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君の騎士 ~君を守るために~  作者: 無乃海
第一幕 名栄森学苑1年生編【4部 冬の巻 編】
131/199

114話 女子会が終わった後は…

 引き続き、前半は、クリスマス会の続きです。

後半からは、クリスマス会(女子会)以降の日のもの、となります。

 あの後の萌々花さんは、訊くべきことは聞いたという雰囲気で、一先ずは…納得してもらえた様子である。萌々花さんは案外と、何でも来いみたいなタイプの人かと、思っておりましたので、正直言いまして…驚きましたわね…。意外ときっちりはっきりさせる、お人なのでしたのね…。()()()()()()()()()()という面では、割と夕月(ゆづ)とよく似ておられます。もう少し天然系のタイプに見えましたのに、見事に裏切られました気分でして。


 「箏音さんと言う人の初恋の人は、婚約者候補でもある、飛野君…なんだよね。彼女にとっては、望んだ結果でもあるのだから、結果オーライと考えて良いんだよね?…彼女を婚約から助けるということは、彼女の初恋を諦める、ということにもなるんだよね…。」


そう仰る鳴美さんも、思うところはあるようですが。まあ、彼女が望んでいるのならば、見守るしかないでしょう。勿論、私を含めた他のメンバーも、同じ事を思っておられる事でしょうね。家柄の問題はありますが、彼女が望んでいる以上は、私達他人が()()()()()()()()()、ないのですもの。


その後は暫くの間、学苑祭の時のお話や、箏音さんの婚約者候補でもある、飛野君のお話をしたりして、ワイワイと盛り上がっておりましたの。特に、飛野君の話題には、夕月(ゆづ)が率先して、「男なら、ハッキリした態度を取れ!」という非難めいた発言をして、この場の全員の同意を、得ておられましたわね。まあ…仕方がありませんわね。飛野君の態度は、皆にも丸分かりですからね。誰のことを好きなのか、を…。それをここで口に出す者は、この場には誰もおりませんけれど…。


夕月(ゆづ)が言いたい事も、私にはよく分かります。多分、飛野君のお家の方が、箏音さんのお家よりも、ランクが下なのでしょうから、一度正式に婚約すれば、飛野君側から婚約破棄するのは難しいでしょうね。飛野君が箏音さんに冷たい態度を取るのは、そういう理由もあるのかもしれません。もしかしたら、箏音さんから振ってくれたらいいと、待っておられるのか?…それとも、好きになれないぐらいなら、優しくしたくないと思っておられるのか?


飛野君は割と一途な人みたいですから、優しくして期待を持たせたくないという、飛野君の誠実さの表れなのかもしれません。それでも、それは単に、飛野君の気持ちのみであり、箏音さんの気持ちは考慮されていない、ということに…。つまり、私達が思っておりました通り、飛野君は箏音さんと、これまで全く()()()()()()()()()()()()、ということなのです。だから、飛野君1人で、空回りしているようなものですわね。


 「飛野君は、純真で誠実なタイプかと思っていたけど、意外と…鈍感で無神経タイプなんだね…。私は、そういう人って…好きになれないなあ。」

 「…ふふふっ。普段からそそっかしい萌々に言われたら、飛野もお終いだね?」

 「……なっ! 北岡君、ひっど~い!…私、そこまで鈍感じゃないからっ!」

 「あれ~?…萌々ちゃん、つい…この前まで、自分の気持ちに…気が付いていなかったんじゃ、なかったっけ?…萌々ちゃんが鈍感じゃないんなら、世の中の人み~んな、鈍感じゃない…と思うよ?」

 「う~ん、そうだよねえ。萌々ちゃんって、しっかりしていそうで、結構抜けてるところも…あるもんねえ?」

 「……うわあっ。…ナルちゃんも郁ちゃんも、酷い!…友達なのに~。」


萌々花さんが珍しく、他の人…飛野君を、鈍感タイプだと言い切ったことで、夕月(ゆづ)がくすくす笑いながら、彼女を揶揄い始める。すると、彼女を肯定する筈の…鳴美さんと郁さんまでもが、ニヤニヤしながら揶揄って。皆さん、言いたい放題ですよねえ…。それでも…萌々花さんならば、これぐらいでは落ち込まないので、揶揄いたくなる気持ちは、理解出来ますわよ。ふふふっ。


こうして、女子会を兼ねた初のクリスマス会は、無事に終了したのであった。






     ****************************






 クリスマス前日のイブの日に、兄が遊園地の夜景パレードを見に行こうと、私達を誘ってくれていた。チケットも手配してくださっていて、相変わらず()()()()()()()ですこと…。今年から、夜にも出歩くことを、漸く今年から許可された私達ですが、早速フル活用されますのね、お兄様…。夜景パレードなど、幼い時以来ですし、ここ何年も見ておりませんわ。久しぶりに童心に帰ったかの如く、私も夕月(ゆづ)も燥いでしまいましたわね…。お兄様と葉月も、そのような私達を見つめて、苦笑されておられましたけれど。


夜景パレードを見に行きましたので、今年はクリスマス会はされないものだと、思い込んでおりましたわ。クリスマス当日にも、これまで通り4人でのクリスマス会を致しまして、プレゼント交換もいつも通り致しましたのよ。


今まで、こういう時のプレゼントは、食べ物なのですわ。お兄様は毎回、中々手に入らないお店の、プレミアなお菓子をくださるのですわ。葉月は、その時その時に流行る食べ物を、夕月(ゆづ)は手作りのクリスマスケーキを、私は一応特注品のお菓子をと、各々で分野が決まっておりますのよ。


4人で持ち寄るケーキやお菓子を、三千さん達使用人にも分け与えて、家中の全員でお祝いするのですのよ。北城家がお隣に戻って来られてからは、毎年の恒例行事となっておりますわ。因みに、クリスマス以外では、5月の節句や3月のひな祭りも、この4人でお祝いしておりますのよ。会場は、勿論…九条家でしてよ。


九条家も北城家も、普段から両親の留守が多いものですから、三千さん達にも…手伝ってもらいながら、一緒にお祝いをしているのですわ。三千さん達はお手伝いさんと言えども、家族のようなものですからね。お暇でしたら、専属運転手の皆さんにも参加していただいたり、休憩がてら顔を出してもらったり、しておりますの。今は、北城家に関わっている使用人はいませんから、我が家の使用人だけですが。四条家の使用人が関わっていた時には、参加してもらったこともありましたわね。皆さん、恐縮されておられましたけれど…。


今年も、三千さんだけではなく、幹人さんや真姫さんも手伝ってくれて、準備も楽しかったですわね。残念ながら、名菜さんは、今年は都合が悪いと参加されませんでしたが、最小限の手伝いはしてくれていたのです。申し訳ないですので、明日にでも…彼女の分のお菓子は手渡すとして、取っておきましょうか。


こうして、今年のクリスマスも、呆気なく終了してしまい…。クリスマスが終わってしまえば、来年まではもうすぐである。年末の大掃除は、うちのお手伝いさん達が全てしてくれるので、私は最低限の自分の荷物を、片づけましょうか…。お兄様は、ご自分の物はご自分でしっかりと、管理されているようですので、今更お片付けは…ないでしょう。


それに対して、北城家ではお手伝いさんがいないので、自分達で大掃除するみたいでして。私もお手伝いしようかと、思った時期もありましたが…。


「未香子は、勉強した方が良いよ。」と、見事に…夕月(ゆづ)に、断られてしまいましたのよ。…クスン。「未香子が手伝うと、余計に手間と時間が掛かるからね。」と、葉月にも言われたことがありまして。その時は「嫌みな人ですわね。」と、ムッとしていたのですが。


それまで聞き役に回ってみえた、お兄様までもが「未香は、自分の部屋を片付けることから、始めようね?」と、言い出されて…。…そうですね。私、自分の部屋の片付けも、儘ならないのでしたね…。私がお手伝いすれば、きっと失くしたり、壊したりしますよね?


…という訳でして、自分でも自覚を致しましたから、自分以外の方の手伝いをしようとは、思いません。自分でも片づけたつもりが、いつの間にか失くしてしまっている為、大切な物ならば、三千さん達に管理してもらっているのです。私の母も同様に管理してもらっていますから、私は母に似たのでしょうね…。


特に年末は、私以外はお忙しいとのことですし、私1人…寂しくお部屋に籠っておりますの。下手にお部屋を出ようものなら、皆の片付けの邪魔をしてしまう、私…なのですもの。…はあ~。この時期だけは、いつも退屈なのですわ…。


そうして年末を無事やり過ごせば、今度は…新年のご挨拶が待っていて。これが毎年、相当に…憂鬱なのである。我が家は本家に当たりますので、親戚中がこの家に集まることになりますのよ。親戚だから、そう堅苦しくないでしょう?…と思われることでしょうが、答えはNOでしてよ。()()()()()()()、堅苦しい礼儀とご挨拶が、待っておりますので。


家柄がどうのこうのとか、礼儀がなっていないとか、親戚だから優遇される筈とかと、思っていらっしゃる親戚の方々も、おられまして…。ですから、こちらが手を抜こうものならば、遠慮なく容赦なく責め立てて来られます。お兄様は本家の嫡男ですし、私は本家の娘なのですから、特に見本となるような態度を取らなければ、分家の方々から…馬鹿にされてしまうのでして。…本当にそういう意味では、気が抜けない関係ですね。兄や私にとっての()()()()()()()とは、北城家一家であり、また我が家の使用人達も、当て嵌まるかと…。


勿論、遠縁の小父(おじ)さんのように、気が楽な方々もおられますけれど、縁が近いほど複雑なしがらみがありまして。私にとって1番苦手な人物は、同じ年頃の子供だという事実もあり…。…ああ。会いたくない。今年は一体、何を言われるのやら…。

 前半のみ、クリスマス会(女子会)の続き part5となります。


晶麻は登場しませんが、女子達の話題にされておりまして。多分、クシャミでもしていることでしょう。


後半は、幼馴染でのクリスマス会など、後日のお話となっています。この辺りは、『クリスマス特別編』でも見られますので、省かせてもらいました。多少は追加の脚色はしていますが、1年生の時は特に重要ではないので…。


また、親戚の新年の挨拶につきましても、同様に『お正月特別編』にて見られますので、こちらも省く予定です。未香子が苦手な人物についても、そちらに登場しており、これ以降は登場しない予定です。

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