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君の騎士 ~君を守るために~  作者: 無乃海
第一幕 名栄森学苑1年生編【3部 秋の巻 編】
97/201

86話 学苑祭の出し物

 体育祭の次の行事は、…ということで、文化祭ですよね?

高等部は、学苑祭(学園祭)としました。


いつも通り、未香子視点となります。


 体育祭がやっと終了したと思ったら、今度はもう、学苑祭に向けての話し合いをすることになる。私も体育祭とは違って、学苑祭は非常に楽しみである。

中等部の時には文化祭があり、大きめの発表会の延長のようなもので、大したものではなかった。但し、演劇部だけは、上演会を開いていたけれど。とは言っても、来客としては、保護者(祖父母までならOK)と高等部の生徒だけであるが。


高等部でも流石に、全く関係のない他校の生徒などは、不許可ではあるけれども、生徒の関係者、例えば婚約者や親戚の子供(未成年)、また来年以降に受験する目的がある小中学生の生徒などは、例外で許可されている。(中等部では、兄弟姉妹であっても、他校の生徒自体が許可されていない。)

その代わり、事前に申請する必要があり、当日は、その申請で降りた()()()()()()()名札を、持参すればOK、ということになっている。


中等部同様、保護者(祖父母も含む)と生徒の親戚(大人のみ)、また中等部の生徒は、文句なしに来客として許可されている。中等部の文化祭と、高等部の学苑祭では違う日に行う為、基本的に行事が被ることもない。授業も、中等部の文化祭当日は、高等部も休日扱いとなり、逆に…高等部の学苑祭当日は、中等部も休日扱いとなっている。


私達も去年の学苑祭は、来年ここに通うということもあった為、学苑祭の見学に来ている。ですから、どういう雰囲気なのかは、一応知っているつもりではあった。

それでも、学苑祭をする側になるのは、当然初めてのことですので、学苑祭の出し物を決めるだけでも、ワクワクしている。そして、今からその出し物について、決めることになっていた。


 「何か、いい案は、ありますでしょうか?」

 「はい!…私は、北岡君と九条さんが、私達Aクラスに()られるのですから、お芝居が良いと思います。」

 「はい!…僕は、メイド喫茶みたいなものが、良いと思います。」

 「はい!…それなら、執事喫茶の方が、お客様には人気があると思います。」


…う~ん。クラスの皆さんは、特に女子は…何だか、北岡君という存在を、意識し過ぎていませんか?…ただ単に、私達2人が出場するお芝居ならば、我が映像部で見れますよ?…Aクラスで上演するメリットが、ありませんわね。

男子生徒は、女子のメイド姿を、単に見たいだけじゃないですよね?…それに私達お嬢様クラスでは、()()()()()…ではないですか?…女子生徒からは、執事喫茶が上がりましたけれど、これも…夕月(ゆづ)が…と、期待している雰囲気ですわね?

何だか、在り来たりな意見しか、出ていない感じですね。もっと、()()()()()()()()出し物は、ないのでしょうか?


こういう場合、(いく)さんでしたら…きっと、漫画などのキャラクターを演じてほしいとか、言い出されるのではないかしら?…ん?…そうですわ。案外と良い案かもしれませんね。自分とは違うキャラに、()()()()()()()()というのも、存外に面白いかも知れませんわ。…駄目元で、提案して見ましょうか?


 「はい!…発言よろしいでしょうか?」

 「はい、九条さん。どうぞ。」

 「実は、Eクラスの佐久間さんが、私達のことをいつも、漫画とかアニメのキャラクターに捉えて来られるのです。ですから、自分が1番似ていると思う、そういうキャラクターに成り切って、そういう人物が接待するお店、という案は…どうでしょうか?…似ておりましたら別に、漫画等とか関係なく、何のキャラクターでも良い、という制限なしに致しまして……。」


私が出した提案に、Aクラスの生徒達は皆、お隣同士もしくは前後同士で、キョトンとしたお顔を見合わせている。郁さんのクラスなら兎も角も、このAクラスでは受け入れなかったのかしら?…ところが、女子生徒も男子生徒も、顔つきが変わり始めて、「面白そうですね?」とか「いいんじゃない?」とかの声が、徐々に上がり始めた。どうやら…受け入れられたようでして。……ほっ。


 「では、皆さん。九条さんの意見に賛成の方は、挙手をお願いします。」


驚いたことに、クラスのほぼ全員が、手を上げてくれているようですわ。

…よかった。受け入れられて。クラスメイトの皆さんも、()()()()()()というものになってみたい、と思ってくれたでしょうね?…私も一度くらいならば、そういうものになってみたかったのです。自分以外の者になるというのは、勇気が要ることですが、こういう時ならばこそ、皆でやれば怖くない…ですわね?


 「それでは、『キャラクターに成り切ったお店』で、決定致しました。今後に、もう少し詳しく、具体的な内容を詰めていきたいと思います。それまでに、皆さんも詳しい案を考えて来てくださいますよう、お願いします。」






     ****************************






 その日からほぼ毎日のように、授業後の僅かな時間を割いては、学苑祭の出し物を決める日々であった。この間は、何処のクラスも内密にしている為、出し物が被る場合もあったりする。早く決まったクラスから認められることになり、後で被ったクラスが、()()()()()()()されることになりますのよ。要するに、一刻も早く決定させて、生徒会に認めてもらう必要があるのですわ。


成り切る必要のあるキャラは、自分がなりたいと思うキャラではなく、他者が似ていると判断した、誰もが似たと思うキャラにしよう、ということに決まっている。ですから取り敢えずは、何のキャラとかにするかは後にしまして、お店の内容の方を決めている。しかし、男女で意見が食い違っていた。男子は軽食にしようと言い出しまして、女子はケーキなどのデザートにしたい、と言っております。

…皆さん、何か…忘れておりませんか?…軽食もケーキも、私達が作ることになりますのよ?…()()()()()()()、どこかで買った物では、認められないのですよ?


やっと皆さん、自分達の状況を正しく理解され、簡単なお菓子になりました。

クッキーぐらいでしたら、何とか作れそうということで。お菓子作りが得意な夕月(ゆづ)が、クラス全員に教えることになりましたの。ジュース等の飲み物は、ミキサーとかで作れそうなものを、ピックアップしましたのよ。これで飲み物は、フルーツを絞ったジュースと、コーヒーと紅茶はインスタントで。この程度でしたら、私達でも何とかなりますわね?


ある程度纏まりましたので、学級委員が早速、生徒会に報告に行きます。

まだ決定していないクラスも多いようでして、即刻許可が下りたみたいで。

…ふう。よかったですわ。これで…あとは、肝心のキャラ決めですものね?

結果から言いますと、こちらも意外と難航しましたのよ。


何せ、漫画やアニメをあまり知らない生徒も多く、歴史上の人物とかも出て来たくらいですから。まあ、何でもアリとしたので、後はどのくらい似ているかどうか、と言ったところでしょう。歴史上の人物は、微妙ですわね…。

試行錯誤の結果、歴史上の人物は取りやめになりました。似ているかどうかが、素人判断しか出来ませんので。漫画・アニメの他には、小説・ドラマなども幅広く参考とし、各自似た人物を只管探しては、何とか全員のキャラが決定したのです。


夕月(ゆづ)は当然として、郁さんがよく語っている『麻琴(まこと)』に、私の場合も、郁さんが似ていると話されていた、『(みやび)』になることに決まって。この漫画を知っているという女子生徒に、確認の為に訊いてみましたところ、「そう言えば…お2人とも、何となく…よく似ておいでですよね~。」と。後日、他の生徒達も、あの本を読んでみたそうでして、「本当に似ていましたわ~。」と、太鼓判を押されましたわ。


後は、どれだけ本物のキャラに、似せるかですよね?Aクラスには残念ながら、被服部の生徒がおりませんので、Aクラス学級委員(男子・女子の2名)と夕月(ゆづ)と私の4人で、被服部の部室に相談に行きまして。すると…部員の皆さんが、何故だか物凄く乗り気になられて、「()()()()()作らせて下さい!」と、向こうから協力をお願いされたのです。…う~ん。…まあ、折角の申し出ですから、お願いされましたが。嫌な予感も…若干致します…わね。


学苑祭には、被服部も参加することになるので、私達の衣装を作っている余裕はないのでは?…そう伺いますと、過去に映像部に提供した衣装の見本用があり、それを衣装部の歴史として展示するだけ、ということで。「安心して任せてね。」と、被服部の伊阪(いさか)部長の談である。流石に、赤羽根(あかばね)部長と渡り合うだけのお人、ですわね?…伊阪部長も、割と強かな人のようです…。


これは…後で知ったのですが。被服部は…何と、あの見本の衣装を試着出来る、という催しであるようで。勿論、有料のプランとして。衣装体験と銘打って。

然も、私達が舞台で()()()()()()と同じ物、として売り込むみたいでして。

まあ、ある意味…間違っていませんし…。…う~ん。伊阪部長も、赤羽根部長と良い勝負をされてます。一癖あるお方かと。


伊阪部長は外部生なのですが。被服部の部員も全員、外部生なのですが。

この学苑って、どうして…こうも()()()()()()達ばかりが、集まって来るのでしょうね?……本当に。

 体育祭が終わったので、学苑祭の準備に入りました。

暫く、学苑祭に因んだ内容のお話となる予定です。


まずは、出し物決めからという話ですが、よくあるお話でもあるので、少し捻って

色んなキャラが接待するカフェにしてみました。

要は、漫画やアニメや小説の実写版みたいな感じでしょうか?

自分で似ていると思っているキャラとか、自分が好きなキャラには、なれません。

飽く迄、他者が見て似ていると思うキャラ限定です。


さて、Aクラスはこれで決定しましたが、他のクラスは、何をするか決まったのでしょうか?

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