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13 舞い降りた花びら

 話し合いは、学校から離れたファストフード店で行われた。駅への道からも外れているので、同じ学校の生徒には会いにくい。


「それで、話ですが」


 男子と女子で向かい合い、話を切り出したのは、海智留みちるだった。


「私は、星野さんに、改めて交際を申し込むために手紙を出しました」


 むせた。適当に選んだセットのコーラが気管支に入る。慌ててハンドタオルを取り出し、口を押える。


「ゲホゴホゲーッホゲホ」

「だ、大丈夫っすか、センパイ? つか、下級生、お前が仕切んな!」

「話をスムーズに進めるためです。次は浜田さん、どうぞ」

「えっ、あ、アタシは、だから、センパイと話がしたくて……」

「だそうです。星野さん、お答えをお願いします」

「ゲホッゲホ……。ちょっと待ってくれない?」

「はい、待ちます。いくらでも」


 海智留みちるの態度は昨日のものそのままだった。素直なのか、ひねくれているのか分からない。

 天が落ち着くまでしばらく。海智留みちるは真正面から、真波は照れているのか横目で視線を寄越してくる。


「陸野さん、その話って、昨日終わったんじゃなかったの?」

「終わりました。だから、改めて始めようと思いました。あと、私のことは海智留みちると呼んでください」

「えぇ……」

「父と話し合ったゆえの結論です。昨日は、私が一方的に話を進めて、星野さんを困らせてしまいました。なので、今回はきちんと段階を踏むことにしました」

「お父さんは、なんて……?」

「多少略しますが、双方合意の上ならば問題無いと」


 それは確かに。互いに了承し合っているならば、問題はないだろう。

 だが、天は了承していない。交際を申し込まれても困る。海智留みちるとは、まだ出会って一週間も経っていないのだから。


「ご安心ください。この場できっぱりと拒否されるならば、諦めます。私のことがお嫌いならば、はっきりと仰ってください。二度と現れるなと」

「いや、別にそこまでは……」

「優柔不断な態度は、相手を傷つけますよ」

「あっはい」


 どう答えても、今の海智留みちるは傷つきそうにないような気もするが。


「えーっと、それで、浜田さんの方は、話だっけ? 生徒会のこと、とか?」

「いや、全然、そんなの関係ないっす。個人的というか、友達っぽくというか……」

「友達? 浜田さんなら俺以外に、もっと友達いるんじゃ……?」

「あー、まあ、いるにはいますけど、センパイはセンパイですし。代わりはいないっていうか」


 真波は、その後、言葉を濁すだけだった。隣にいる海智留みちるが、意味ありげなため息を吐いていたが。


「鈍い人も問題ですが、はっきりしない人も問題ですね」

「う、うるせーな、下級生!」

「私は陸野りくの海智留みちるです」

「アタシは浜田はまだ真波まなみだよ、ったく」


 刺々しい挨拶を対面で見ながら、天は頭を抱えたくなった。

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