表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙の卵(ソラノタマゴ)  作者: しゃくとりむし
序章 何かが欠けた宇宙船
8/85

ハイイロタマゴ 8

別に一人でも大丈夫。もし、この宇宙船に乗っているのが私だけでも何も問題無い。世界に居るのが私だけでも同じこと。寂しいなんて感じたことなんて無かった。私はこの宇宙を一人だけで進んでいける。          ~ コリュ・シェアシエ ~



今日も一晩中、「都市成長モデル」のシミュレーションプログラムを組んで遊んでしまった。人間の消費行動等の変数を変化させるとこれが面白いのだ。


「あ~。眠い。。ううっ。」


このまま机の上で寝ちゃいそうだ。でも、教育プログラムの「コアニー」が起しに来るんだろうな。薄ぼんやりと目を少しだけ開いてみる。


「コアニー。嫌い。」


不快だ。人の生活に干渉しないで欲しいな。私には、そんなプログラム必要無いのに。


「消しちゃうか。よしっ。消しちゃおう。」


コリュは、コアニーを消去することにした。


背筋を伸ばし、コードを組む。コアニーのプログラム自体は既に調査済みだ。


「いけっ。消去。」


これで消去できるはずだ。安心安心。


寝息を立ててコリュは眠りについた。。


◇■◇◆



「こらっ!! コリュ! 私を消そうとしたでしょ!」


コリュはけたたましい声で目を覚ました。この声はコアニーの声だ。


「あれ、まだ消えてない?探査できてないバックアップがあったのかな…消去しなきゃ。」


話を聞かず、コリュはプログラムをつくるために端末の電源を入れた。


「くうううううっ。消されてたまるもんですかっ!」


そう、コアニーが叫んだ。そして、部屋中の電源が一瞬で消えた。



こんなことは初めてだった。見るもの全てが真っ暗だ。ただ、非常用の塗料が薄緑の蛍光を発している。いつもと世界が違って見える。なんだか世界に私一人がいるようだ。


コリュはドサリとベットに倒れこんだ。


もし、このままコアニーが電源を付けなかったら?空調もOFFにされているようだし。少しづつ温度が下がるだろう。死ぬのかなぁ。まあ、それはそれでいいかな。


コリュは再びまどろみの世界に堕ちようとしていた。



「誰かっ!!誰かいないのっ!!お願いっ!!返事して~」



ん。誰かの声が聞こえた気がした。ダストボックスからだ。















… そう。 その声が、全ての始まりだったんだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ