変わりたい。
リィリスは扉を見つめる。
ラノミナの部屋の前、リィリスはずっと立ち尽くしていた。
呟く。
「ラノミナっ。ごめんね。」
壁に向かって一人呟いたところで、返事がないことはわかっている。謝りたいなら無理にでも入るべきだろう。そんなことはわかっている。
でも、ここで呟くことしかできなかった。
ラノミナはあれからずっと、部屋で塞ぎ込んだまま出てこない。コアニーの話ではちゃんと生きているとのことだが、部屋の隅で丸まっているらしい。
… 私のせいだ。
私が船長としてしっかりしていれば、こんなことにはならなかった。
ラノミナが傷つき、コリュが自責の念を持ちながらも行動せざる得なかったのは、私が駄目だったからだ。
「はぁ…」
静まりかえったこの扉の前で、いくら謝っても何も意味は無いだろう。
自分が臆病だってことはよくわかった。
「だから私は駄目なんだなぁ。。」
そう言ってリィリスはくるりと向きを変えて自分の部屋へと歩き出した。辛い時、一人で歩くと涙がこぼれる。最近わかった。
「ははぁっ。なんか泣いてばっかだ。情けないっ。」
そう言って涙を拭う。
みんな出会わない方が良かったのかな…
みんなに出会ってからのことが頭をよぎる。
ロードロックシステムの解除をコリュに頼んだあの時、私はみんなと一緒の世界を望んでた。
もっと、楽しい世界を。
でも、現実はそうできなかった。
… こんなの嫌だっ。 …
そう思ったら胸がかっと熱くなった。
拳を握りしめて思う。
絶対に、絶対にこの世界を楽しい、苦しみの無い楽園に変えてやるんだっ。誰もこれ以上傷つかないように。強く。強く変わらなきゃっ。
リィリスは涙で腫れた目をぎゅっと瞑った。
2章完結です。この章での謎は4章以降で解明されます。長かったなぁ。
一人反省会をやらねば。あと、口内炎治りました!
とりあえず、ここまで読んでいただき、ありがとうございました!!