タマゴ達の邂逅 6 ~ セノアー ~
「あ~。全くひどいめにあった。」
ため息をつきながらひたすら歩く。宇宙船自体はそれほど大きくない。と思っていたんだが…
「コアニーが言ってた部屋ってどこ??というよりここどこだ。」
道に迷ってしまった。変な汗が出てくる。
知らなかった。これほど、いろんな部屋があるなんて。部屋の名称を見る限り、惑星への着陸時に使用するためのものなのだろうか?それにしても、今現在の乗り組み員の人数じゃあこんなに沢山の部屋は使いこなせないはずなんだが。
人工の明かりが延々と続く廊下、進めば進むほど体が感じる重力は軽くなる。宇宙船の中心には近づいているのだろう。だったら、この道で間違いではないはずだ。
今頃、コアニーの呼びかけで、みんな同じ気持ちで、同じ場所に向かっているのだろうか?少し不思議な気がする。これから会うすべての人、何人もの人が、みんな、僕と同じように沢山のことを思索し、いろいろなことを感じる。しかもそれは、ひとりひとり、異なった情報処理をする。
足取りが少しづつ重くなる。重力が増してきたように感じる。
「あ~っ。どうすれば!」
そう叫び髪を掻き毟る。
「コアニー。そうだ。コアニーを呼ぼう。」
… 呼び出しても、呼び出しても、接続できない。
「はあ、どうしようもないか。適当に歩き廻るしかないか。」