18話 球技大会 その2
お待たせ致しました。前回の続きとなっています。
今回、この投稿前に、初めて活動報告なるものを、発信しました。
詳しい内容は、活動報告をご覧ください。よろしくお願いします。
※現在、見直しの為、改稿しております。当初より850文字程度を追加しております。内容も分かりやすくなるように、心掛けました。
改めて、よろしくお願い致します。
本日は1日、球技大会が行われるので、通常授業はお休みである。お昼休憩を挟んで、また試合再開となる。さあ、今のうちに作戦会議をしましょうか?
私達のチームは、夕月がチームのリーダーである。そして、夕月が、主に作戦を考えてくれている。
鷹野君が、やけにサッカーの試合ばかり出ているみたいね。そう思っていたら、うちのクラスのバレーチームは、疾っくの昔に負けていたようである。
相手チームには、バレー部員が居なかったものの、対戦相手は部が悪かった ようですわね。呆気なく負けてしまったらしいの。
詳しく話を聞いて分かったことは。どうやら対戦相手はB組のチームで、飛野君が出場していたそうである。その話を聞いて、なるほど、と納得してしまう。
飛野君ならば、バレーボール時の跳躍力は半端ないのだから。B組の場合は、これは他を捨てたということね?
B組のように、1つの競技に絞って、強いチームを作るクラスは意外と多い。
3競技とも優勝するわけがないのだから、どれか1つに絞って勝利を目指すのだ。
つまり、他の競技は、最初から捨てていることとなる。内部生のクラスでは、よく使う手でもある。外部生のクラスは、初めての経験であるから、全ての競技にきっと全力で取り組んでいるだろう。
我がAクラスは、どちらかというと、当初からバスケとサッカー2競技に、絞り込んではいた。サッカーは、鷹野君が割と得意だと言う話であったので。最終的にはどちらか分がある方に、賭けるつもりで。流石に、私達も2競技とも優勝できるとは、思っていない。…バレーボールは、負けるのが前提だったのよ。
今のところ、バスケとサッカー両方が勝ち残っている。バスケは、今現在対戦しているこの試合、C組との対戦試合が、学年別では最終試合となる。やはり強敵は、C組のようである。特に、アコたんの活躍が凄い!そして、古河君も同様である。2人の連携プレーが強過ぎる。
C組は、このバスケに全て賭けていると見た。夕月が漸くゴールを決めても、すぐにアコたん達も点を取り返しに来て。皆、必死に相手チームにパスさせないよう、徹底的にマークをして阻止しているのだけれど。
それは、C組も同じ条件であり、中々の接戦状態である。どちらかのチームが、終了までに1回でもシュートに成功すれば、どう転ぶか分からない状態なのである。今は、それ程の僅差しかない。
夕月も完璧にマークされており、なかなか相手の隙をつく動きが出来そうにない。
相手チームがドリブルしていたボールが、我がチームのパスの阻止で、偶々というか偶然というか、私の所に飛んで来た。私の心臓は、早鐘のようにドキドキしたけれど、何時ものように、投げたいと思う方とは違う方向へ、何とかボールを投げ飛ばす。少しでも遠くへ飛びますようにと、祈りながら。
必殺技として飛んでいく筈の本来の位置とは、ちょっと思ったよりも外してしまったみたい。私が狙った場所には、夕月が居る。夕月なら、絶対に取ってくれる。
外したと思った時は、青ざめたけれど、夕月は予測してくれていたようで。
見事、無事キャッチしてくれていた。
そして、そこからロングシュート!間に合って!決まったの!?
その時、ピーと笛が鳴る。試合終了の合図であった。シュートが決まったのと、ほぼ同じぐらいだったと思うわ。周りの歓声が、一気に大きくなった。「北岡君のチームが勝ったわ!」と、クラスに関係なく見学していた女子が、きゃあきゃあ騒いでいる。う~ん、自分のクラスは応援していないの?
「やった~!学年優勝だ ‼」
「やったぜ!これで2・3年の代表と、対戦出来る!」
周りでは、A組のクラスメイト達が、ハイテンションで大騒ぎしている。飛び上がって喜ぶ者、友人と抱き合って喜ぶ者、私達に駆け寄って来て抱き着いたり、手を握ってブンブン振ったりする者、嬉し泣きしている者、皆様々な喜び方である。
既に、全試合が全滅したクラスもあるようで。その為、今の私達の試合には、見学者が大勢いた。内部生は兎も角、外部生も沢山おり、皆、夕月が目当てで応援していたらしい。夕月が最後にシュートを決めたことに対し、うっとりした様子で見つめている。そして、自分のクラスの如く勝利を喜んでいた。
女子達が騒ぐ傍らで、男子達が複雑そうな顔をして…。
そんな中、夕月は試合が終わると、すぐ移動の準備をしていた。そして私に対して、「先に行く!」と声を一言掛けると、急いで体育館を出て行った。
多分、サッカーの試合に、途中参戦するつもりなのだろう。
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体育館に居たA組のクラスメイトと一緒に、運動場へ移動する。サッカーの方でも、H組との最終試合を行っていた。前半はもう終了していて、後半が始まったばかり。夕月は、後半から途中参加出来たようである。まだ、どちらのチームも、点数はそんなに大差なかった。
一応、うちの組のチームが、リードしているようですが。
このサッカーの試合も、最終試合というのもあり、かなり注目されている。もう殆どの対戦試合が、終了していたから、仕方がないだろう。後は、優勝したチーム同士が、対戦するのみなのだから。見学者の中には、2・3年生と思られる人達も、見に来ているようである。
夕月と鷹野の連携は、とても素晴らしかった。鷹野のパスは的確で、自分が囮で引き付けてから、マークを振り払った夕月にパスをしている。
その頃に気が付いても、既に遅しという感じで、夕月は一気に加速して行き、あっという間にゴールする。向かうところ敵なしの状態である。
対戦している相手チームは、ほとんど対応出来ていなかった。頭脳戦と心理戦を上手く利用して、肉体的にも追い込んでいるのだろう。この2人だからこそ、出来る作戦かもしれない。でも、相手チームも、やられているばかりではない。
H組には、かなりの運動神経の男子生徒が居たのだ。彼1人で、持ち堪えている感じがした。鷹野君の行く手を妨げ、夕月の動きに食らいついていく。
なかなか根性のある人物だと、感心する。しかし、鷹野君も夕月もファインプレーで、彼の上をいく勢いであった。
その時、ピーと笛が鳴り、サッカーの試合も終了となる。少なくとも、夕月が加勢してからは、敵チームが自滅するように負い込んだみたい。夕月達の作戦勝ちですわね。結果として、A組は、サッカーも学年優勝したのよ。夕月の活躍が凄いですわ!流石に、2つの競技で優勝が取れるとは、思いませんでしたもの。
その後は、総合優勝を決めるべく、サッカーとバスケとバレーバールの3試合が一斉に、開始されていた。優勝したチーム同士の対戦である。各学年それぞれの競技で、1チームずつない為、勝ち抜けではなく、3チームの内で何回勝利したかで決まるらしい。3回全勝は勿論、2回勝利で総合優勝である。引き分けはなしなので、延長で先に点を入れた方が勝ちとなる。同時刻から試合が始まり、ここからの対戦は、掛け持ちは絶対に不可能である。
先程同様に、バスケは夕月が出場し、サッカーは鷹野が出場すると言う具合に決まった。経験豊富な2・3年生は、かなり強豪であった。流石の夕月も、パスが簡単には通らず、苦戦を強いられていた。私のパスは対策済みで、私もマークされていて、ボールに触れるのも難しかったぐらいに。結果的には、バスケは、何とかギリギリ総合優勝を勝ち取ったわ。
夕月も徹底的にマークされて、パスするどころか、身動き取れないぐらいに固められていたわ。でも、夕月は予想していたようで、代わりの他のクラスメイトが活躍していた。相手チームの守りが、夕月や私ばかりに集中し過ぎたのが、幸いだったわ。他の部員は、殆どノーマークみたいなものだったのよ。
一度、体勢が崩れると、意外と脆かったのです。まぁ、お陰で戦略勝ちですわね。
夕月は、其処を衝いて心理戦に持ち込んでから、後は頭脳戦にて追い込んでいく。夕月のお得意戦法の1つですわ。夕月って、敵には絶対に回したくない人物なのです…。容赦がなくて、ある意味怖い…。
残念ながら、サッカーのチームは、途中で敗退したようで。最終戦の後半ぐらいしか試合を見学出来なかった。応援していないから分からないけれど、やはり実力差なのだろうか?力一杯頑張って負けたのなら、実力差がある分、仕方がない。
鷹野君も頑張ってくれたようですし、夕月との連携がなくなった分も、割と大きかったようですもの。パスしても次が続かなかったり、ゴールで失敗したりしたようで。鷹野君の言い分では、上級生の迫力に、皆が飲み込まれてしまったらしい。緊張が解れなくて、力んでしまったようなの。残念だわ。
まぁ、ご褒美の権利を1つ貰えたのだから、良しと捉えましょう!
前回の続きなので、新たな登場人物はいませんが、別のクラスの人物なら兎も角、『鷹野』不便なヤツです。
運動部員とは考えましたが、何の部なのか考えるのが面倒なので、今のところ部活名は未定で、出て来ません。
体育祭(運動会)時期になったら、もしかしたらこれ以上の設定も出て来るかも?
次回は5月連休中のお話となり、学苑でのお話はお休みです。プライベートな話の内容となっております。誰のお話かは、お楽しみという事で。




