表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙の卵(ソラノタマゴ)  作者: しゃくとりむし
第3章 心を求めて [後編]~コリュ~
81/85

暗闇の中で輪郭だけが感じとれた。


「誰だ!」


ゴフレードは短くそう声を発した。ラノミナ…?だろうか。


影は揺らめくように動くと瞬く間に間合いを詰めた。暗闇の中で、そいつと目が会う。


ラノミナじゃ…無い。知らない奴だ。


そう考えた瞬間、ゴフレードの腕が火花を散らして床に落ちた。


「な、何が起きてる…?!」


影は振り上げるような動作から、腕を一気に振り下ろした。ゴフレードは反射的に避け、床に倒れ込んだ。


目の前には切り落とされた腕、そこに脚の付いた気味の悪い機械が群がっていた。


「避けたか。次は仕留める」


頭上から、そんな声が聞こえた。中性的な人間味の無い声だった。ゴフレードは必死に起き上り、逃げようとした。



「まるで、人間のようだな」



胸から、刀のようなものの切っ先が飛び出ていた。わからない。何をされているのか。確かなのは、襲われているということだ。動く部位を、全力で動かしながら逃れようと試みた。


「助けてくれっ!… そ、そうだ。ゲン、ラノミナ、コリュ達は! うぐっ」


思い浮かぶのは人間の顔だった。機能を維持できなくなった身体は、次々に自分の制御下を離れて、只の”モノ”へと化していく。


傷ついた電子脳は最後の思考を巡らせて機能を止めた。


そこにはゴフレードの姿は無かった。黒い蟲のような機械の群れが、異物を排除するために密集しているだけだった。















オフィスで自分の前任者のつくった資料を見ていたら、「何が***(仕事の名前)だ!バカヤロー!」と書かれた付箋が出てきた。更に調べてみると、ボールペンで意味不明に狂気を感じるくらいに書きなぐった紙が数枚でてきた。僕はその前任者を良く知っている。穏やかな優しいおっさんで、色々お世話になった人だ。辞めちゃったけど。

 苦しさや憤りがその紙から滲みでていて、心の底から泣けてきた。世界は常に腐っている。魔法の弾丸は存在しない。それでも日々を生きていかなきゃならない。


愚痴るのは、このくらいにしよう。こんなの後書きじゃないし、ここは呟く場所でもないからね。。それにしても、僕の勤めている会社はブラックなのかな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ