が『麻琴』になるって、本当ですかぁ?!それに、九条さんも『雅』になるって聞きましたよぉ!」
「うん。本当だよ。私が1番似ているキャラが、そのキャラだというからね。」
「私も、本当ですよ。私の場合も、同じ理由からでしてよ。」
「うわぁ~!…Aクラスのカフェに、行きますぅ!もう、絶対に見に行きますからねぇ!ものすっご~く、楽しみですぅ~!」
2人で部活に顔を出しますと、郁さんが飛びつくような勢いで、学園祭の出し物にの件で、私達のところまで訊きに来たのです。私達から真相を聞いた方が早い、と踏んでのことでしょう。郁さんは、こういうお話には、素早い情報網を持っていらっしゃる、のね。まだ、公表もされておりませんのに、ね?
一体どこから、その情報を仕入れておられる、のかしら?
因みにEクラスは、クイズ大会をする予定らしい。クイズ参加者は、学苑中を歩き回って、指定の場所にあるお題のクイズを解いていく、という形式とのこと。
この情報は時折、朝の登校途中でバッタリ会うことが多くなった、萌々花さんから仕入れたお話なのである。…う~ん。聞いているだけでは、何だか面白そうなのですよね。参加したいかと言われましたら、それは別なのでしょうけれど。
あの日から、私達に会う度に、萌々花さんが声を掛けて来るようになっていた。
私は今も、そっけない態度しか取っていないというのに、萌々花さんはそんなことはお構いなしで、私にも話し掛けてくるのである。本心から本気で、私とも友達になるつもりなのよね…。…ふう~。(溜息を吐きながら、呆れている私。)
お陰で、私の萌々花さんに対する口調は、砕けたものになってきているわね…。
仕方がありませんのよ。萌々花さんったら、私の気分もお構いなしなのですのよ。ですから、偶にイライラしてしまって…。一々、丁寧な言葉使いなんて、使っていられませんわよね…。私が砕けた口調で話すことが出来ますのは、夕月以外では、学苑でも一部の生徒だけですのに。萌々花さんは…本当に、異例中の異例だと申し上げたいくらいですわね。
周りの生徒達も、最初のうちこそは、興味津々といった雰囲気もありましたが、今は…慣れ親しんだ風景という感じで、あまり気にしているような生徒は、いなくなって来ていた。しかも、私が萌々花さんに怒っていたり、つんけんしていることも多い為、巻き込まれたくない周りの生徒達は、そそくさと立ち去って行かれますのよ。注目を受けないのは、まだマシなのですけれど。
夕月は…と言いますと、私と萌々花さんが何か言い合いをしていても、一切口を出さないのである。余りにも言い合いが酷くなる場合には、流石に呆れたような顔をして、「いい加減にしないと、2人とも置いて行くよ。」と言い、本当にサッサと先に行ってしまうことも、ありますが。まあ、本気で置いて行く訳ではない、とは思ってはおりますが、私が言い争いを止めて、慌てて追いかけて行きますと、夕月は…クスクス笑っておりまして。
何故か、萌々花さんも嬉しそうに、にこにこ顔をしているのよね…。本当に…変な人なのよね…。まあ、憎めないお人と言いますか…、何と言いますか。
こういう光景が、何だか当たり前になりつつある、今日この頃…なのであった。
…そうなのよね。最近、私と萌々花さんが、何だかんだと言いつつもお話しをしていますと、夕月がそんな私達を、黙って見守っているような目をしている、ということが…多くなった気がします…わ。
元々…夕月自身は、自分からそうお話をする人ではなくて、どちらかと言えば、聞き手に回っている方であった。普段は私が話し掛けている、ということの方が、多かったと思うわ。思い返せば…萌々花さんが相手の時も、そうだった。今は私と萌々花さんが、必然的に何かの話はしている状態であり、賑やかになったと思う。
そして…その分だか、夕月はお話には入って来ない為、前より話さなくなった雰囲気が……。私の立場から言えば、本来は…萌々花さんの存在は、邪魔なだけ。
彼女が関わるようになった分、私と夕月の時間が減っていますし。
彼女の場合、夕月が好きだと自覚した、筈なのですが…?…何故か彼女は、夕月に対して、前より絡んでいない…わよね?…その分を私に絡んでいる気が……。
これは…どういう意味があるの?…彼女は…何をしたいのかしら?
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刻々と学園祭が近づいて来ていた。各クラスの出し物が、生徒会の方から正式に公表されることになった。以下のように決定したようである。
Aクラス 『コスプレカフェ』
Bクラス 『お化け屋敷』
Cクラス 『ゲーム大会』
Dクラス 『サンプル作り』
Eクラス 『クイズ大会』
Fクラス 『たこ焼き屋さん』
Gクラス 『ファッションショー』
Hクラス 『クラス劇』
2年生、3年生の出し物も、1年生の出し物と似たり寄ったりであった。
全く同じではないものの、生徒会の許可が下りないという理由で、ないだけ。
似たようなものなのは、仕方がない。しかし…。Aクラスの出し物って、正式な名称で表現すると、『コスプレカフェ』になりますのね?…初めて…知りましたわ。
学苑祭は3日間行われることになっている。先ず1日目が、中等部と高等部の生徒だけの参加となり、2日目が、保護者と親戚などの参加であり、3日目が、来年以降に受験を考えている外部生の候補者(つまり、中学生の生徒)とその家族と、各日によって来客が決まっている。一応は、お金持ちの子息令嬢の学校ですからね。
怪しい人物が入って来ないよう、万全の体勢なのである。
Aクラスがコスプレをするという触れ込みが、今から話題沸騰となっていた。
何処へ行っても、それで持ち切りであるようでして。然も、Aクラスには…夕月がおりますもの、ね?…夕月がコスプレをするということで、もう女子生徒達の目が輝いておりましたわ。この分ですと、Aクラスの総売り上げは、期待以上になりますかも…しれませんね?
飛野君のクラスは『お化け屋敷』なのね。私は幽霊とかは超苦手の為、行こうと思いません。田尾君のクラスは『ゲーム大会』と銘打ち、色々なミニゲームも用意するらしいわ。時間があれば、夕月と一緒に回りたいかな? 木島君のクラスは、食品の『サンプル作り』をするのね。木島君のお父様の仕事関係から、材料も手に入りやすくて、決定したそうよ。サンプル作りも面白そうもの、是非回りたいわね。
萌々花さんと郁さんのクラスは、『クイズ大会』なのよね。学苑中を回ってクイズ問題を探して、クイズを解くのは…大変そうね…。時間が掛かりそうですし、時間のない私達は…多分パスだわ…。私達のクラスの出し物がカフェなので、交代制にしても休憩ぐらいで、余り時間が取れそうにない。私と夕月は部活の活動もありますもの。時間が掛かり過ぎるものは、回れそうもないですわ。
『たこ焼き屋さん』は、千明君のクラスなのね。千明君は、販売員になるらしいから、きっと女性の呼び込みなのね。時間があったら、覗きに行ってもいいわね。
『ファッションショー』は、箕村君のクラス。何でも被服部の部員が居るらしいから、自分達で作成した衣装で、思い思いの格好でショーをするのだとか。
それ以外でも、お客がその衣装を着用出来るという、有料のシステムもあるらしいのよ。これは…面白そうね。売り上げ対決では、脅威となりそうですわ。
Hクラスには、映像部員は確か誰も…居なかったはず…。『クラス劇』は、そういう理由もあるかもしれないわね。私達映像部員は、普段からお芝居をしている為、学苑祭の出し物ぐらいは、劇以外にしたいと思っていましたのよ。私があの提案を出したのも、本音は…そういうことですわね。私達部員は、きっと妥協出来ないでしょうし、練習時間を考えますと、学苑祭に間に合わないことでしょう。
ですから、回避したくて、手っ取り早く他の案を出しましたのよ。結果的にいい案だと認められましたので、本当は恥ずかしいのですけれど、ホッとは…しておりますのよ。
どのクラスも、時間が無限でしたら行きたいですわね?…楽しそうなイベントばかりなんですもの。『お化け屋敷』以外は…なのですが。百歩譲ったとしまして、どうしても夕月から行きたいとお願いされれば、行ってもいいとは思いますが…。
でも…行かなくて済むならば、行かないで済むように、全力で阻止したい…わ。
肝心の映像部のお芝居ですが、午前の部と午後の部の2回、上演を行うことになっている。それが3日続くのでして。私達生徒が、比較的時間がある日は、1日目ぐらいでしょうね。2日目と3日目は、来客の対応で忙しくなりますし、あまり回れない生徒も多くなるでしょうね?…それも考慮して、3日間は、他の日と同じ演目をすることになりましたわ。
午前の部は、千明君と箕村君達が、午後の部は、夕月と私とイケメン3人が、其々演じることになっていまして。お話の内容は、午前と午後では異なりますが。
但し、3日間は同じ演目をしますので、暇な日に見ればいいのです。外部の人達ならば、来られた当日にしか見れないかもしれませんが、学園の生徒ならば、他の日でも見れますもの。
兎にも角にも、授業後は、なるべく学苑祭の準備をする為に居残り、その後に部活にも顔を出してと、生徒達殆どが忙しく過ごしている。学苑祭を楽しみにしながらも、頑張っているのでして。かく言う私も、一刻も早く夕月と一緒に回りたいと、楽しみにして待っていたのです。
それなのに…あのようなことになるとは、夢にも思っておりませんでした…のに。
学苑祭(=文化祭)の準備編のお話part2です。
取り敢えず、1年生の出し物だけは、全て決めてみました。8クラス分を決めるのは、中々難しかったです。公立の高校では出来そうで出来ないような、そういう出し物もチラッと入れてみました。
Hクラスのみ、脇役キャラも誰も…いなかった。…どこか、哀愁漂う…H組。




