生存者
セノアーとラノミナは絶望的な観測を持ったまま、生存者を探し続けた。シェルターが見つからないまま、半時が過ぎた頃、その青年の入るカプセルを見つけた。
「ねえ、このカプセル、ちゃんと作動している。…もしかして、生きているんじゃない?!」
ラノミナは少し驚いたように、そう言った。
セノアーも頷いて尋ねる。
「コリュ。ゲン。生きている可能性が高いよ。このカプセルを空けてみてみたいんだけど」
「あほか。空気中の酸素濃度がヤバイんよ。開けたとたんに中の人間が死んでしまうて。」
「じゃあ、どうすれば」
「そのカプセルごと、こっちに持って帰れへんのか?一つだけやろ?もしかしたら、移動可能なカプセルかもしれへんし。」
ラノミナとセノアーはカプセルの周囲を調べた。簡単な留め金、電気系統の接続はあるが、その他の接続は無く、受注船と独立して作動しているようだった。留め金を外せば、運べるかもしれない。
「じゃあっ。留め金を外してっ、それ回収しちゃえっ!」
「船長~。簡単に言いますけど、重そうだし、運ぶの大変なんですよ~」
「つべこべ言わない! さっさと留め金外しなさい。 時間が無いわ」
ラノミナはそう言って、セノアーの背中をバシッと叩いた。
◇◇
コールドスリープ用のカプセルに眠る青年の顔はどこまでも澄んでいて、聖者のような顔で眠っていた。
「ううっ。重い。重いよ。見とれてないで、ラノミナもちゃんと手伝ってよ。」
「ごめんごめん。時間があまり残って無いし、はやくしないとね」
車輪も無いため、重いカプセルを2人で引いて運ぶ。汗がじんわりと滲む。20分ほど運ぶとようやく出口が見えてきた。
セノターとラノミナが小型船に詰め込もうとしたときに、ナタークが不意に尋ねた。
「みんな。今さらだけど、そいつを持って帰ってしまっていいのか? ほら、未知の病原菌とか、なkんかさ」
「なによ! せっかくここめでやったのに!手ぶらで帰るの?」
「まあ、心配やけど、ナタークは心配しすぎや。」
コリュもゲンに続いて答えた。
「大丈夫。こっちでも検疫するから。」
セノアーは笑って頷いた。
「それなら安全ですね」
2つシナリオの案があって、片方は全滅するのと、片方は普通に誰もしなないもの。一応誰も死なない案で進めているんだけど、無性に全滅シナリオに心惹かれる。方向転換して… や、やめるんだ、俺。