やりたい事。
「う~ん。何も思いつきまへんね。っていうよりも考え付いていたらもうすでに実行してまずねん」
「そんなこと言わないで考えてよっ」
ラノミナ以外のクルー全員がミュエネの部屋でテーブルを囲んでいた。
ナタークが小さく手を挙げた。
「みんなでお菓子を作って渡すのはどう?お腹が膨れれば気が晴れるでしょ」
「ナタークっ。ラノミナはあなたとは違うのっ。却下」
リィリス船長はふくれっ面になった。ナタークはテーブルに突っ伏した。
「え~。」
「そうね。私も、料理なら既にラノミナに贈っているわ。でも、食欲が無いんだって…」
「ミュエネさん~。」
そんなナタークを無視して、リィリスはコリュの方を向いた。
「コリュっ。何かいいアイデア無い??」
「非侵襲的方法では限界がある。侵襲的方法で…」
「そっ。それは駄目っ!」
リィリスが慌てて制した。何のことかよくわからないけれど、方向性から誤っている気がしたからだ。コリュの手には端末が握られている。
「そうねっ。コ、コアニーは?」
とりあえず、コリュの意識を逸らすためにコアニーに呼びかける。
「あれっ、コアニーっ」
端末からコアニーに呼びかけても応答が無い。…必要な時に使えないやつだ。
「コアニーに通じませんか?おかしいな。さっきまでいたのに。」
セノアーが不思議そうにつぶやいた。
その呟きにコリュが答える。
「コアニーはラノミナのところ」
「どうして勝手に行っちゃうのよっ。もうっ」
…
突然、コリュはセノアーの方に体の向きを合わせた。
「セノアー。ラノミナの事好き?」
!!!
「なななっ。いや。まあ。急に何を? コリュ!?」
「ラノミナの事好き?」
「確かにすごくキレイな人だけどさ。今は、落ち込んでいるし、ほら、それどころじゃ無いでしょ」
「ほれほれ、早く吐いてしもうたらええやん~」
ゲンまでにやにやしながらそう言う。
「いやいや、違うって、あんな暴力女」
ミュエネ、ナタークまでニヤニヤと笑いはじめた。
何なんだ。この流れは。
リィリスが何かに気が付いてクスクスと笑いはじめた。
リィリス船長がチラチラと何かを見ている。その視線の方を、セノアーは振り返った。
「何!なんなのよ!悪かったわね!暴力女で!」
真っ赤な顔をしたラノミナが手を握りしめて立っていた。
「ラノミナ! なんでここに!」
「あんた達がよんだんでしょ!」
ラノミナはプイっと横を向いた。
コリュの端末から声がした。
「コリュ。コレでいいのですカ。ラノミナ呼んで来ましたケレド。言われた伝言も伝えましたケド。」
「OK。」
「コリュ。これってどういうこと?」
「ショック療法」
◆◇
「人のこころを玩ぶのはよくないことだよっ。コリュっ。」
リィリスに叱れれて、コリュはコクリと頷く。
「わかっているのっ?」
… コクリ。
「まあ、まあ。ご説教はその辺にして、本題にいきましょう。…今ね。ラノミナ。あなたを元気づけようとみんなで考えてたの」
ミュエネはじっとラノミナの目をみている。
「ミュエネ。それじゃあ直球過ぎまへんか…」
「そうかも知れない。でも方法が無いじゃない。コリュもそのつもりでラノミナを呼んだんでしょう?」
コリュはコクリと頷く。
「ミュエネ。あなたが元気が出ることは何? あなたがしたい事は何?? 教えて。 」
…
辺りが静まりかえる。
…
「私は…」
…
「どうしてもしたかったことが一つだけあるの」
「何? 言ってみて」
「この宇宙船の航行軌道上に、廃棄宇宙船があるの。救難信号は100年前から出っ放しだわ。もちろん、救助しても人が生きている可能性はありえない。…でも、探ってみたい。それが昔の私の夢だった。」
「確かに危険かもしれへんな~。遭難船か」
「でも、それでラノミナの気が晴れるならっ。私はその夢っ、実現させたいっ」
リィリスは立ち上がった。
「む、無理にしなくていいわよ!… みんなを危険にさらしてまで…」
「遠慮なんてしなくていい。行こう。その宇宙船に。皆っ、いいよね。」
セノアーの呼びかけに全員頷いた。
ラノミナは止めようと思ったが、
セノアーの真剣な目をみて、言い出すことができなかった。
最近お仕事が大変なことになっていて、小説の方更新できてなかったです。
というわけで(どんなわけで?)、もう、いろいろ校正とか考えずに、、一気に書いちゃえ~モードでやるしかないと考えてます。
ストレス溜めすぎて、気分のコントロールが最近もうダメかも。。
このままじゃ、僕は…。