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宇宙の卵(ソラノタマゴ)  作者: しゃくとりむし
第1章 タマゴ達の邂逅
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タマゴ達の邂逅 7 ~ ナターク ~

「やあ、はじめまして。ミュエネさん。」


「はじめまして~。ナタークさんでよかったですか?」


軽く握手をした。表情には出しはしないが、少しドギマギしてしまう。ミュエネさんが話しやすいやさしそうな人でよかった。


「休憩談話ルーム。ここはいいですね。広くて。なによりも緑がある。」


「そうでしょう。ここは私の一番のお気に入りなんです。特に、散水の時間に、その木々の中に寝転がっていると木と地面の匂いがするんです。」


「それは楽しそうですね。」


「まあ、まあ、とりあえずこちらにおかけになって。」


「ええ。」


とりあえず、私が一番乗りのようだ。他の乗り組み員の姿はない。話下手な私では間がもたないかもしれない。少し硬くなってしまった。ミュエネさんに怖い印象を与えていないだろうか。


とりあえず、手を組んで辺りを見渡す。なんて落ち着いたいい場所なんだろう。


「飲み物でもどうですか? 野菜ジュースですよ♪」


「ありがとうございます。… う。うまい。びっくりするくらいおいしいですね。少し甘味があって…」


「特別扱いで育てたニンジンが入ってますから当然です♪」


「そ、そうですか。」


なんだか、こうしていると落ち着く。ずっとここに座っていようかな。




だが、物事は思い通りには行かないものだ。そんな静寂とゆったりとした時間はすぐに破られた。





部屋の扉が急に開く。




「ひゃやっほーっ!! ソラノタマゴの船長。リィリス参上っつ!!」


「あと。コリュもです。。」




「こんにちは。 さあ、船長さんもこちらにどうぞ~」


落ち着いているなあ。この小さな女の子が船長か。本当にそうなのか?イメージと違うな。


無愛想な背の高い大人な女に人は保護者だろうか。この人が船長なのかも。もしくは、船長は世襲制で、幼年の場合は、世話をする係りの者がつく ということだろうか。



「コリュさん? この子供が船長ですか?」


「はい。」

つぶやくように声を出し、頷いた。


「そうですか。」


「はい。」


「コリュさんは、お世話係か何かですか?


「違います。」


首をフルフルと振る。


どうやら違うようだ。


「ム~ 船長であるこの私を子供扱いするなんてなんて失礼な人なの!!こうしてやるっ!この黒頭っ!」


リィリスは大きく振りかぶって、パンチをナタークに喰らわせた。


ガタ、ガシャン!


パンチは当たらなかったが、避けようとしてイスから落ちてしまった。


「オ~」


コリュは目を丸くして見ている。


「… な、なんでこんな目に。」


「船長の制裁ですっ。人を子供扱いするからですっ。」


「まあ、まあ、お二人ともけんかはダメですよ。」











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