36話 新入部員の思惑2 ~郁~
筆者も知らないうちに入部していた『郁』のお話です。前半・後半共に、郁視点となります。郁が入部した切っ掛けを、書いてみました。
読みにくいと思いますが、すみません…。
※現在、見直しの為、数日に掛けて改稿しておりましたが、一応は終了致しました。
今後、また改稿することもあるかと思いますが、よろしくお願いします。
私は、どの部活に入部するのか、正直迷っていた。だって、学苑には、漫画とか小説とかに関する部活がないんだもん!まあ、私が通っていた女子校にも、なかったんだけどさぁ。(高等部もないよぉ。)
高校にあるとか聞いたことがないし~。漫研とかって、大学だもんねぇ。
図書委員なら、やっても良かったんだけどなぁ。図書室の貸出や返却の作業全般は、図書委員の仕事だからね。委員か部活のどちらかなんて、まだ入学したばかりで、そんなこと知らなかったのよぉ。だから、委員にも立候補しなかったんだよねぇ。今更後悔してるわぁ~。
兎に角、読書関係の部活もないので、入りたいと思う部がないんだよねぇ。
こんなことなら、「委員なんてめんどくさいなあ。」なんて言ってないで、立候補しておけばよかったぁ。
委員が強制じゃないと知って、図書委員よりも本借りる人の方がいいし、部活に入ればいいなんて思ってしまったよぉ。
どちらかに、絶対入らなければいけない訳ではなさそう。でも、それだと就職時にかなり不利になるらしいし~。
内申点というか、内申に追加される評価が悪くなるそうで、就職だけでなく受験も不利になる場合があるそうで~。ううっ、どうしよう~!
「ねえ~、萌々ちゃん、ナルちゃん。2人とも、部活決めたぁ?」
「うん、私は中学から陸上部員だったから、高校でも陸上部に入部するつもり。」
「う~ん、私は、見学で色々見てからね。手芸部と合唱部と美術部で、迷っているのよね。」
そうなんだ。萌々ちゃんは陸上部だったって、この前話していたしねぇ。ナルちゃんも、いいと思う部活あったんだぁ。いいなあ~。
2人と一緒の部活に入部しようかな、って思ったんだけどなあ。私、運動は苦手なんだよねぇ。家庭科も音楽も美術も、それほど得意じゃないしなあ~。
入部したいほど興味ないのよねぇ。
「郁ちゃんは、どこの部に入るか決めたの?」
「それがねえ、入りたいと思う部がないのよねぇ。」
「えっ!そうなの?私は、てっきり手芸部に入部する気かと、思ってたんだけどなあ。違うの?」
えっ!ナルちゃん、それ、どういうこと?何で、私が手芸部入部すると思うのぉ?私、家庭科得意アピールでもしたっけ~?
意味が全く分からないので、ナルちゃんにどうしてそう思ったのか聞いてみる。
すると、ナルちゃんからは、意外な答えが返って来たのよぉ。
「えっ、郁ちゃん知らないの?私、てっきり知っているとばかり、思っていたのに…。知らなかったんだね…。」
「えっ、どういう意味よぉ?」
「手芸部の活動がね、ほぼ映像部の衣装作りなんだってさ。だから、好きな役柄の衣装を任されるんだって、聞いてるよ。」
「「ええっ‼何それ!」」
超ビックリしたよ。映像部の衣装作りなんてぇ!しかも、好きなキャラの衣装作れるのぉ?だったら、北岡君の衣装も?なんて、美味しいのぉ!
私だけでなく、萌々ちゃんもかなり驚いていたよ。そりゃ、そうだ。この前の公演のあの衣装も、手芸部の作品という事なのかなぁ?
素人で、しかも部活の生徒の作品だなんて、絶対思わないもんねぇ。
でも~私、家庭科も音楽も美術も体育も、ペーパーテストで成績保っているんだよねぇ。実技は微妙…。
だから、私が手芸部に入部しても、真面な作品が出来るとは思えないんだよねぇ。
一応私も、裕福な家庭の育ちなんですよぉ。料理とかミシンとか出来なくても、この先も困らないんだよねぇ。
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「あなたが『佐久間 郁』さん?部活は、もう決まったかしら?」
「いえ、まだですけど…?」
4月のある日、突然声を掛けて来た人がいた。
振り返ると、特別な美人という感じではないけど、意志の強そうな目元をした、印象がキツメのやや美人な感じの人が、腕を組んで仁王立ちしている。
思わず、後退りしながら答えて。全く見かけた事がない人だけど、どうやら上級生のようだわぁ。もしかして、知らない間に、何か怒らせてしまったのかなぁ?
私が後退りした分、目の前の彼女は、鬼気迫る勢いで詰め寄って来たのぉ!
うわあ~!何っ!何なの、この人!怖いんですけど!
しかし、私の事情など気にしている様子もなく、目の前まで来ると、ガシッと両肩を掴まれた。ひっ!やだ、顔、超怖!
「良かったわ!あなた、じゃなくて、え~と郁さん、映像部でシナリオ書いてみたい、と思わない?」
「はいぃ??」
目の前の人の表情とセリフが一致してないよぉ。こんな怖そうな怒っているみたいな表情で、変なことを言わないで欲しい…。
変なこと?へっ?映像部でシナリオ?内容がよく呑み込めず、目が丸くなる。頭の中では、シナリオという言葉がグルグル回っていた。
「そうよ。郁さん、あなたならきっと出来るわ。私は、そういう人の才能を見つけるのが、得意なの。間違いないわ!」
「??………?」
流石の私もこの時ばかりは、オーバーヒート気味だったよ~。何が何だかよく分からないけど、何だかよく分からない人だなぁ。
結局、私の頭がフルで働かないうちに、「兎に角、見学に行きましょう。」と、この先輩に部室まで、拉致されるが如く、連れていかれてしまったのよぉ。
「…姉さん、また犠牲者を連れて来たの?はあ…。まあ、いいけどさ。ちゃんと自分の名前ぐらいは、名乗ったの?」
「あっ!名乗るの、すっかり忘れてたわ。あはははっ。」
え~と、突っ込みどころ満載なんですが。まず、犠牲者って、私のことですか~?いいけどって、何がいいんでしょうかね~?
名前?…名乗られてませんねぇ。行き成りシナリオ書いて、って感じでしたよぉ。部活に入って、とさえ言われてないような気が…。
この姉弟?私も、自分で変なやつだとは思っているけど…。私と同類?というか、私より変わり者なのでは?
「私は、3年生の『赤羽根 翔子』よ。ここは映像部の部室。私はこの部の部長で、役割は総監督なの。」
「俺はこの人の弟で、2年生の『赤羽根 諒』だよ。映像部の部員で、助監督というか現場監督というか、そういう係をしているんだ。」
私の頭は今、パニック状態だった。映像部って、北岡君が所属する部だよねぇ?
何で私、ここにいるの~?
お芝居なんて、学校の発表会の裏方ぐらいしか経験ないし、大勢の人の前でセリフを言うなんて、絶対無理、無理ぃ~!
そりゃあ、北岡君の稽古風景とか見られるなんて、夢みたいだと思うんですが~。
てか~、一度くらい見たい気がするぅ。
私が無理だと断る前に、部長さんが「ツカちゃん、連れて来たわよ。」と誰かを呼んだのよぉ。それに応えるように、1人の女子が小走りで駆け寄って来る。
何と無く、小動物をイメージするような人だなぁ。ナルちゃんもそんな感じだけど、また彼女とは全然違う感じで。彼女がリスだとしたら、この人は、ハリネズミかハムスターという感じかもぉ?
「本当ですか?よかった。脚本を書く人が居なくなれば、お芝居の質も落ちてしまいますから。映像部になったのに、勿体ないです。」
「そうね。きちんとした台本がなければ、この映像部にした意味がなくなるわ。その為にも、脚本係の後継者が必要なのよ。」
部長さんと後から来た先輩が、私がもう引き受けた前提で、話を進めているような…。え~と。あのう、私、何も詳しくお話聞いてませんよ~。入部するともシナリオ書くとも、返答すらしていませんが~?
部長の弟さんも、呆れた顔をしているような…?いや、弟さんは、まだ真面な人なのかもねぇ。後から来た先輩も、かなり変わった人かもしれないなぁ。
ハムちゃん(と勝手に名付けた)先輩が、やっと私に気が付いたよ~。「あっ、この人が!」って言われたのよねぇ。いや、やっと気が付いたのですかぁ?
でも誰も突っ込まないなぁ。え~と、もしかして、これが日常風景なのでは~?
「私は、2年生の『塚谷 星』と言います。この部の脚本係を担当しています。
あなたが『郁』さんですね。話は聞いていますよ。何でも漫画とかアニメとかのキャラを、熱く語っているって。それなら、郁さんは、自分で新しいキャラを作って、そのキャラを思うように動かしたくないですか?勿論、漫画やアニメなどのキャラ以外で、ですよ。」
私は頭が真っ白になってしまう。キャラを作るとか動かすとか、そんな事初めて言われた…。一瞬、面白いかもと思ってしまって…。
でも、そんなに甘くないよねぇ。脚本どころか物語さえ、書いたことも考えたこともないのよ~。私が返事に困っていると、ハムちゃん先輩こと塚谷先輩は、にっこり笑い掛けてくれた。
あっ、塚谷先輩の笑顔、凄く可愛いなあ~。
「今は少しでも、台本に興味を持ってもらえたら、十分ですよ。これから私が一から教えますから、私と一緒に脚本の勉強を致しませんか?これでも私、父が脚本家なので、一通り脚本の書き方とか教えてもらっているのですよ。」
「えっ!もしかして…。テレビドラマとかで脚本されている『塚谷 晴巳』が、お父さんとか?」
「ええっ‼ 父のこと、知っているのですか?素人の方は、あまり知らないと思ってましたが…?」
「わあっ!そうなんですか!私、実はドラマも好きな作品があって、それが偶々、塚谷さんが脚本書いてたドラマでした!それで、初めて知ったんですよぉ。」
超ビックリしたわ~。他の脚本家なんて全く知らないのに。偶々知っていた脚本家の娘さんが、目の前に居るなんて。それだけで、テンションが上がっちゃう。
そんな人から脚本の書き方を一から学べるなんて、こんな機会はもうないよ~。
あのドラマだけは別格で、大好きだったわぁ。いつもなら、漫画やアニメばかりだったのに~。別に、漫画の実写版とかじゃないよぉ。
自分も、あんなドラマが作れるかもしれない。そう思ったら、自分でも気が付かないうちに、「よろしくお願いします。」と言ってしまったのぉ。
あ~あ、入部しちゃったわぁ。
「「「こちらこそ、よろしく。我が映像部へ、ようこそ!」」」
今回は、『郁』視点のお話です。部活に入部した経緯が、この話で分かります。
いつもの郁と違い、突っ込み担当をしています。意外な一面が見られるです。
『郁』は、ウザい言葉は健在ですが、『赤羽根部長』と『『ツカちゃん』の強烈アタックで、只管狼狽えています。
まあ、仕方ないですね。映像部は、風変わりな人の集まりですからね。他の部とは違い、赤羽根部長が見つけて来るので、特殊な人ばかりなんです。
他の部員に比べると、前回の『千明』といい、扱いが長くなっています。(今のところ、赤羽根部長が1番長いです。)
※ツカちゃんの父親のフルネームが登場していますが、父親が登場する予定は、今のところありません。会話での都合上、急遽名前を作りました。ただそれだけです。




