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君の騎士 ~君を守るために~  作者: 無乃海
第一幕 名栄森学苑1年生編【3部 秋の巻 編】
95/200

84話 話し合い

 いつも通りの未香子視点です。


前回の続きとなり、萌々花のお気に入りの軽食店へ、行った後のお話です。

未香子と萌々花の再度対決?…とも思われましたが…。

 「まあまあ。紹介してくれて、ありがとう。小母(おば)さんも、あなた達みたいな若い子に、気に入ってもらえて嬉しいわ。今日はお店が混んでいないからね、ゆっくりして行って頂戴ね。」


私達が注文した後、このお店のおかみさんは、ゆっくりとし穏やかな口調で話し、厨房へ戻って行く。暫く私達は、()()萌々花(ももか)さんが雑談をしていた。萌々花さんは、このお店の常連客だそうで、昔からよく来ているとのことだった。彼女は嬉々として、このお店のことを話してくれている。とても…機嫌が良いようなのです。


そうしているうちに、注文したケーキと飲み物が運ばれて来た。運んで来たのは、お店のおかみさんではなく、私達よりは年上の若い女性であった。萌々花さんが言うには、この店のバイトの女性らしく。明るくハキハキとした人だなぁ、と思いながらボ~としていますと、萌々花さんがコホンと、(わざ)と咳をして。


 「九条(くじょう)さん!…昨日は、ごめんなさい!私…言い過ぎたよね?…私も…パニックになってたみたいで、とんでもない事を言っちゃったって、後で…気が付いたの。ナルちゃんにも、呆れられちゃったんだ。萌々ちゃんがケンカ売ったんだよ、って言われたの。冷静になったら、私もそうだった…と気が付いて。ホントは朝謝ろうと思ったんだけど、2人共今日は早かったでしょ?…だから、言いそびれたけど、結果的にはこの方が良かったよね?…私、考えたら即行動するタイプで。…ごめんね?…北岡君にも…超迷惑掛けたし。2人共…ホントに、ごめんなさい!」

 「ふっ。本当に、萌々は短絡的なタイプだね?…もう少し、よく考えてから行動しないと、周りの皆を傷つけてしまうよ?…本当のことでも、()()()()()()()()()()もあるんだからね。」

 「やっぱり、そうだよね?…私、九条さんを傷つけたよね?…どうしよう?」

 「いや、大丈夫だから、落ち着いて。萌々が落ち着いてくれないと、未香子(みかこ)も話しづらいから。…そうだよね?」

 「…ええ。私も…(すが)さんに、謝りたいと思いますわ。私も…()()()から、色々とモヤモヤしていたのですわ。ですから、言い過ぎましたの。ごめんなさい…。」

 「…え~と、あれは、私が悪いんだよ。九条さんは、謝らなくても良いのよ?」

 「でも…私も、明らかに言い過ぎましたわ。ただ、私と夕月(ゆづ)()()()()に関しましては、今後も口出し等は…()()()()()、しないでくださいませ。」


萌々花さんが唐突に、物凄い剣幕で謝罪を捲し立てる。内容は謝ってくれているのですが、まるで…呪文みたいです。…まあ、それだけ悩んでくれたのでしょうね。本当に猪突猛進な人ですわ。夕月(ゆづ)は、彼女の様子にクスッと笑って、萌々花さんを宥めている。夕月(ゆづ)が私に話を振ってくれたので、それまで呆然と様子を見ていた私は、自分の気持ちをきちんと伝えることが出来ましたわ。また揉め事にしたくないので、私達の約束事には目を瞑ってほしい、という意味を含めた言葉を口にする。夕月(ゆづ)も…私と同じ気持ちだと思う。私が…そうお話しますと、萌々花さんは、私と夕月(ゆづ)の顔を見比べるようにして見つめた後、今度は…落ち着いた雰囲気で、口調も遅くして話し出す。


 「実は…2人の約束は、私はもっと単純な事だと思っていたんだよ。でも…北岡君が昨日、同じような事を言ったでしょ?…ナルちゃんがね、『2人の約束事は、内部生の中では超有名らしいよ。約束の内容は、誰も知らないみたい。でも、絶対に2人の約束を()()()()()()()()って、聞いたよ?』って、教えてくれたの。そんなに…大事な約束だったなんて、知らないとは言え、私…酷いことを言った、と思うの。もう…絶対に言わない。だから…許してもらえる?」

 「…ええ。そう言うことでしたら。あの…私も…許してもらえるかしら?」

 「…えっ?…勿論だよ!私の方が悪いんだもん。()っくに許しているよ!」

 「よかったね、未香子。これで…仲直り出来たね。」


萌々花さんは、全く何も知らなかったのね?…鳴美(なるみ)さんも同じ外部生の筈なのに、誰かにお話を聞いていたようで、彼女に諭してくれたのね?…鳴美さんって、同じ年とは思えないぐらい、しっかりしている人だったのね?…道理で、(いく)さんを言い聞かせられる筈ですわ。3人の中では、1番の纏め役ですわね(笑)?


私達はお互いを許し合い、これでやっと全て解決した、と思った途端…。

萌々花さんが…また()()()|と《・ を言い出して…。油断して…いましたわ……。






   ****************************






 「これでもう…私達3人は、()()()だよね?…これからは…『未香子さん』って呼んでいいかな?…本当は、ずっとそう呼んでみたかったんだよ。…実は…私、心の中では…ずっとそう呼んでたのよね~。」


…はい?!…何ですって?…この唐突な呼び名発言は。確かに…私も心の中では、『萌々花さん』呼びしておりますわよ?…ですが…何故…今、そのお話なの…?

それに…私自体は、お友達にならない、と伝えた筈なのですが…。

萌々花さんの耳、大丈夫?…マイペース過ぎて…私が付いて行けません……。

私が唖然としたまま固まっていますと、夕月(ゆづ)は苦笑しながらも、私の代わりに話しをつけてくれる。


 「萌々、悪いんだけど、未香子が困惑して固まっている。そういうことは、()()()()()()()()()()くれないかな?…彼女は、萌々みたいには簡単に、何でも割り切れないんだよ。」

 「…えっ?それって…、私、嫌われちゃった…ということ?」


夕月(ゆづ)が取り成してくれようとしましたのに、萌々花さんはまた暴走し掛けている。どうしてそう…偏った考えになるのかしら?…友達になれない(イコール)嫌い、ではないというのに。昨日、お友達になれない理由を、きちんとお話しましたのに。

あなたと私はライバルなのに、()()()()()()出来ると思っているのかしら?

子犬のようにシュンと落ち込んでおられますが、これでは…私が悪いみたいよ…。


 「私が昨日、お話したことは憶えていますか?…あなたと私は…ライバルと言いう意味で、無理なのだとお話しした筈ですわ。私には…そう簡単に、割り切れる問題ではないのです。」

 「未香子さんの気持ちは、私も分かっているよ。でも、それって、寂しいよね。

私は…北岡君と仲良くなりたい、と思ったのとほぼ同時に、未香子さんとも仲良くなりたいって、ずっと思っていたんだよ。ただ…その切っ掛けが、中々出来なかったけど。未香子さんがあの時頼ってくれて、嬉しかったんだあ。だから…きっと私は、未香子さんとはライバルでも友達になれる、って思ったんだよ。それでも…どうしても、ダメなのかな?」


私の言葉に、萌々花さんの態度がガラッと変わり、どこか空気が読めない雰囲気から、真剣そのものの雰囲気になって。…ああ、そうなのですね。この人は…ライバルとか、何も関係なく受け入れられる人なのですわ。私と違って。お友達になりたいと思えば、一直線に。例えライバルになったとしましても、第一に友情を大切にする人なのでしょう。萌々花さんみたいな人は、初めてです。納得した今も…私には、どうしたらいいのか、よく分からないのですのよ…。


 「でしたら…私は私で、自分の意思を貫き通しますわよ。あなたは…あなたで、もう勝手にして下さいませ。()()()()…私も妥協…出来兼ねますわ。」

 「…!…(これは了承なんだよね?)。…うん!…勝手にするからね!」


私には、そういう風にしか応えられない。それでも、萌々花さんには通じたらしいですわ。嬉しそうに…にやにや笑いながら、元気の良い返答が返って来る。

それほど…嬉しいことなのかしら?


 「…ふふふっ。今回は…未香子の負けだね?…萌々は、案外押しが強いよね?」


夕月(ゆづ)がクツクツ笑いながら、独り言のように話す。夕月(ゆづ)には…全部見透かされています…。萌々花さんには、誰も…叶いませんわよ。ライバルでも関係ない、なんて言われてしまえば、怖いもの無しですわよ…。


 「今まで出来たお友達の中には、未香子さんみたいなお嬢様タイプはいなくて、嬉しいなあ~。未香子さん!これから、よろしくお願いします!」

 「…ええ。まあ…宜しくしないでも…ないわよ。…萌々花さん。」

 「 …!…。… ええっ!…未香子さんが!…私のことを…『萌々花さん』って、呼んでくれた?!…嬉しい!これって…お友達に一歩近づいたのよね?!」

 「………。」


改めて、お友達としてよろしくと、萌々花さんが頭をペコリと下げて来る。

私も…仕方なく、顎を逸らすようにしてツンケンして言うのが、実は精いっぱいの抵抗であった。それなのに…萌々花さんは、私の態度に怒るどころか、飛び上がらんばかりの喜びようでして。私の方が…居た堪れない。私の横で顔を少し俯いて、口元を手で覆うようにして、声を立てずに笑っている…夕月(ゆづ)。…他人事だと思っているのでしょう?…もう!


 「ねえ…萌々?…()()()()()、友達とは…言ってくれないの?」

 「…!…。も…勿論、お友達だよ!…北岡君も…友達だと、思ってくれる…?」

 「うん。そうだね。もう、友達だよ。よろしくね、萌々。」

 「は…はい!こちらこそ!…よろしくね!」


私が夕月(ゆづ)を睨んでいると、今度は自分は友達扱いされていないと、悲しそうな…寂しそうな素振りを見せ、萌々花さんを誘惑する夕月(ゆづ)。当然彼女は、そんな顔で見つめられ、慌てたように真っ赤になって、必死な様子であり。夕月(ゆづ)に恋する彼女は、本来ならば…ここは、「お友達よりも恋人になって。」と、お願いする場面でしょうに。……良いのでしょうか?…彼女は…天然系の人なのでしょうね…。

夕月(ゆづ)にお友達と言われても、彼女は…物凄く嬉しそうで。唯の…お友達ですよ?

()()()()()()…のですよ?…本当に…それで満足出来ますの?…まあ、私としましては、その方が都合が良いけれど。ちょっと残念な部分があるから、私も…彼女のことを、心底嫌いになれないみたいです。


夕月(ゆづ)は…罪づくりな人ですね?…あの顔は、態と…ですわよね?

下から目線の長し目で、色気も…ダダ漏れでしたもの。あの瞳で見つめられれば、確かに…()()()()()でも良い、と思ってしまっても…おかしくない…?!

 内容的には、体育祭の翌日のお話ですね。


未香子と萌々花に夕月も加わり、愈々話し合いが始まりましたが、萌々花は未香子と仲良くなるのを、まだ諦めていませんでしたという、オチですね…。

結局、3人が友達になるという話で、纏まったようですね。

萌々花はやっと恋心を自覚しましたから、これから皆の恋模様がより複雑になりそうです。


※一応、普通の男女恋愛を目指しています。これがどう変わっていくのか、その過程をお楽しみにいただけたら、と思っています。主人公達を温かい目で、見守ってくださいますよう、改めてお願い致します。

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