表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/69

22 海智留さん

「おはようございます、天さん」

「お、おはよう」


 校門前、海智留みちるは、なんとなく気合を感じさせる顔で天を待っていた。


「今日もお弁当を用意しました。一緒に食べましょうね、天さん」

「あ、うん。ありがとう、陸野さん」


 どうしたのだろうと疑問に思っていると、今度は海智留みちるの顔が暗くなった。


海智留みちるです」

「え?」

「私のことは、海智留みちると呼んでくださいと何度も申し上げているはずですが」

「あ、えっと」

「昨日送ってくださった文面、覚えてらっしゃいますか?」

「あー……」


 そういえば、昨日最後に、海智留みちるさん、と送った。先ほどの表情は、もしかしなくても、それが原因なのだろう。


「もう一度やりなおしてください」

「いや、でも急がないと……」

「やり直してください。ありがとう、のあたりから」


 ずずいっと詰め寄られたので、天は諦め半分で、


「……ありがとう、海智留みちるさん」

「はい、今はそれで許してあげます」


 赤くなっているであろう顔を考えながら、天は頬をかいた。

 海智留みちるの顔に元気が戻った気がする。


「行きましょうか」

「う、うん。そういえば、浜田さんは?」

「今日は朝練だそうです」

「そっか」


 今日は、昨日より目立たなくて済むようだ。

 昇降口で別れて、教室へ。扉に手をかける。中からは楽しそうな話声。それも天が入れば静まるのだろうが。

 そっと引き戸を開けると、やはり教室は一気に熱を失ったように静かになった。

 だが、昨日とは違い、天を見て笑ったり、陰口を言っている様子がない。


 空気の変化をなんとなくだが感じつつ、天は自席に着いた。不気味な静けさだ。

 空気が張り詰めているような気がする。やがて授業が始まると、それも解消されたが天には理由が分からなかった。

ブックマークなどいただけますと励みになりますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ