タマゴ達の邂逅 13 ~ セノアー ~
「ここはどこなんだろう。。困った。」
道に迷い過ぎてセノアーは不安を感じていた。進んでいるのか逆戻りしているのか、方角もよく掴めない。
セノアーは辺りを見渡す。宇宙船の出航時代に使われ、今は放置された部屋が無数にある。着陸時に使用するであろう部屋もあった。今まで、数えきれない人数の人達が、この宇宙船で働き、死んでいったのだろう。
誰もいない、音一つしない長く伸びる廊下。ここにも、何人もの人が歩いていた時期があったはずだ。
ふと、セノアーは思った。
…死んだ人達はどこに行ったのだろう?
遺体を安置する部屋がこの宇宙船のどこかにあるはずだ。まさか、宇宙空間に遺棄するなんてことはないだろう…と、すれば、道に迷ってあちこち歩き回っているうちに、うっかり死体がぎっしり詰まった部屋を開けてしまって…なんてことも。いや、もしかしたら、片づけられずに忘れられた死体が放置されていたりして。
変な想像をしたら、急に怖くなってきた。空気がひんやりとしてきた気がする。鳥肌が立ってきた。
セノアーは早歩きで歩きはじめた。
人工の照明が照らす廊下には、セノアーの足音だけが、異様に、響く。
その足音さえ、セノアーを神経質にさせた。恐怖心を抑えようとしても、足音が響くたびに増していく。
セノアーは走り出した。
走ってみても、恐怖心は消えない。
「うわああああ~~」
叫び声をあげながら、何かに追われているかのように、全速力で走り始めた。