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宇宙の卵(ソラノタマゴ)  作者: しゃくとりむし
第3章 心を求めて [後編]~コリュ~
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侮蔑

ゲンは椅子を振り回し、ゴフレードを近づけまいとする。

ゴフレードは躱しつつ、少しづつ距離を詰める。



「たああああっ」



先に仕掛けたのはゲンだった。大きな木製の椅子を頭上から振り下ろす。


ゴフレードはこの強烈な一撃を避けること無く受け止めた。


ドンっという鈍い音が部屋に響いた。


「嘘やろ… そないなことが」



ゴフレードは気持ちの悪い笑みを浮かべながら、壊れかけた椅子をゲンの手から払い落とした。

防御を失ったゲンに向かって、一歩づつ詰め寄った。



「お前ら人間など所詮はこんなものだ。どんなに上手く道具を振り回しても、できることなど限られている。ははっ! なんと無力だ」


ゲンは部屋の壁に追い詰めれ、逃げ場を求めて、視線を盛んに動かした。



「反則的な強さやな。せやけど、負けるわけにもいかんし、どないしよ」



みんな震えてしまって、ゴフレードに立ち向かう勇気は無いだろう。助けがなければここでゴフレードに殺されてしまうのだろう。


ゲンの脳裏には、最悪の状態ばかりが投影された。


「あかん。あかん。死ぬまでは諦めへんで!」



「威勢だけはいいようだな。絶望するといい。人間であることを恥じろ」



ゴフレードは、ついさっき自分に振り下ろされた椅子を手にとった。


「強度の違いでも確かめてみるか。」



壊れそうなほど、ねじまがった形状になったその椅子を、大きく振り上げた。



「くっ」



振り上げた椅子を、人間ではできない高速で振り下ろす!



バンッ!



!?


ゲンは頭上に木の破片が飛び散るのを感じた。床に落ちたのは大きな木片の塊だった。

思わず頭部を手で撫でて確認する。…傷は 無い。



「勢いが強すぎて木組みが抜けたか。命拾いしたな。まあ、すぐに消すけどな」


ゲンは振り返り椅子の壁を仰ぎ見た。


そこには脆くも崩れ、椅子の一部が突き刺さった壁があった。


「馬鹿力めっ。宇宙船の壁を壊すなんて」



「今度はお前の体にぶつけてやる」


ゴフレードは、新たな椅子を掴むと、ゲンに近づいた。



「もう、終わりやろか」



ゲンはそう呟いた。



「そうだ!!終わりだ!!」



ゴフレードは再び椅子を大きく振り上げた。

!?




「止めて!!!」




ゴフレードの目の前に飛び込んできたのはコリュだった。


コリュは、振り上げた椅子をブロックするように大きく腕を伸ばし、手を広げ、真っ直ぐな目でゴフレードを見つめた。







前回から間が空きすぎてしまった。

何も解決していない。何もかもだ。僕はどうすれば…いい?

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