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巨大な影
暗く、不気味なほど静かな異世界の中。
暗闇に、より巨大な暗い影が一つ。
「大妖様」
その後ろに音もなく、小さな影がどこからともなく現れる。
「…討たれたか」
「も、申し訳ございませんっ!」
睨みつけられたかのような鋭く、冷たい地を這うような声に小さな影たちは震え上がった。
「思わぬ邪魔が入りまして、それで…!」
「言い訳は聞きとうないわ」
小さな風が空を切る音がした。
その瞬間、小さな影の一つが音もなく、肉片と化した。
あまりにも突然、そしてあっという間だったため、痛みさえも感じなかっただろう。
「…それで?
“あやつ”はどうした」
「陰陽の力はないものとみていいと思われます。
そばにいた人間を捕まえた時も気配すら感じなかったようです」
「…そうか
それは都合がいい」
黒い巨大な影は降格を吊り上げ、空を見上げた。
知のように赤い空が頭上に広がっている。
「もうすぐだ
もうすぐ、すべてが終わる」