タマゴ達の邂逅 10~ ラノミナ ~
ラノミナは、衣類の洗浄機の前で、悩みに悩んでいた。
「みんなの前には、一番お気に入りのこの服がいいんだけど、ちょっと汚れがひどいし。洗わないと臭いとか言われたらイヤ。 でも、でも、この服を洗っちゃうと、すぐには着ていけないよね。どうしようかなぁ。」
セノアーに言われたことは、身悶えしてしまうような苦しさがあった。自分自身について考えたことも意識したこともなかったけれど、人に言われるとどうしても気になって苦しい。
「やっぱり、洗うしかないよね。もう、あんなこと嫌。念のため、着ているもの全て洗っておこう。…時間はかかるけど。」
洗浄機の中に、思い切って着ているものを全て放り込んだ。大きめのタオルで、裸の体に巻きつけた。そして、洗浄機に、もたれかかるようにして座り込んだ。
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機械の洗浄音が部屋に響く。背中から、機械の音がする。
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機械の音ってなんでこんなに落ち着くんだろう。一定の決まった音。予測できる決まったリズム。安心できる音。
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ラノミナは、ゆっくりと肺の中の空気を吐き出した。
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なぜ、こんなに、人間相手だといろいろ意識してしまうんだろう。私はどうしたらいいの?
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ラノミナは、小さく足を抱え込むようにして縮こまり、体に巻きつけたタオルを解いて、頭の上にふわりと乗せた。視界は、白くてやわらかな色になった。
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人について考えると緊張しちゃう。でも、こうやって目を覆ってしまえば、少し落ち着く。