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君の騎士 ~君を守るために~  作者: 無乃海
第二幕 名栄森学苑2年生編【波乱の幕開け】
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13話 お泊り旅行① 出発

 5月のゴールデンウィーク、連休中のお話です。


学苑外のプライベートな内容となります。

 今は5月の連休中、ゴールデンウィーク真っ最中である。夕月(ゆづき)と未香子が通う名栄森学苑も、今日から連休扱いでお休みとなる。


今年のゴールデンウィークは、未香子の兄・朔斗と夕月の双子の弟・葉月も連休が長くて、ゴールデンウィークに入った当日の夜には、朔斗の運転する車で2人揃って、実家に帰省していた。2人は4月末から帰省しているが、夕月と未香子が5月に入ってから連休となるので、それまでは兄達とは別行動と取っていた。


今年からはお泊りでの外泊が、北城家・九条家の両家によって許可され、夕月の両親からも未香子の両親からも、承諾されることになる。その条件として、4人の中では一番年上で今年成人する朔斗が、保護者として責任を持つということになっていた。要するに彼が大学生となったのを切っ掛けとして、もう大人扱いしても良いだろう…ということだ。そして、今日からこの兄妹・姉弟を含む4人で、初の外泊旅行へと出かける予定になった訳で。


「今年は、何処に行こうか?」という話を、この4人で話している時にふと閃いた朔斗は、今年から泊りがけの旅行が解禁となったので、お泊り旅行も良いかもしれないと、早速旅館に予約を入れたのである。


こうして、ゴールデンウィーク連休中に初めてのお泊り旅行へと、行くこととなった夕月達。当然ながら、未香子はワクワクと楽しみにしているが、常に冷静沈着の夕月も今回は、其れなりに楽しみにしている様子が見られた。そしてそれは女性陣だけではなく、計画をメインで立てた男性陣も、家族と出掛ける旅行とは異なり、楽しみにしている様子であった。


夕月(ゆづ)とのお泊りでの旅行は、初めてでしたわね…。勿論、お兄様と葉月もご一緒なのですけれども、葉月とは去年の日帰り旅行でも、色々と…ございましたし、それ以外の時でも…様々のことがございましたので、変な緊張感が芽生えてしまいそうですわね…。


 「今回は初めて泊りがけの旅行に行くのだから、何処に行くかは、当日までのお楽しみだよ。次回からは今回の旅行を参考に、皆で話し合って決めればいい。」


朔斗が当日まで内緒にすると言うので、夕月と未香子は未だ何処に行くのか、知らされていなかった。但し、葉月は朔斗の計画に協力しているらしく、行き先も知っているようだ。朔斗が妹達に、ガッカリさせる計画を立てる筈もないと、夕月も未香子も()()()()()()()()()()()()()()


去年は4人で、日帰り旅行にお出掛け致しましたけれども、今年は4人でお泊りなんて、気心の知れた者同士ですし、きっと楽しい旅行になりますわね。今回のお泊り旅行では、お兄様は何処に連れて行ってくださるのかしら?


何処に行くのかというような具体的な話は、まだ聞いていないものの、旅館についてはほんの少しだけ、未香子は兄から聞き出すことができた。何でも…両親と泊まるような大きくて有名なホテルではなくて、一般的な家族が利用するような中規模な旅館に、泊まるという話だ。宿泊する部屋は2部屋取り、朔斗&未香子の兄妹と夕月&葉月の姉弟で、家族別に分かれても良いけれど、未香子&夕月と朔斗&葉月で、友人同士に分けても良いようにと、部屋を選んだようだった。


 「わたくしは勿論、夕月(ゆづ)と一緒のお部屋が良いですわ。自宅以外で夕月(ゆづ)と一緒にお泊りが出来る機会は、今まで一度もございませんでしたもの。今回が初めてなのですわ。ですから…今回の旅行は絶対に、夕月(ゆづ)とお泊りしたいのです。」

 「そうだね。私も、未香子と一緒がいいかな…。葉月とは、何時でも一緒に過ごせるからね。それに、いくら双子と言えども、()()()()()()()()()()()かな。着替えたりする時に、これでも一応は気にするからね。」

 「そうだね…。それを言うならば、僕と未香も同じだよね。着替える時に、確かに困るかな…。」

 「まあ、そうだね。僕は見られても平気だけれど、夕月(ゆづ)は…そうだよね。」


こういう会話が、4人の中で交わされていた。何方(どちら)兄姉弟妹(きょうだい)も男女ということもあり、着替える時に気を遣わなければならなくて…。それならば、家族別で分かれるよりも、男女別に分かれた方が良いという、結果になった訳で。


こうして、結果的には未香子の望み通りに、彼女は夕月と同室になることができたのである。着替えや就寝は其々の部屋に分かれるものの、それ以外に食事の時は何方かの部屋で、4人で一緒に食事しようということに決まり、また夜にはトランプなどをして、一緒に時間を過ごそうという話もしており、何かと4人で過ごすことになりそうだと、未香子も()()()()()()()()()()()()と、思っている。


ちっとも、寂しくはございませんわね。お兄様達のお部屋は、お隣のお部屋なのですから、何か問題が出て参りましても、何時でも直ぐ駆け付けてくださるわ。朝と晩の食事の時には、旅館でご一緒に頂くことになりますし、昼間はお出掛けしておりますから、外食になりますでしょうし、お兄様が色々と楽しいご計画を立てていらした、ご様子ですからね…。






    ****************************






 愈々今日から、4人で行く泊りがけの旅行だ。朔斗のマイカーには4人分の荷物を詰め込み、運転席が朔斗で助手席は葉月が乗り、後ろの座席には未香子と夕月の2人が、何時ものように乗り込んだ。これにて、出発進行っ!


車の中では、未香子と夕月が2人だけのお喋りを楽しんだり、4人全員でなんやかんやと話しながらも、あっという間に時間が過ぎて行く。それと同時に車で走った道のりも、もう此処まで来たのかと思うほど、徐々に目的地に近づいていく。時々運転の合間に、朔斗の休憩という目的で、ドライブスルーに寄ったりしながらも、何時の間にか目的地へと近づいて来ていた。


休憩時は4人共車から降りて、ドライブスルーでトイレ休憩やお土産ショップを覗いたり、時には散歩をしたりして、気分転換に心がけていた。何せ運転手は、朔斗だけである。未香子と夕月は勿論のこと、一学年上の葉月もまだ高校生だ。運転を交代するどころか、まだ運転免許を()()()()()()()()()()()だ。


 「朔兄には、十分に休憩してもらわなくては、ね。まだまだ先は長いからね。」

 「そうだよね…。朔斗さんは、旅行の間ずっとお1人で、運転することになるからね…。バイクの運転だったら、交代してあげられるだろうけれど…。」

 「…バイクでの旅行でしたら、抑々わたくしが運転できませんわ。」


…などと冗談を言うぐらいには、朔斗以外の3人もゆっくりとした移動を、心の底から楽しんでいた。本来は、朔斗がもっと沢山回れるようにと計画をしていたのだが、その計画を知った葉月に反対されていた。


 「朔兄、これでは…朔兄が大変だよ。僕達のことは気にしなくて良いから、もう少しゆったりとした計画にしようよ。」

 「しかし…今回は、初めての泊りがけの旅行なんだ。未香達が楽しんでくれるようなプランを、作りたいんだよ。」

 「朔兄が言いたいことは、よく分かるよ。でもね、車の運転は、僕達は誰も交代が出来ないんだよ。代わってあげたいと思ってもね…。それに、夕月や未香子が心配するよ。朔兄が無理してるって…。」

 「………そうだな。僕も…燥ぎ過ぎているようだな。ありがとう、葉月。君が忠告してくれなければ、後で…妹達に叱られるところだったな。」


実は…こういう遣り取りが、計画を考えている時にあった。朔斗は自分が無理をしてでも、妹達を楽しませたいと思っていた。これぐらいは何ともないと、そう思っていた朔斗に、葉月は痛い所を衝いてくる。朔斗が無理をすれば、未香子達が心配する原因に、なるのだと…。また誰も運転が代われないのだから、無理をするのは止めてほしい、と…。


実の弟ではなくとも、朔斗が弟のように思っている葉月に忠告されれば、少し浮かれていた気分も冷静になっていく。また反対に、葉月が怒りに我を忘れている時には、朔斗が何かと諫めていた。とは言っても、2人共に怒りで我を忘れることも、あるけれども…。特に、夕月と未香子のことに関しては。


だから今回のように、葉月に忠告されただけではなく、妹達2人に余計な心配をさせると言われては、妹を溺愛する兄としては、兄として失格であると反省をする。また夕月のことも妹同然に思っており、()()()()()()()()()()()…葉月だけではなくて、朔斗も2人には弱いのであった。そうして、彼の立てた計画自体を、一から見直すことになったのである。今度は葉月も共に、旅行プランを考えて。


頭の良い朔斗と葉月が共に考えたプランは、妹と姉の為に考え出されたプランと言えようか。当然の如く、彼女達2人のことを良く知る彼らだからこそ、彼女達が喜ばないような計画を立てる訳がなく、そして彼女達も彼らが立てたからこそ、楽しい計画だと思っている。


4人にとっては互いに、気を遣わない気軽な相手であり、それでいて…自分が気を遣ってあげたい相手でもある。それは自分の家族には、当然として持っている感情であったが、他人だとしても同じく、持っている感情であった。


()()()()()()()()()()()()()()()のだ、彼らの立ち位置は。そのぐらいに、兄弟姉妹同然に育って来た、というべきか…。


兎も角こうして、ゆったりとしたプランで旅行を楽しむ彼らは、旅館に到着する前に立ち寄るつもりであった、第1番目の寄り道場所に辿り着いていた。其処は旅館の周辺で立ち寄り場所として有名な、とある植物園であった。


 「植物園?…そう言いましたら、去年の校外学習でお菓子工場見学の後に、植物園の見学に参りましたわね…。その時は此処ではありませんけれど、懐かしい気分ですわね…。」

 「本当だね…。去年の校外学習が、懐かしくなるね。」


勿論、彼女達からは好評であったのは、言うまでもない……。

 今回、学苑の生徒達は全員、登場しません。仲良し兄妹と姉弟4人で、初めてのお泊り旅行となりました。この旅行の話が、暫く続く予定です。


なんだかんだと言いながらも、未香子もこうして4人で居ることが、大好きのようですね。少しずつ、未香子の男性恐怖症も、癒えているのかも…。

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