表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙の卵(ソラノタマゴ)  作者: しゃくとりむし
第2章 船長の風格 ~ リィリス ~
35/85

船長は誰のために 4

ゆっくりとコリュの部屋のドアを開ける。


コリュの部屋は薄暗かった。

机の上のライトがだけが、部屋の半分だけに光を届けていた。


コリュは布団に丸まっているようだ。寝ているのだろうか。


「コリュっ。」


恐る恐るそう呼びかけてみる。

…反応が無い。


「コリュっ!コリュの端末を届けに来たのっ!…それに私、謝りたいのっ!」


大きな声で叫んだ。


しかし、反応が無かった。無視、されているんだろう。


リィリスは泣きそうになり、一歩後ずさった。

… ここで逃げたら、コリュと永遠に仲直りできない気がする。


「酷いこと言ってごめんなさいっ!コリュっ!!」


そう叫び、リィリスは布団ごとコリュに抱き着いた。

ギュッと力を込める。


コリュが確かにいる感触がある。

仲直りはできていないけれど、コリュのすぐ傍にいるだけで安心できる気がした。


抱きしめながら呼びかける。

心が震えて涙がでてくる。


「コリュ。。ごめん。コリュを傷つけるつもりは無かったの。。…ッ… グジュグジュ…もう、靴下なんてどうでもいい。…ッ… コリュと一緒にいられればそれでいいの。。」


布団を掴みながら泣きじゃくる。でも、コリュの反応は無かった。


「コリュが私のこと嫌いになっても、コリュを絶対離さないっ…!」


!!!!


固く閉じていた布団がパッと開いた。コリュはリィリスを布団で包み、ベッドに押し倒した。



「コリュっ。ごめん!!」


「いいよ。…もう怒ってないよ。」


リィリスはコリュも首に抱き着いた。


「ずっと一緒にいてくれる?」


コリュは頷いた。コリュの目は赤く腫れていた。コリュも泣いていたのかもしれない。


コリュとリィリスはしばらくそのままでいた。





コリュの呼吸の音を聴いていると安心できる。


私、仲直りできたんだ。。






ずっとこのままでもいいかもしれない。

でも、やらなきゃいけないことが他にもある。

このままではいられない。


リィリスは呟いた。


「そろそろ、行かなきゃ。ラノミナや他のみんなにも謝らなきゃいけない。」


コリュはリィリスの服を掴んだ。


「行っちゃうの?」


「うん。行かなきゃダメなのっ。皆にひどいことしちゃったから。」


「一緒に行く?」


「これは、私に対しての責任なのっ。だから一人で行かなかきゃいけないのっ。」


リィリスはベッドから降りた。


コリュも目を擦りながら起きあがった。なんだか、寂しそうな気がした。


「一人で謝らなきゃ意味が無いっ。… でも、ミュエネの所まで一緒に行こう。休憩談話ルームで待ってて。」


コリュは頷いた。




そして、コリュとリィリスは、一緒に顔を洗い、一緒にミュエネの部屋に向かった。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ